2009年の奉納で、100年を迎えます。
網走駅から二つ目の鱒浦駅から、山側少し上り坂を行くとそこが豊郷地区です。
そのほぼ中ぐらいの所に小高い丘があり、花崗岩で造られた鳥居をくぐり参道を歩いて、数段の階段を登りきると、小さな祠と神楽殿があります。
その場所で毎年8月1日の夜にお神楽が奉納され、今回で99回目となりました(2008年)
お祭りは1日が宵宮祭で、2日が本祭り。
いつもは静かなこの地区も、この宵宮祭のお神楽にはたくさんの人が集まってきてくれます。
本来は奉納が目的なのであまり広く知らしめていませんが、ここ数年は関心を持つ人が増えたのか、地区とは無関係の人も観に来るようになってきました。
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練習は毎年春頃と、本番前におこなわれます。練習場所は公民館で、夕方に2時間程度。毎年踊っていても、記憶をたどりながらの練習となります。 |
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楽隊は、大太鼓1・小太鼓1・横笛数名からなり、踊りと両方掛け持ちの人もいて、毎年演目とにらみながらその幕その幕で、メンバーを変えていきます。 |
お神楽の演目は全部で12幕あって、すべてを踊ると3〜4時間かかります。
奉納神楽
1 幣 舞 (へいまい)
2 四 方 舞 (しほうまい)
3 片 剣 舞 (かたけんまい)
4 逆 鉾 舞 (さかほこまい)
5 恵比寿 舞 (えびすまい)
6 種 蒔 (たねまき)
7 八 幡 舞 (はちまんまい)
8 春 日 舞 (かすがまい)
9 明神御子舞 (みょうじんみこまい)
10 三 剣 舞 (さんけんまい)
11 明神御子舞 (みょうじんみこまい)
12 獅 子 舞 (ししまい)
明神御子舞が二幕ありますが、まちがいではありません。
踊りの内容が、少し違うのです。
じつはこの明神御子舞、2幕とも30年位前から踊る事が出来ませんでした。
そこで100年を迎えるにあたって復活を検討し、なんとか一幕は本年度踊れるようになりました。来年度の100年目には、全幕踊れるように練習に力が入る事でしょう。
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一回目の練習は6月の初め頃、畑の植え付け作業にめどがたった頃始まります。基本の足運びに、一年前の記憶を呼び戻しながら励みます。10分位もやると、額から汗が吹き出てきます。普段の運動不足が、てきめんに出ますね。 |
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横笛は6つ穴、裏1つ穴の物を使っています。横笛は音が出るまでも大変で、ある程度になるまで時間もかかるので、なかなか後継者が出来ません。ちなみにアムロパパ、お神楽は横笛から入りました。 |
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アムロパパはいまのところ、二幕踊る事が出来ます。その一つの踊りの時かぶるお面と、ツーショット!! かぶらなくても、同じですか・・・。2回目の練習は、本番前に7〜10日ぐらいやります。本番が近づいてくると、練習にも力が入りますね。 |
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7月31日。本番前日の夜には、道具作りをします。作りといっても、道具や衣装の点検修理です。飾り付けに使う御幣切ったり、投げ銭を包んだりもします。 |
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この三角の物は、口を覆うマスク・・マスクっていうんでしょうか(笑)この他にも写っている鈴や、刀(模造)・弓・鉾・釣竿等、踊るお題目に照らして準備していきます。 |
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これは踊りで使う、お面たちです。大きな獅子頭を筆頭に、昔どからか手に入れた物や、手作りの物とか・・・・。どれも、表情豊かですよ。もとはもっとあったと聞いていますが、どんな面をしていたんでしょうね。ところでお面をかぶって踊るのって、結構大変です。目穴が小さいので視野が狭く、かなりなれないと足元がふらついてしまいます。 |
地元の人でもこの神社に行くのは、正月の初詣とお祭りくらいでしょうか。参道にはエゾ山桜の木が植えてあり、春の5月中頃満開になって見事ですがなんといっても春の農繁期、花見どころではありません。お花見はいつも桜の花がまったく無くなる頃、「花より団子」で楽しんでいます。
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参道に沿って、見事に満開のエゾ山桜です。チョッピリ年老いすぎて、枯れかかって来ているのもありますけどね。小麦の緑に、よく映えています。 |
8月1日、朝6時から神社掃除が始まります。草を刈る人や参道を掃く人、もう毎年の事でだいたい誰が何をするのか決まっていて、準備は着々と進んでいきます。
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幟を立てたり・・・・ |
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神楽殿の、掃除をしたり・・・ |
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手洗い場の、設置をしたり・・・ |
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子供相撲の、土俵を作ったり・・・ もと、この周辺のお祭りでは、この子供相撲どこでもやっていましたが、いまは珍しくなってきたほうです。まあ小中学生がメインですが、押し合いみたいな相撲が多いですね。相撲とって遊ぶこと自体、もう無いでしょうから。 |
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祠の飾りつけ、準備をしたり・・・ 大体30名くらいの人が集まって、お祭りの準備をしていきます。 |
飾り付けなどは写真に記録しておいて、それを見ながら確認しつつ行います。地区の戸数が少なくなってきているので、誰かだけが知っていてもだめなのです。誰も知らなくても、それでもやれるようにしておかないと・・・・。
ある程度の準備が終わると、いよいよ神楽殿の準備にかかります。神楽殿は、神楽部員が中心。昨日準備した衣装や用具を、神楽殿の裏にある控え室に運び込んで準備が始まります。
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板張りの床を掃いたり、紅白の幕を張ったり、一番緊張するのは半紙を細くきった物を、天井に取り付けるときでしょうか。チョッとした弾みで、切れてしまいますから。 |
