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  ◎食物繊維 ルミナコイド

 「人の消化酵素で消化されない食物成分」と食物繊維を定義づけしています。最近ではルミナコイドともいい食物繊維が小腸内で消化吸収されにくい食物中の成分で健康の維持、増進に役立つ生理作用をもつ食物中の成分をルミナコイドと呼ぶように働きかけがされています。
 以前は、食物のカスとして栄養効果が期待できないものとして重要視されませんでした。がしかし1950年代の調査で、南アフリカの原住民と白人との食生活の違いから原住民に動脈硬化などのいわゆる生活習慣病が少ないことが見とめられていました。研究が進むにつれて食物繊維の摂取量との関連が1970年代に入って明らかにされるようになったのです。ここで一躍食物繊維は脚光をあびるようになりました。
 食物繊維は、穀類、豆、野菜、きのこ、海藻のような植物性食品に多く含まれています。皮ごと食べられるのがよくブドウ生で種子、果皮を除いた可食部で0.4g/100g中ですが干しブドウ20gで0.8gであり、豆類、胚芽、玄米に近いものに多くなります。
 日本人の食生活は、景気の高度成長期まで食物繊維の豊富な食品の摂取ができていました。その後繊維の少ない動物性食品、加工食品、白米のように精製された食品の普及により食物繊維の取り除かれた食物を自然に取り入れているような結果になりました。1960年ぐらいまで20g/1日程度を維持できていましたが、その後は、1980年代でおおむね17〜20gと推定されています。徐々に減少の一途をたどってきて近年は、15g/1日台にまで減少しています。
 日本人の食品摂取量の年次推移を見てみましょう。

資料・国民栄養調査       一人一日当りg数 

食品群別 1950年
昭和25年
1955年
昭和30年
1985年
昭和60年
1994年
平成6年
1999年
平成11年
穀類 471.3 474.9 308.9 280.7 254.4
種実類 0.9 0.4 1.4 1.7 2.2
芋類 127.3 80.8 63.2 62.2 67.7
砂糖類 7.2 15.8 11.2 10.0 9.5
菓子類 22.8 19.6 23.1
油脂類 2.6 4.4 17.7 17.6 16.5
豆類 53.7 86.2 66.6 66.8 70.4
動物性食品 81.8 114.9 318.7 347.0 350.1
野菜
果物類
283.5 290.5 402.3 360.1 409.7
海藻類 3.0 4.3 5.6 5.8 5.5
総量 1031.3 1072.2 1218.4 1171.5 1209.1

 食品群別の摂取量を年次ごとに追ってみると食物繊維を多く含む野菜・果物にしても量は増加していることが判りますが穀類、芋類が減少傾向を示していることが読み取れます。今まで食物繊維というと野菜を積極的に取りましょうと言われて来ましたが平成11年度の調査で緑黄色野菜94.2g、その他の野菜類196.1gの摂取量で以前と大差ないように思えます。(15〜40才の若年層は平均を下まわっています。)
 米の精白といも類の取り方が少なくなったことが考えられます。米、いも類、豆類の食物繊維量を見てみましょう。
100g中、精白米:0.8g 胚芽精米:1.3g
       馬鈴薯:1.1g さつま芋:1.7g
      木綿豆腐:0.4g おから:9.8g(一回量50gで4.9g) 黄な粉:16.9g(一回量10gで1.7g)
       大豆:17.1g(一回量10gで1.7g) 枝豆:10.1g(一回量30gで3.0g)
      納豆:6.7g(一回量40gで2.7g) 味噌:4.9g(一回量で15gで0.74g)
      小豆:17.8g(一回量30gで5.3g)
穀類と芋類の摂取量の減少と加工食品の多用により 食物繊維量の取り方が少なくなってきていることが考えられるのではないでしょうか?
 食物繊維は、消化吸収されないということを利用しての働きが見なおされてきています。水溶性食物繊維は、保水性があり水を含んで便をやわらかくします。不溶性食物繊維は、残渣(ざんさ)となって便量を増やします。
 消化器疾患(大腸がん?・便秘・胆石症)の予防:便のかさを増やし排便を促進させるて食物が消化器を通過する時間が短縮され、有害物質の排出を容易にしています。大腸ガンについては、このところの研究により効果がないことが米国で先に発表されていましたが日本でも実証されてきているようです。
 糖尿病、高脂血症、肥満の予防:糖質や脂質、他の栄養素の消化吸収にも影響を与えて抑制されることによって血糖値の改善、高脂血、肥満の改善されます。脂肪やコレステロールの吸収を抑えるといわれています。肝臓は胆汁酸を作って消化管に排出していますが食物繊維は小腸での胆汁酸の再吸収を妨げます。胆汁酸が吸収されなくなって肝臓に吸収されないと肝臓は失った胆汁酸を作らなければなりません。胆汁酸を作る原料がコレステロールなので血液中のコレステロールが胆汁酸を作るのに消費されて、血中のコレステロール値が低下することになるのです。
脂肪、コレステロールの吸収を押さえることは、同時に脂溶性ビタミンA、D、E、Kの吸収も抑制されることになりますので注意が必要です。特に水溶性の粘質性が効果が大きいと言われています。
 解毒、代謝促進作用:食物繊維の吸着性、保水性、膨潤性を利用し有害物質を希釈したりして食品添加物、環境汚染物質にたいしても吸収を阻害しその有用性が報告されています。
 腸内に住む細菌、乳酸菌が食物繊維をエサとしてビタミンB群を生成する働きがあり腸内環境をよくしてくれているのです。
 おもに日本人の摂取している食物繊維には、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維の2種類に大別されています。

 不溶性食物繊維:水に溶けない食物繊維で植物性食品に一般的に含まれています。
          セルロース、ヘミセルロース・ペントザン(ペントサン)、キチン・キトサン〈海老・かにの甲羅〉、リグニン〈ココア・野菜〉
 水溶性食物繊維:水に溶けて粘着性を持っている。
          ペクチン〈果物に多い〉、アルギン酸・カラギーナン〈藻類〉、グルコマンナン〈コンニャク〉
          アガロース(寒天)、グアガム〈グア豆〉
 以上のことから食物繊維を摂取することの大切さが理解されましたでしょうか?努めて食物繊維を取るようにしなければなりません。野菜を積極的に取ることも大事ですが上手に取るには、加工食品の多用を避けて精白米から胚芽精米に替えてみるのもいいかもしれません。いも類、豆類(おから等)を献立に取り入れるよう努めましょう。よほど注意して取るようにしないと目標とする摂取量を取ることは難しいと言えるでしょう。たんぱく質について成人体重1Kg当り1g程度でも理想とされています。適正体重を保ちましょう。
 食物繊維の目標摂取量は、1000Kal当り10gとして日本人平均で20〜25gとされています。あくまでも消化吸収されないものですのでやはり度を越した多量摂取は好ましくありません。現状での平均的取り方を見てみると過剰摂取について神経質になることもないかと思われますが吸着作用によって大切な微量のミネラル(カルシウム、鉄、亜鉛)、ビタミンの吸収までも阻害しますので注意も必要です。「健康日本21」では野菜350gを目指しています。一日三食栄養のバランスのとれた食事が基本であり大切なのです。 

 (初版01.12.1 更新05.6.3記載者 村上京子 )

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