子供の骨折
最近、「子どもの骨折が多くなった」とか、「骨折が多くなったのは、清涼飲料水やイノスタント食品に原因がある」などと、誠しやかにいわれています。はたして本当にそうなのでしょうか。
この問題について、数年前から各地の整形外科医の仲間が調査した結果、次のような結論を得ております。
ここ十数年、骨折の件数そのものは多少増加しているものの、全災害に占める骨折の割合は全く横ばい状態である。したがって、最近特に骨折が多くなっているということではない。
清涼飲料水をたくさん飲む人、インスタント食品を好んで食べる人、これらをほとんど食べない人との比較では、骨折発生率において差が認められず、これらの食品と骨折とは無関係であることが立証されております。どうぞご安心ください。
また、日常、骨折する子どもを診ておりますと、同じ子どもが繰り返し骨折して来ることかしばしぱあり、「ささいな原因で骨折する子どもが多くなった」のは事実のようです。これは、とっさの場合の反射的な身のこなしが下手な子どもに多く、戸外での子どもの遊びや、学校での体育授業の重要さを示唆しております。
子どもの骨折は、成人の場合と異なり、いくつかの特徴をもっております。まず発生年齢は、幼稚園から小学校に入学するまでの時期と、小学校から中学校へ進学する時期の二つにピークがあります。これは、生活環境が変わることが主な原因のようです。
発生部位では、手首の骨、ひじ関節付近の骨、鎖骨、指の骨と、主に上肢の骨が折れ易く、下肢では下腿(かたい)骨の骨折が比較的多くみられます。骨折の症状は、局部のはれ、変形、痛みが主なもので上肢の場合は腕をあまり動かさなくなり、下肢の場合は歩行が困難となります。
お子さんがけがをした時、以上のような症状が無いようでしたら、まず骨折はしていないと思われますので、落ちついて対処し、医師の診察を受けてください。
(健康一口メモ 昭和六十年四月)