出ました、エニックスで始めて貰った読切り仕事です。Gファンがまだガンガンファンタジーと名乗っていた頃の作品です。手元に資料が無いので正確にいつ掲載されたんだか忘れてしまったんですが、創刊された年の8月か9月号だったような。
前年、ガンガン本誌のマンガ賞に応募して、なんだったか賞を貰った僕に担当さんが就きました。で、なんじゃかんじゃやってるうちにガンガンファンタジー創刊の運びとなり、担当さんがそっちに異動になったのです。
「まあ名前の通りファンタジー系のマンガが中心になる本で、対象年令がガンガンよかちょっと上になると思うけど…どう?かぢばくんもそっちでやらない?」
もともとガンガン本誌では、ちょっと対象年令が低いかなあ、と思ってた僕は二つ返事でガンガンファンタジーへと移籍(別に契約とかあるワケじゃないから、そんな大仰なもんでもないけど)したのでした。
その2ヶ月後くらいでしたかね、
「40ページで読切りやらない?」
速攻でネーム開始。はじめは誌名通りファンタジーものを描いて提出しましたね。1回ボツって2回ボツって3回ボツる辺りで
「ヒネリ過ぎなんだよね。もっとストレートにエピソードを描き込むっていうかなあ。今回新人でスゴイのが出て来たんだよ。それ読んでちっと勉強しなさい。」
そういって渡されたのは久保聡美先生の「お山の竜神様」でした。
まあ作風も方向性も違う作家さんですから、鵜呑みにするわけには行きませんが、かなりの刺激を受けた記憶があります。で、それまでのいかにもファンタジー然とした内容を捨て、もっと身近な、せせこましい作品にしようと方針転換したのです。
その後4回ボツって、8回目でようやくOK。担当さんはもっといじりたかったみたいですが、まあ締切りがありますからな。
この読切りは、一応新宿が舞台でして、資料写真を撮りに西新宿の小汚い裏路地をグルグル巡ったものです。で、同じ所を行ったり来たり、崩壊寸前のボロアパートとか撮りまくったりしてたもんだから、私服警官に職質されたりといった、貴重な体験もしました。
案外人気があるようで、ゼル伝の連載が速攻で決まったのもそのお陰でしょうし、未だに
「アレすごい好きでした」
なんて言って下さる人もいますね。
でも内容的にも絵的にも、あまりといえばあまりにこっぱずかしいんで、多分今後、世に出ることは無いでしょう。