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 鰹乃國の 元・かつお一本釣り漁師が語る

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かつお・カツオ・鰹の話し...

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かつおの寿命は何年か..?

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土佐の高知の「かつおのタタキ」

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かつおの天敵は....?

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かつおは何科の魚か....?

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たたきの厚さは...?

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タタキの由来は...?

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かつおの漁獲高は.....?

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かつお・カツオ・鰹の話し.....

 「鰹」は、我々日本人にとって最もなじみの深い魚の一種でもあります。
「目には青葉、山ほととぎす初かつお」と詠われるのもこの頃で江戸時代中頃には、
この「初かつお」、勝負に勝つ魚、勝つウオ、勝つ男と書いて「カツオ」とも呼ばれ、
縁起をかついで大変な人気だったようございます。

 中でも「サムライ・武士」はこの「かつお」を特に好んだようであります。
なぜかと言いますと、「勝男武士・カツオブシ」と言うほどでありますから。
やはりこの江戸時代、太平の頃にも武士の社会、出世争いは縁起をかつぐほどに、
勝ち組を競って今以上に熾烈だったのかも知れません。

 しかしこの「初かつお」当時の値段で、
一本が三両二分もしたという記録が残っております。
現在のお金に換算しますと、約10万円、「女房を質に入れても食いてぇ」と言った
江戸っ子の話は、あながち嘘ではなかったようでございます。

 では、どんな人々がこの「初かつお」を我先に食したかと言いますと、
やはり、将軍様、そして公家(高家)の人々、その次に大名ときて人気役者、
豪商の者が食べて次第に一般町民が食したと言います。

 その頃の詠に、「初カツオ、飛ぶや江戸橋日本橋」とありますから、
現在の千葉県は銚子で揚がった「かつお」を、松戸経由でお江戸まで、氷りの無い時代であります、
行商人が肩に担いで新鮮な内に我先にとすっ飛ばしていたのでありましょう。

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土佐の高知の「かつおのタタキ」

 高知名物と言えば「かつおのタタキ」が有名ですが、
なぜ「かつお」と言えば土佐(高知)なのか、
黒潮本流が最初に本土にぶち当ってまず方向を変えるのが土佐沖であり、
網で大量に捕獲する漁法をもたず、
イワシを撒き餌して一本一本釣り上げる「土佐の一本釣り」として
いまだ400年に続く伝統漁法を守り、
鮮度重視で水揚げする事にこだわっているなど
様々に理由はありますが、要は「土佐人はかつお好き」と言うことでしょう。

 食することは勿論のこと。その皿鉢をかこみ酒を呑み、
議論に華を咲かせるのが常で、激論あまって掴み合いの喧嘩になることもしばしば。

 高知県の県木は「やまもも」県を代表する鳥は色あざやかな「ヤイロ鳥」。
県魚は当然「かつお」であります。地元の河川で育った「鮎」などを差し置いて、
世界の外洋を泳ぎまわっている「かつお」が、県を代表する魚になったのは、

 土佐沖を流れる世界一の海流「黒潮」を自在に乗り切る強靱さと、
はるか昔より今日に至まで、この「土佐」に多大で様々な恩恵を与えてくれた、
誰もが認める実績があるからでしょう。

 

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かつおは何科の魚か....?

   純金のかつお (一億円)

 まぐろなどと一緒の「サバ科」の仲間。

 4月から5月にかけて土佐沖に黒潮に乗って回遊してくる
「初夏」を告げる魚。「初かつお」と呼ばれるこの頃のかつおは、
脂はまだのっていないが、甘味とかつお独特の風味は春のかつおに限る。

 「トロかつお」と呼ばれる秋のかつおも旨いが、
本当の(かつお好き)は「春かつお」を好む傾向にある。

 それもタタキよりは刺身。それも新鮮さはもとより、
釣ってまだ時間がたっていないかつおの刺身は、
地元では「モチ」とか「グリ」と言ってその新鮮な触感に舌鼓を打つ。
地元以外では食することは難しい。

 

