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《テーマ いろいろ・パート2》
 

牛肉Beef ぎゅうにく
  
牛が家畜となったのは、1万年前西アジア地域といわれています。
日本では、仏教の伝来により明治時代に入るまでほとんどの食肉が禁止され一般化したのは第2次世界大戦後といいます。和牛は、インド牛とヨーロッパ牛との交配によって生まれた牛です。
現在の神戸牛、黒毛和牛は、役用としていた在来種に外国品種を輸入、改良され体高130cm、体重500kgにもなります。松阪牛(まつさかうし)は、兵庫県の但馬(たじま)牛の他、全国各地から黒毛和種の子牛を買い入れ、三重県松阪市、さらにその近郊で肥育された牛のことです。松坂牛、近江牛、 米沢牛(神戸牛)の日本三大和牛の1つとなっています。
江戸時代には、農耕用の役牛として但馬国の牛(但馬牛:黒毛和種)を飼育していました。明治になり、西洋文化の影響で肉食が取り入れられると、明治の頃までには、農耕用を退役した牛が肉牛として売られていましたが飼育法が適しよい牛肉が得られました。その後役牛から肉牛へのシフトが進み、1935年(昭和10年)に東京で行なわれた「全国肉用牛畜産博覧会」で名誉賞を受賞したことから全国的に知られるようになったのです。
戦後は1949年(昭和24年)に松阪肉牛共進会が開始され、高度成長期以降より、松阪牛は次第にブランド牛肉として認知されるようになっていったようです。
多くの素牛(もとうし)は、毛並みが黒く最高品質とされる但馬牛や伊予淡路ビーフ(淡路島で生育した但馬牛)のようです。
その肉質は、脂肪がこまかく4〜6歳の霜降りで柔らかく、きめの細かい赤褐色をしたものが良品で世界的に最も優れ黒毛和牛が有名です。和牛は、平均して3年で肉牛として出荷されています。牛肉の良し悪しは脂肪の状態、肉の色、堅さ、きめの細かさによります。肉のきめは、筋束のことであり、こまかく締まっているものが、一般に運動の激しい部位のきめは荒く、背、腰の部分の肉質が上等です。

牛肉で一番よい肉は、濃淡の色が片寄らず鮮紅色で最上肉(Sirloin)として腰椎(ようつい)の内側の牛繊肉(ヒレ肉Fillet,tenderloin)と外側の擬繊肉(外ロースPorterhouse steak)とをあわせた骨付きの肉塊です。次は、背肉、肩ロースShoulder,Chuck、股ロース胸肉、ばら肉(肋肉)、すね肉と続きます。西欧では牛肉は、さほど美味しいとは言えず、しばしば仔牛が食用とされます。 ロースとは、英語のRoastの食肉などをあぶり焼きや蒸し焼きにすることから、転じた言い回しです。
赤黒い肉質のものは、新鮮で新しいものよりも数日置いて熟成させたものの方がやわらかく、おいしくなります。

 欧州を原産地とするショートホーン種は、乳用と兼用としていたものが肉用に改良されたものでヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで主に飼育され体重1000kg内外で早熟な肉牛としています。他にテボン、アバーディーン・アンガス、ブラウン・スイス、シンメンタールなどがあります。
牛肉の国内消費量の68%(2002年)は、豪州、アメリカからの約半々づつの輸入に頼っています。
屠殺後、12-24時間の死後硬直を起こしてのち軟化熟成(エージング)して味に特有の旨みが増しますが常温では、腐敗しやすくそのため主に氷結点ー1.7℃前後で1〜2週間、冷却、凍結冷蔵の方法が取られています。
牛脂の融点は、40〜50℃であり、筋の多い基質部分には、コラーゲンを多く含み、部位に合った調理法を選ぶのがよいでしょう。