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取り付けた中心を、下から見たところです。この飾り、片剣舞の時に刀で切り落とされます。それまで、きれない事を願って・・・ |
神社掃除や神楽殿の飾りつけ、三時間ほどで準備が終わると、宵宮祭が始まる夕方までは何も行事はありません。でもこの時期は麦刈りが始まっていますので、直ぐにそちらに向かう人もいます。
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夕方花火を合図に、宵宮祭が始まります。神主さんが来て、祠に祝詞をあげ参拝が始まります。その時に大太鼓・小太鼓・横笛が祠のなかに陣取って、演奏をします。演奏時の、服装です。お神楽のはやしは、太鼓や小太鼓も色は違っても、同じ衣装を着ます。 |
![]() 午後6時お日様がかなり傾きかけて、なんとなくあたりはヒンヤリとした空気が 漂い始めるころ、花火を合図に宵宮祭の参拝が始まりました。 |
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![]() 参道の入り口にある、御神灯です。その後ろに、花崗岩で出来た鳥居があります。 |
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![]() いよいよお神楽の始まり・・・一番最初に踊るのは、幣舞です。この幣舞と最後の 獅子舞は順番が変わりませんがその間の踊りは、はやしと踊りのメンバーとを 見ながら変えて行います。一幕踊ると、その前後の幕は準備で舞台に上がれ ないですから。 |
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![]() 地元の人たちは、始まってものんびりとあっちこっち見て回っています。 境内に上がって来て見ているのは、お祭りへの寄付一覧表です。 |
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![]() 初めの幕の頃の、お客さんの様子です。まだ少し辺りは明るく、 これからってところでしょうか。 |
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![]() 四方舞 |
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![]() 幕数は進んで、片剣舞が始まりました。この剣で、上の飾りを切り落とします。 |
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![]() 切り落とした後の、写真です。見事に飾りが、切り落とされました。 まあ真剣ではないので、切ったように見えるだけですが・・・。 |
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![]() 種蒔という踊りの、草刈という場面。種をまく前に、草を刈るのです。 |
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![]() 種蒔の、踊りです。手に持った三方、中には種の変わりにお菓子などが入っていて、 踊りの途中お客さんの方に投げられます。準備の時に包んだ、小銭も入っています。 この頃になると辺りも暗くなってきて、いい雰囲気になってきますよ。 |
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![]() 3人で刀を持って踊る、三剣舞。 |
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![]() 迫力のある、踊りです。3人の呼吸が合わないと、なかなか上手く踊れません。 |
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![]() この踊りが、今まで踊れなかった明神御子舞。頭にかぶっている紫の頭巾を、 どうやってかぶるのか相当悩みました・・・。 |
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![]() 二幕ある内の今回は、一幕だけ踊れるようになりました。踊りだけではなく、太鼓や 横笛も音色がああだこうだと、試行錯誤の連続でした。 |
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![]() 恵比寿舞。鯛釣りと、いっています。踊りの最後に、大きな鯛を釣り上げるからです。 |
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![]() さあ獅子舞が、始まりました。 |
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| この獅子舞が、12幕の最後になります。道化役の人達が、お客さんと一緒に なって獅子を捕らえようと、面白おかしく舞う姿は何とも楽しいものです。 |
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お祭りが終わった3日には、後片付けが行われます。後片付けの後、神楽部員には衣装の洗濯が待っています。2台の洗濯機を、フル回転させ洗濯。足袋など汚れのひどい物は、たらいと洗濯板、堅石鹸が登場します。 |
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公民館に、ずらりと干された、衣装たち。このまま数日間干しておいて、最後にアイロン掛けをし衣装箱に防虫剤と一緒に仕舞い込んで完了です・・・・。 |
ちょうど最後の写真に『大・地・心』と書いた額が掛かっていますが、お神楽をやっている気持ちも多分これに通じる物があるのでしょう。自然を敬い、そして恵みの恩恵をいただく。積み重なって100年にはなりますが、これからの継続の方が、今まで以上に大変であることは確かです。
後書き
明治39年、宮城県からの入植者の中に君萱神楽の手ほどきを受けたひとがおり、この人を中心に神楽踊りに興じ、同42年神社に奉納して以来、開拓者の精神を受け継ぎ農業生産の意欲の高揚と、地域の人たちの心の安らぎとして、戦時中も含め過去一度も奉納を休むことなく継続し、今年で99年目(西暦2008年・平成20年現在)の奉納となります。
この神楽は神楽殿において四方を清め、悪魔を払い、種を蒔き、海に魚や野山で狩りをし、豊作を祈り、実りを感謝するという内容であり、12幕の舞から構成されています。残念ながら、これまで後継者不足などにより一時期から全幕を舞う事が出来ない状態が続き一部の舞が途絶えていました。
100年という節目を迎えるにあたり、神楽部一同全幕を何とか舞い、先人の思いを引き継ごうと鋭意再現に取り組んでいるところであります。