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タタキの由来

 古来より土佐久礼の漁師に伝わる
「焼き切り」と称する「かつお」の食し方があった。
 
 高価な醤油などの無い時代、浜で半焼にし、
塩をまぶして食べたと言う。その伝承が今に伝わったとされることと、
かつおはその昔、まだまだ庶民には手の届かぬほど高価な魚であった。

 時の殿様が、その贅沢を戒めるとともに、
氷りなど無かった昔の時代、食あたりや流行り病が続き
生身のかつおを食することを禁じた。ところがいつの時代にも知恵者がおり、
かつおの表面だけを火にあぶり、これは焼き魚だと偽って食べたところ、
なんとも絶妙の旨さであったという。

 その後には、ネギやニンニクなどの薬味とタタキのたれをまぶし、
包丁の腹で軽く「叩いて」馴染ませたことから「タタキ」となったとも言われている。

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かつおの漁獲高は...?

 「ツナ缶」として世界に出回っている缶詰は、
「かつお」も「まぐろ」も同じ表示で流通しているが、
「かつお」にかぎっての漁獲量は、大平洋西部域の漁獲がもっとも多く、
なかでも日本は世界最大の漁獲高を誇る。

●日本 =     276,100t 
●インドネシア = 238,400t 
●台湾 =     232,600t 
●韓国 =     173,400t
●スペイン =   144,000t 
●モルディブ =  115,300t
●フィリピン =  110,000t 
●その他 =    744,500t
 FOA統計

 日本は刺身やタタキなど、生食としての需要も多いが、
保存性の高い「かつお節」としての流通が盛んで、
家庭から高級料亭まで、様々な料理の出し汁をとるのは、
ほとんど「かつお」からと言ってよい。
 

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かつおの寿命は何年か....?

 かつおの寿命は、「約7年」と言われていますが、
果たしてこれが本当なのかどうか...?。

 われわれ一本釣り漁師が、何年かに一度出くわす大バンナブラ(大物の群れ)に出くわすと、
とんでもない20〜30キロ級の大物がかかってくることがある。
当然一人では釣り揚げれないので、
二本張り、三本張り(二/三人で三本の竿を出し、途中から釣り糸は一本になり、
通常より三倍も大きなカブラ/毛針を使う)で対処するが、
それでも揚がらぬ鰹は、長竿の鈎を打ち込み皆で力を合わせて船に引き上げる。

 このような大バンは、とうてい7年ほどとは思えない大きさで、
黒潮の海流を上り下り10度はしているように思える。

 太平洋熱帯海域に生まれ、この黒潮に乗って旅立つかつおは、
約2歳魚になってから旅立つと言われていますが、これも定かでは無いと思います。
時折アジほどしかないかつおの群れに遭遇(価格が安く釣らない)するが、
辺り一面見渡すかぎりの大集団(大なぶら)となって黒潮に乗り北上している。

 

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かつおの天敵は.....? 海の頂点に立つ魚

 かつおの成長は早く、1年もたてば約20センチ〜40センチにまで成長すると伝えられている。
なぜ成長が早いかと言うと、成長期を過ごす暖かで快適な海の環境もあるが、少しでも早く小魚を補食できるよう、
体長も泳ぐスピードも急速に上げる必要があるからだろう。右下にある写真には、かつおの群れ(ナブラ)が
イワシの大群を見つけ「ジャアァーー」と海面を蹴散らしながら大好物のカタクチイワシを補食している様子。
その餌に向かって突進するスピードは、60キロ以上の早さで獲物を追う。そんなかつおにも天敵はいる。

 最大の天敵は、カジキである。
カジキマグロとよく呼ばれるが、
サバ科のマグロとは異なり、カジキ科の大型魚である。
マカジキ、バショウカジキ、フウライカジキ、
メカジキなどで。

 カジキ名の由来は、船底の一部である頑丈なカジキをも、
剣のように鋭い「吻」で射抜くからだと言われている、
漁師仲間の間では...別名「カジキドウシ」とも言う。

 このカジキ類でも最大になるのが「メカジキ」で、
体長は6〜7メートル体重600キロにもなる。
漁師が「メカ」と呼ぶ海の生態系では最強の魚である。
このメカが現れると、クジラはおろか、サメも、
あの獰猛なシャチでさえ恐れて逃げる。

