《テーマいろいろ・パート2》
◎健康食品表示
 厚生労働省より健康食品の基準見なおしを検討会を設置し具体策を年内(2003.H15年)にまとめられる見通しであることが今春に発表されされています。2001年より規制緩和により1971年に設けられた「医薬品の範囲に関する基準」を30年振りにみなおしてきたのですが消費者にとって医薬品との区別がわかりにくくなっていることで、苦情相談が多くその基準をまた見なおすことが決まったものです。
 現在健康食品は、医薬品と食品の中間的な存在となっているのですが厚生労働省は、2001(平成13)年.4月より「保健機能食品制度」として設け、以前よりある医薬品のように個別に審査され証明された食品に対し「特定保健用食品」とし許可し、健康食品の機能、取り扱いについて同年2001年新たに「栄養機能食品」として、機能説明、ビタミン、ミネラルが基準を満たしていれば、国の認可なしで称することができるとしてきました。監視体.制は強化するとのことでした。制度対象外の商品が多く出回るようになってきたのです。そこで表示についての問題点などについて検証してみたくなりました。

  
健康食品
特別用途食品
(S48:1973年 改正H21.4.1)
保健機能食品(2001年)
健康補助食品(財団法人許可S61:1986年) 栄養補助食品(サプリメント)、自然食品
特別用途食品 栄養機能食品(2001年)
機能説明、ビタミン、ミネラルが基準を満たしていれば、国の認可なしで称することができる
規格、基準を設け適合した製品に対し認定マークの表示を許可するもの。 その他の健康食品
特別の用途(病者、妊産婦、授乳婦、乳幼児、高齢者)用食品
厚生労働省許可(表示マークあり)
特定保健用食品(1991年)
通常の食品形態になっている。
厚生労働省許可(表示マークあり)

 栄養改善法で示されていた法律は、平成15年(2003年)5月1日より廃止され新たに誕生した健康増進法が施行され引き継がれています。
特別用途食品
特別用途食品制度改正
 年の急速な高齢化や医学・栄養学の著しい進歩など、特別用途食品制度を取り巻く状況は大きく変化しています。このような状況を踏まえ、2009年4月1日から施行されています。
新しいニーズに対応した特別用途食品の役割について、今後、社会状況の変化に対応して新たなニーズに的確に対応できるものでなければならないこととしています。その許可の対象となる食品の範囲を重点化することで認知度を高め、当該食品の供給の円滑化に繋げることが期待されます。
必要な情報提供の促進や最新の医学的、栄養学的知見に基づいて適正な審査を経た食品供給がなされるといった基盤整備を図ることも不可欠な取り組みであることが指摘されました。
 これを受け、特別用途食品の分類が平成21年2月12日、「特別用途食品の表示許可等について(食安発第0212001号)」が通知され、変わることとなりました。
平成21年4月1日の新制度施行後は、低ナトリウム食品、低カロリー食品、高たんぱく質食品は栄養表示制度での対応となり、病者用食品の許可基準型食品は「低たんぱく質食品」、「アレルゲン除去食品」、「無乳糖食品」、そして、今回新しい分類として、「総合栄養食品」(いわゆる濃厚流動食が該当します)の4つとなりました。ただし、「低たんぱく質食品」は基準値が変わり、旧制度での「低たんぱく質食品」全てが新制度でも特別用途食品に該当するとは限りません。
 また、「妊産婦、授乳婦用粉乳」、「乳児用調製粉乳」に加え、「えん下困難者用食品」という分類が新たに追加されました。
旧制度で表示許可件数が多い「低ナトリウム食品」、「低カロリー食品」、および病者用食品で許可基準型食品のうちの「組合わせ食品」などが、平成21年4月1日の新制度施行後は全て失効します。
該当製品は平成22年3月31日まで経過措置がとられます。
 また、アレルゲン除去食品、乳児用調整粉乳、高齢者用食品(そしゃく・えん下困難者用食品)の3つのカテゴリーについては再申請が必要となり、申請がなければ同様に失効しますが、平成22年9月30日までは経過措置がとられます。
特別用途食品制度平成21年4月1日の制度改正のポイント(基礎知識の詳細解説)
http://fosdu.nih.go.jp/files/contents/knowledge/detail149.htmlから詳細をご覧いただけます。
   医学的、栄養学的立場から特別の栄養的配慮が必要とされる人に対して適当とされる食品であることが認められ申請認可されたものに表示マークが付されています。

