仮装経理の是正(2)            



  確認すべき項目


@仮装経理事業年度・・・・・・・いつ仮装経理したのが

A仮装経理の指示者・・・・・・・誰が仮装経理を決定指示したのか

B仮装経理を行った理由・・・・なぜ仮装経理をしたのか

C仮装経理の方法・・・・・・・・・どのように仮装経理をしたのか(金額、仕訳を確認する)

D修正経理の有無・・・・・・・・・修正申告している場合は、その内容(金額、仕訳を確認する)

E消費税の処理む・・・・・・・・・仮装経理が消費税計算に影響むしているか


  通常の処理と対応

修正:経理で特別損失と計上した金額を法人税申告書別表4で加算した確定申告書を提出し、税務署長宛に「減額更正を求める嘆願書」を提出することになる。


・粉飾が発覚し、その年の損益計算書に修正仕訳として、「前期損益修正損 a/c」で処理することとなるが、これだけの処理では間違いとなる。本来の正しい所得は、前期損益修正損控除前のものだからである。



 事     例 1

・過去に毎年1000万円ずつ粉飾決算し、5年間で5000万円の粉飾を行っていて、6年目に粉飾が発覚した場合、6年目の損益計算書に
「前期損益修正損」として5000万円を特別損失に計上する。しかし、6年目の正しい所得は5000万円控除前のものなので、別表4で5000万円を加算することとなる。

そして、
同時に「更正の請求」と「減額更正の嘆願書」の提出を行うことになる。


  申告調整

別表4で加算しなくとも減額更正される。ただし、修正の経理をした事業年度は増額更正される。


 事     例 2


・A社は、3月決算法人であり、平成16年度及び平成17年度において仮装経理を行い、本来は欠損金が生じるところを過大申告し法人税を納税していた。
仮装経理は、受取手形、売掛金、棚卸資産の過大計上と支払手形、買掛金の過少計上である。

当期平成21年度において、仮装経理にかかる修正の経理をしたうえで確定申告を行い、税務署長による「更正」と「減額更正」を受けることを考えている。

A社の場合、過大申告してきた法人税額は全てにつき更正を受けることができるか。また、更正をうけた法人税は直ちに還付されるか。

解            説


・法人税法上、過年度において仮装経理により過大申告を行っていた場合には、法人自らがその修正の経理を行い、その処理に基づく確定申告書を提出するまで税務署長は更正をしないことができるとされている。(法人税法129A)


「更正の請求」は、申告期限から1年以内にしかできない。1年を経過してしまった分については、税務署が「減額更正」をして還付してくれるよう「嘆願書」を提出するしか、残された道はない。



:・そして「減額更正」については、
法定申告期限(この事例では3月決算なので5月31日が申告期限となる)から5年を経過したときには出来ないこととされている。(国税通則法70A)

・本件の場合、
平成17年度分の法人税については、その更正期限は、平成23年5月末であり問題ないが、平成16年度分の法人税については、その更正期限が平成22年5月末であるので、平成21年度の確定申告を通常どおり申告期限(平成22年5月末)までに行うとすると、「同日までに税務署長の更正処分が間に合わない可能性が高い。」
下図を参照

H16.4.1〜3.31 H17.4.1〜3.31
H18.4.1〜3.31
H19.4.1〜3.31
H20.4.1〜3.31
H21.4.1〜3.31
仮装経理
事業年度
仮装経理
事業年度



修正経理
事業年度
@
A
B
C
D



・平成16年分の仮装経理に伴う過大法人税額については、16年度の法定申告期限である平成17年5月31日から
「5年以内に減額更正」を受けなければならないが、5年を計算すると平成22年5月31日までに更正を受けなければならず、間に合わない。

・従って、平成16年度分の法人税の減額更正を受けようとする場合には、決算期変更等により前倒しして、平成22年5月31日以内に減額更正が受けられるように、決算及び確定申告することを検討する必要がある。


・仮に平成22年度中に減額更正された場合には、その時点で既に解散、法的整理、合理的な私的整理が開始している場合には、減額更正された法人税額の全額が直ちに還付される。

・そのような事由が生じていなくとも、その前事業年度である平成21年度分の確定法人税額に達するまでの金額は、直ちに返還される。

・それ以外の金額については、
その後の事業年度において生ずる法人税額から税額控除することにより取り戻されることとなる。

・更正の日の属する事業年度開始の日から5年を経過する日の属する事業年度の確定申告期限(その更生の日からその「5年を経過する日の属する事業年度の」までの間に解散、その他一定の事実が生じたときは、その解散の日の属する事業年度の確定申告書の提出期限等)までに控除未済額がある場合には、その時点でその全額が還付される。

・また、その間に法的整理、合理的な私的整理が開始した場合には、その時点で控除未済額の全額の還付を請求することができる。



・なお、平成13年4月1日以後に開始した事業年度において生じた欠損金額にかかる減額更正については、その期間は
「7年間」となる。(国税通則法70Aかっこ書き)