 かつおも当然逃げるが、
100キロに達するスピードには逃げ切れず、
ナブラ「群れ」中に入って「吻」を振り回すと、
失神したり切り裂かれたり、かつおがそこら中に漂う。
そのかつおを片っ端から食っていく獰猛な魚である。

 昭和40年代、まだ鰹漁船が木船だったころ、
30人乗り組み60トン地元漁船が、
このメカに船底を射抜かれ、浸水し
危うく沈没しかけたことがある。
ドックして「吻」が船底に突き刺さっていたので
初めて解った本当の話だ。
海洋における食物連鎖の
頂点というべき存在が、「メカジキ」だ。

 

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たたきの厚さは.......?

 土佐を代表する「食」と言えば、まず「鰹のたたき」があげられる。
私が、久礼の元かつおの一本釣り漁師だと聞くと、県外の方々などから、
よく「たたき」のことを聞きますが....と、問うてくる。

「さすがに高知のたたきは美味しいですね〜」
「いままで食ってきたタタキはなんだったのか...」
「もう地元に帰ってタタキは買えませんよ....」
「かつおの色があんなだとは初めて知りました」
「なんか食感から全然違いますね〜〜」

  そ〜〜ですか、ありがとうございます。
  なんちゅ〜ても高知(久礼)は、本場ですきね〜。
  この土佐沖で揚がった鮮度バリバリもんのかつおですきに....。

  みまさま往々に喜んで食べていただきますが、

「本場土佐久礼と言うなら、も〜少し厚く切ったらいかがですか...?」
「先日、高知市内の料亭で食べたときは、こんなんだったんですよ....」
「あのタタキの厚さは、高知らしく豪快きわまりない驚きですよね〜」
「ここは漁師町なのに、以外にタタキが薄いですね」

  これもらもよ〜く聞かれる質問です。
  当方....、元漁師としては、答えに窮する時もあるがです....。

   居酒屋、料亭などの営業方針、板場さんの提供の仕方、
   魚商人の立場、土地の風潮、料理研究家などのご意見...などなど...。

   少し、乱暴な言い回しになるかも知れませんが、
   漁師としての立場からこの質問に答えさせていただければ。

  ■分厚いタタキほど鮮度が落ちている。
   ●鮮度の良い日戻りの鰹となれば、少しでも分厚くきったら
    ぐりぐりと弾力がありすぎてとても食べれない。

  ■冷凍かつおをもどして焼いたものほど厚く切っても食べれる。
   ●久礼の漁師町や、冷凍物で無く生かつおを主として扱う
    大正町市場などでは、なるべく薄く薄く切る傾向にある。

  ■鮮度が落ちればタレ(ゆず醤油など)ののりが良い。
   ●プリッとした鮮度の良い鰹の刺身やタタキは、
    醤油やタレを弾いてしみ込まない。

  ■かつお独特の身の繊維が壊れた冷凍物は、厚く切っても美味しい。
   ●船上で釣れたばかりの鰹を刺身として切るときは、
    繊維がありすぎほとんど削ぎ切りに薄く薄く切りそろえる。

などなど.....。
とにかく厚い刺身やタタキに反論ばかりで申し訳けないが、
まだ漁師として「かしき」の修行時代、こんなエピソードがあった.....。

  ナブラを探索して沖での操業どき、鰹を刺身にして
  早めの晩飯の支度として皆の待っている食卓に
  持っていくと.....。

  「なんならこりゃぁ〜〜!!
   誰なえ〜!このかつお切ったもんはぁ〜!
   こないな分厚い手抜きの刺身が食えると思いゆ〜がかぁ〜!」

こっぴどく蹴飛ばされて叱られたことがあった....。
そ〜〜やって修行時代を過ごして一人前になった漁師らぁ〜は、
分厚い刺身やタタキをみると、よけいに忌わしく感じるのかも...。

 

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