保健機能食品制度
 平成13年(2001年)に設けられ従来からある「特定保健用食品」と新設分類された「栄養機能食品」があります。健康食品の効果について化学的根拠(医学、栄養学的に明らかにされているもの)を持ち有用性、安全性が認められ評価できるものがあげられています。食品衛生法、健康増進法、薬事法等の法令に適合し医薬品等と誤認しないよう〈1〉特定保健用食品、栄養機能食品である旨、〈2〉栄養成分、〈3〉機能、〈4〉1日当たりの摂取目安量、〈5〉利用時間帯などの摂取方法、〈6〉栄養所要量に対しての充足率、〈7〉アレルギーなどの摂取上の注意事項、〈8〉注意喚起を明示すると共に疾病の診断、治療、予防に関わる表示をしてはならないこととなっています。
注意喚起の表示例として
○本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。1日の摂取目安量を守ってください。
○妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないように注意してください。
としています。
◆健康補助食品(財団法人許可)・・・一般の健康食品に一定の規格、基準を設けてそれに基づき規格、基準、使用目的に適合した製品からの申請に対し認定マークを付すことが許可されているものです。
◆その他の健康食品、栄養補助食品(サプリメント)、自然食品・・・市販、流通されているものの多くを占めており、中には粗悪品もあり、消費者にとって医薬品との区別がわかりにくくなっていることで、苦情相談が多くなってきています。また化学的に解明されているものもありますが、いまだに研究、解明が進まず、経験的に効果が認められ民間薬、漢方として利用されつづけてきたものもあり解明されていないものをすべてがよくないと言い切れないこともあります。健康食品として期待されている成分食品を少し紹介していきます。
オリゴ糖
オリゴとはギリシャ語で少ないという意味で少糖類ともいう。単糖類(ブドウ糖、果糖など)が2〜10個結合したショ糖、麦芽糖、乳糖、配糖体(細胞が破壊された時分解され、糖とそれ以外の物質になるもの)となって自然界に分布に水に溶けやすく、酸、酵素によって最終的には単糖類に分解される。食物繊維、多糖類の分解によっても得られる。最近のビフィズス菌を増やすとして注目されている炭水化物を原料としており低カロリー、低甘味料として利用されているオリゴ糖は、ニ糖類(ショ糖、麦芽糖、乳糖)もオリゴ糖であるが健康食品、特定保健用食品といわれるオリゴ糖はそれらに酵素を作用させたものと天然成分より抽出(大豆オリゴ糖、ラフィノース〈大豆、甜菜糖〉)させたものであり、ビィズス菌を増やし便通をよくしガン抑制作用、虫歯(キシリトール)を作りにくくします。顆粒、水飴、飲料の形態を取り利用されています。ジャム、菓子、ゼリー、かまぼこ、ソーセージにも使われています。ショ糖(砂糖)の甘味度を100として各種製造されており20〜75程度となっている。人の消化酵素では消化されず大腸までたどり着きビフィズス菌の餌となって有用菌であるビフィズス菌を増殖させます。
食物繊維 しょくもつせんい DF(Dietary fiber)
  人の消化酵素で分解されない非でん粉多糖類として細胞壁物質(セルロース・ヘミセルロース・不溶性ペクチン質・リグニン・キチン)、細胞非構造物質(植物ガム【ポリウロニド】・水溶性ペクチン質【ガラクツロナン】粘物質・海草多糖類【ガラクトマンナン、グルコマンナン、カンテン、アルギン酸、カラギーナン】)などをいう。ダイオキシン排泄作用を持つ。
ヘム鉄
  鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄(動物性食品〈蓄肉、魚肉の赤身〉の40%と概算、平均鉄摂取量の1割:吸収率40%)は、体内への吸収率が非ヘム鉄(植物、動物性食品に含まれる:吸収率5〜10%)に比べ5〜10倍も高くなっている。鉄の吸収は、身体のほうで鉄を必要としているときにだけ行われている。正常人で8〜25%(平均12%)、貧血の人は、3〜80%(平均40%)となっている。鉄(赤血球のヘモグロビンの形成)が欠乏すると貧血が起こるが、これは低色素性貧血でヘモグロビンの減少であって赤血球数そのものの減少は少ない。健康食品として市販されているもののおおくは、動物性食品を原料として使われているものが出回っている。
CPP(CaseinPhosphoPeptide)
  牛乳に存在している乳タンパク質カゼインの酵素分解によって得られカルシュウムの体内での吸収を助ける物質として利用されている。牛乳からのカルシュウムの吸収がよいのは、このCPP(カゼインホスホペプチド)の作用による。カルシュウムは、胃で消化されて腸で吸収されるが一緒に摂取されている蓚酸、腸から分泌もされる燐酸によって一緒にくっついて吸収率を悪くするがCPPの含む量が多いと可溶化(イオン化)状態を保って吸収の効率よくなる。αS1-カゼイン、βーカゼインより製造が可能となり少量でカルシュウムを可溶化できるようになっていることから飲料、ウエハウス、パンなどに使われている。
DPAどこさぺんたえんさんDocosa pentaenoic acid
  