軟らかいヒレ、ロースは、すき焼き、ステーキ、ローストビーフに使います。
和牛ヒレ肉100g中でエネルギー223kcal、水分64.6g、タンパク質19.1g、脂質15.0g、炭水化物0.3g、灰分1.0g、ナトリウム40mg、カリウム340mg、カルシウム3mg、マグネシウム22mg、リン180mg、鉄2.5mg、亜鉛4.2mg、銅0.09mg、マンガン0.01mg、ビタミンA:1μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:0.4mg、ビタミンK:4μg、ビタミンB1:0.09mg、ビタミンB2:0.24mg、ナイアシン4.3mg、ビタミンB6:0.37mg、ビタミンB12:1.6μg、葉酸8μg、パントテン酸1.28mg、ビタミンC1mg 食物繊維0gを含みます。
肩もも肉は、バーベキュー、炒め物、揚げ物、味噌漬け、粕漬け、佃煮にしています。肉の筋繊維は、加熱すると収縮しやすく、硬く感じます。同じ肉でも繊維に直角の方向に切れ目を入れると食べやすくなります。
もも脂身つき100g中でエネルギー246kcal、水分62.2g、タンパク質18.9g、脂質17.5g、炭水化物0.5g、灰分0.9g、ナトリウム44mg、カリウム310mg、カルシウム4mg、マグネシウム22mg、リン160mg、鉄1.0mg、亜鉛4.0mg、銅0.07mg、マンガン0.01mg、ビタミンA:Trμg、ビタミンD:0μg、ビタミンE:0.2mg、ビタミンK:6μg、ビタミンB1:0.09mg、ビタミンB2:0.20mg、ナイアシン5.6mg、ビタミンB6:0.34mg、ビタミンB12:1.2μg、葉酸8μg、パントテン酸1.07mg、ビタミンC1mg 食物繊維(0)gを含みます。
堅いすね肉は、加熱、湯煮して長時間加熱することによってコラーゲンからゼラチンとなって軟らかくなるので挽肉にしハンバーグ、肉団子、そぼろ煮、スープ、煮込み料理に使います。
牛脂Beef tallowは、融点40-50℃、凝固点32-37℃で脂肪酸組成は、ステアリン酸42%、パルミチン酸19%、オレイン酸33%、リノール酸2%、不ケン化物0.1%、グリセリン4.5%で、腎臓、腸間幕などを原料としての動物脂肪中の産額が最も多くなっています。脂肪の融点は、食味、舌触りと関係があり豚脂に比較し牛脂は融点が高いので口解けが悪く一般に冷性の冷食に適しません。
冷製料理には、脂肪の少ないもも、ひれ肉が利用されています。肝臓は、栄養豊富で鉄分が多く貧血食としてよく用いられます。赤身の肉でカルニチンを羊の肉に次いで多く含み脂質代謝の促進作用があります。
肝臓100g中でエネルギー132kcal、水分71.5g、タンパク質19.6g、脂質3.7g、炭水化物3.7g、灰分1.5g、ナトリウム55mg、カリウム300mg、カルシウム5mg、マグネシウム17mg、リン330mg、鉄4.0mg、亜鉛3.8mg、銅5.30mg、マンガン-mg、ビタミンA:1,100μg、ビタミンD:0μg、ビタミンE:0.3mg、ビタミンK:1μg、ビタミンB1:0.22mg、ビタミンB2:3.00mg、ナイアシン13.5mg、ビタミンB6:0.89mg、ビタミンB12:52.8μg、葉酸1,000μg、パントテン酸6.40mg、ビタミンC30mg 食物繊維(0)gを含みます。
 牛肉では、寄生虫が少ないとして生肉でも供されてきましたが、近年の二次汚染によるユッケの摂食による食中毒が発生しています。食肉の生食(レバ刺し、ユッケなど)は、腸管出血性大腸菌O-157、O-111、カンピロバクター 、サルモネラ属菌といった食中毒を引き起こすリスクが高くなります。腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかります。家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難としています。

 臓もつも殆ど食料として供されています。一般に酵素作用が強いので変敗、腐敗しやすく新鮮な状態で用いることが重要です。名称として肝臓はレバー、心臓はハツ、胃はガツ・トライプ、腸はヒモ、腎臓は豆、脳はブレンズ、肺臓はフワ、舌はタン、尾はテールとも呼ばれ、焼肉、煮込み料理にしています。
みのは、牛の四つの胃の中で一番大きく、第一胃と呼ばれ蓑傘(みのがさ)に似ています。筋肉に厚い部分と薄い部分があり、上みのは、肉質の厚いところをいい柔らかく主に焼肉に利用し、さらに炒め物、揚げ物、茹でて和え物にもしています。第1胃(ミノ)第2胃(ハチノス)第3胃(センマイ)第4胃(ギアラ)ともいいます。みのには、特に亜鉛(4.2mg/100g:インシュリンの合成・抗炎作用)が含まれ内臓は、一般に栄養価の高い食品です。
 加工品のコンビーフCorned beefは精肉として商品価値のない赤身の肉、ゼラチン質の腱、筋を原料とし食塩、脂肪、香辛料などを加え加熱、放冷し缶詰としています。語源は、コーン(粒状の粗塩)で塩蔵したビーフ(牛肉)といわれ、本来は上質の肉を使用していたようです。塩漬けした蓄肉(牛肉、馬肉、めん羊肉、やぎ肉、豚肉)を煮熟して缶に密封し加熱殺菌したもの及び塩漬けした蓄肉を煮熟し食用油脂を混和して缶に密封し加熱殺菌したものと定義しています。主に牛肉だけのものと馬肉を混ぜた(ニューコンビーフ)があり原料肉はほとんどアルゼンチン、オーストラリアからの輸入に頼っています。ビタミンB1が加工調理、貯蔵温度により牛肉で1/3(牛肉赤身生0.09mg、コンビーフ0.02mg/100g中)程度に減少しています。

 食生活の多様化によって、国産の霜降りの牛肉がとろけるようで好まれているようです。欧米産の牛肉は、霜降りでないのでレアRare(生焼き)、ミデアムMedium(半生焼き)、ウエルダンWell done(完全焼き)の3段階に分けたステーキとしての焼き方があり、やわらかい生焼き加減の方が好まれています。栄養・美味しさ・価格を考えると、私的には厚切りをミデアムとして表面を殺菌の意味合いから加熱し中心部が生でやわらかい食感を楽しみます。

(2012.4.18 記載者:村上京子)                           
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