EPAより10〜20倍ものコレステロール低下作用があることが知られるようになった。動脈硬化予防にn-3系高度不飽和脂肪酸のひとつとして注目される。世界で最も多く食べられている魚である鮭に多く、青魚に含まれる。調理法として流出の少ない刺身、ホイル焼き、煮魚にするのがよく焼き魚、揚げ物で損失がある。グリーンランドの先住民イヌイット人に動脈硬化症が少ない事から知られるようになり健康食品で、DPAを多く含むハープシール(アザラシ抽出油)がある。

 健康食品は、疾病の診断、治療、予防に関わる表示をしてはならないこととなっています。保健機能食品、特定保健用食品等の利用が医薬品による治療の障害になってはならないとされます。
 栄養素の種類、特徴である名称、主な働き、欠乏症状、主要給源、所要量を記載する時に
例えばビタミンAは、海水魚肝油VA1 淡水魚肝油VA2 植物プロビタミンA(αβγカロチン・クリプトキサンチン)といい、肝臓、緑黄色野菜、みかんに多く含まれ成長促進作用、皮膚粘膜の正常化、抗がん作用をもち、不足すると骨・歯の生育に関与して夜盲症、ドライアイ、免疫力の低下、皮膚・粘膜の角化が起こる。成人の所要量は、2,000IU(1IU=0.3μgレチノール・0.6μgβカロチン)であり脂溶性、カロチンは動植物に存在する。ビタミンA(レチノール)は動物のみの存在している。水に不溶、酸化されやすく、抗酸化剤(ビタミンE等)と一緒にとることによって安定する。脂肪・胆汁によりカロチンの吸収が高まる。カロチンは抗酸化力、発ガン抑制作用がある。許容上限摂取量5000IUであり100,000IU以上で過剰症の危険がある(食欲減退・体重減少・貧血)。
と気に留めることもなく掲載してきました。実際に医学的、栄養学的にも証明されているのです。
 
 消費者も以前とは異なりあらゆる所から情報収集し簡単に得ることができるようになってきており、それが最近いわれている自己責任という言葉に表されているのではないでしょうか。アミノ酸がブームであることから微量で原材料名に表示しています。原材料名は、多い順に表示できます。記載があるといかにも有効成分のようにみられます。含有量の確認が必要です。なお一般に市販されるアミノ酸飲料も200mg(0.2g)/100cc前後であり大きな期待は考えものです。
 健康食品が、具体的な研究、その対象がラット(大形のねずみ)、マウス(はつかねずみ)、人体のいずれか、学会発表のみ、専門誌に論文として載っていたものか、時間的な経過報告とか、対象とした人員、世間、研究での支持が多くの人、信頼できる層から得られているかを判断していきます。古来より利用され経験的に有効性が認められ化学的に解明されていない部分も多々あります。医療界でも「インフォームドコンセント」として検査、手術にしても患者(消費者)に充分な説明をし納得が得られた時点で行われています。薬も今まで処方箋がないと購入できなかった薬がOTC(Over The Counter・drug:オーバーザカウンター・ドラッグ)として処方箋なしでも薬剤師の指示のもとに購入できる薬(一般薬、大衆薬)となって増えてきています。なお医薬品の分類として一般用医薬品(都道府県知事の許可を受けた薬局と薬店だけが販売できる)・医療用医薬品(都道府県知事の許可を受けた薬局だけが販売できる)、医薬部外品(製造段階では、一般用医薬品に準じた規制があるが販売は、薬局、薬店以外でも販売できる)があります。最近では、風邪薬などの大衆薬をコンビニで販売されればいいとの動きがアンケート調査によって半数以上に達しているようです。薬剤師の既得権もあり難航しているといわているようでしたが副作用の少ない風邪薬程度のものが販売できるようになる見通しです。先には栄養ドリンクがコンビニでも販売できるようになっています。薬は、法律で品質保持の規制がされているとはいえ、一般庶民には、何を原料にして製造されているのか、私達には、薬の副作用についてまだ詳しく知ることができないのが現状です。特に処方箋で処方されている薬は、大衆薬と異なって単一の成分である事が多く、効果を高める、副作用を防ぐ事からそれぞれの成分を処方され薬の数量も多くなっていると思われます。症状が薬の副作用か、または、他の原因があるのか自分の体調は本人が一番気にしていることですから食品同様の表示の義務があっていいはずだと思うのです。健康食品には、原材料名、品質保持期限、アレルギー表示が義務づけられ、まさに医食同源です。温泉では、神経痛、関節痛、婦人病、リウマチ、皮膚病の効能書きが表示されています。アレルギー体質の人が食品を購入する時、自己の自分の判断で利用し食品は、主要成分のほかに多くの栄養成分を含んでおり相乗効果を発揮させ食事療法として確立されたものがあります。食品より薬功性のあるものが薬(草で楽になる)とされ、草、樹皮、根茎、鉱石より作られてきています。英語でdrug、乾燥はdryと似ています。乾燥させ、お茶で抽出し一服、薬酒とし昔から使われています。昔から家庭で利用されてきています。今日では、その成分が解明され合成されたものが多くを占め医薬品とし市販されています。食品の栄養成分を濃縮、取り出したものが健康食品とし市場に多くみられるのです。食品にしろ、薬と名の付いたものでも安全性、副作用の確認を消費者は必要としているのです。

 ビタミンAが「皮膚粘膜の健康維持を助ける」では、健康とはどういう状態なのか訴えが弱く解りにくいですね。「皮膚、粘膜の角化、乾燥性眼炎予防、正常化に作用」としたほうが訴えが強くなります。ほうれん草の表示にビタミンAとしての働きの表示にはよいのに、錠剤、カプセルとなった健康食品に対する表示が許されないのは消費者から見ても納得されないしわかり難くかったのではないでしょうか。健康食品に対する苦情が多い解りにくくなっていることの原因でもあるようです。健康食品、サプリメントは、国際機関で効能表示、成分規格が検討されています。食品材料の明らかにされている有効成分(フラボノイド、辛味、旨み、精油類、その他の特殊成分など)の含有量、許容摂取量等順次明らかにされていることから公表されることが望ましいのです。自己責任を負える情報公開、今後消費者の立場に立って規制緩和が進んでいくものと思われます。        


(初版03.8.18 更新2010.6.10 村上京子)




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