《テーマいろいろ・パート2》



◎ビタミン

  平成12年(2000年)年度の国民栄養調査によって意識している栄養成分は、食物繊維カルシウム等のミネラル塩 分・ビタミン・エネルギーなどを選択していました。食物繊維、ミネラルについては記載してきましたので今回は、ビタミンについて検証してみたいと思います。
 ビタミンは、その栄養素を除くと栄養が保てず他の栄養素で代用できないものを保全素(たんぱく質・無機質・ビタミン)、身体の調節機能をつかさどる調節素(ビタミン・無機質)の役目をしている有機化合物です。そして最初は生理作用の面から分類された化合物としていました。
またビタミンは、人の体内で合成できないもの、合成されても必要量の満たせないものとされ、今まで体内で合成され、欠乏症状の知られていなかったものについて、化学技術庁編・食品成分表に載っているビタミン12種のビタミンA、D、E、K、B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、Cとビオチン計13種以外のものについては、ビタミン様物質としています。しかし最近の食生活では精製食品、薬剤の利用によって過不足のビタミンが多く見られるようになってきています。ビタミン様物質という言葉が当てはまらなくなってきているのではないでしょうか。
ビタミンといっても最近では見慣れない、聞きなれない名称が見受けられ数も多くなってきています。一般に知られているビタミンA.B.C.D.E.Kですが、そのほかについてもできるだけ詳しく記載して参りたいと存じます。
名   称 主な働き 欠乏症状 主要給源 一日の推奨量・目安量(成人) 備      考
ビタミンA 成長促進作用
皮膚粘膜の正常化
抗がん作用
骨・歯の生育に関与
夜盲症
ドライアイ
免疫力の低下
皮膚・粘膜の角化

海水魚肝油VA1
淡水魚肝油VA2
植物プロビタミンA
(αβγカロテン・クリプトキサンチン)
肝臓
緑黄色野菜
みかん
750μg〜600μg

カロテンは動植物に存在する
ビタミンA(レチノール)は動物のみの存在
水に溶けない
酸化されやすい
抗酸化剤(ビタミンE等)と一緒にとることによって安定する
脂肪・胆汁によりカロチンの吸収が高まる
カロテンは抗酸化力、発ガン抑制作用がある
上限量3000μg
30,000μgで過剰症の危険がある(食欲減退・体重減少・貧血)
ビタミンB1
(チアミン)
成長促進
糖代謝に重要
皮膚・粘膜の再生


倦怠感
食欲不振
多発性神経炎(脚気心悸亢進)
穀類
豆類
肉類
胚芽
.酵母
1.4〜0.8mg











B複合体(B1.B2.B6.B12.葉酸ニコチン酸.パントテン酸.ビオチン)分子中に窒素を含む
腸からの吸収が一定(10mg程度)になると尿中に排出されてしまい常に補給が必要
アノイリナーゼ(魚介類の内臓・しだ類に多い)によってB1の分解がされ効力を失う
弱酸性で安定
加工調理によって半分ほども失われやすい
ビタミンB2 成長促進
補酵素の成分として代謝に関与
皮膚・粘膜の再生
皮膚炎・脱毛
食欲不振
倦怠感
口角炎
眼症状
胚芽・緑黄色野菜・豆類
肝臓・青身魚
酵母

1.6〜0.9mg 黄色の結晶をしている
酸性、中性で熱に対して安定性を示す
アルカリ性で加熱で分解
光に不安定
ビタミンG(リボフラビン)ともいう
抗生物質によって欠乏症状を起こすこともある
パントテン酸
パンテノール
ビタミンB5
糖・たん白質・脂質代謝に関与
免疫力を強化させる

体組織機能の正常化
善玉コレステロール促進作用
倦怠感
頭痛

皮膚炎
疼痛
メマイ
副腎障害
酵母
納豆
野菜

胚芽
肝臓
穀類・肉類
魚介類
乳類
豆類
6〜5mg
(授乳婦+4mg)
パントテン酸とは、ギリシャ語で広くどこにでもあるとの意味
酸、アルカリで分解されやすい
腸内細菌の働きによって合成される
皮膚、粘膜の潤いを保つ
光・熱・酸素に安定
人での欠乏症はあまり知られていない
上限量は定められていない
ビタミンB6 成長作用
アミノ酸代謝に関与
酸化還元に関与
皮膚・粘膜の再生
脱毛・皮膚炎
貧血
浮腫
けいれん
先端疼痛症
胚芽
酵母
酵母
肉類
魚類
豆類
牛乳

1.4〜1.2mg 酸・アルカリ・熱に安定
光・酸化剤に弱い
人体の腸内細菌で合成する
ピリドキシン・ピリドキサール・ピリドキサミンがB6活性を持つ
たんぱく質摂取量と相関関係にある
許容上限摂取量60mg
ビタミンB12
(コバラミン)
成長促進作用
遺伝子合成異常
アミノ酸代謝に関与
赤血球の形成
悪性貧血
神経障害
肝臓
肉類
魚介類

乳類
2.4μg 熱・弱酸性に対し安定
アルカリ性で分解
腸内細菌によって合成される
合成のための菌がないと欠乏症状を起こす
胃腸障害・菜食主義者は要注意
肝臓から分離されたビタミン
悪性貧血に効果がある
約4%のコバルトを含む
上限量の策定はないが過剰摂取しても飽和状態となり吸収されない
ナイアシン(ビタミンB3、ニコチン酸+ニコチンサンアミド)
呼吸に関係する構成因子
酸化還元に関与
エネルギー発生に関与
ペラグラ
皮膚炎
口内炎
胃腸障害
神経障害
胚芽
肝臓
酵母
肉・魚類
種実類・きのこ
15〜9mg 水に溶けやすい
光・熱・酸・アルカリに安定
腸内細菌でトリプトファン(60mg)からニコチン酸(1mg)に変化する。日本での欠乏は見られない
ぺラグラは他にB1.B2.B6.B12.Cもかかわっているといわれる。ビタミンB群に属す
多量摂取によりインシュリンの働きを妨げる。
許容上限摂取量300〜100mg
葉酸
(ビタミンM)
成長促進
脳の活性化
アミノ酸・DNAの生成に関与
抗貧血作用
胎児の正常な発育に関与
赤血球製造に関係
貧血
下痢
肝臓
酵母
緑黄色野菜
胚芽
肉類
卵黄
乳類
豆類
240μg
(妊婦+200μg)
緑黄色野菜に多く含まれるため葉酸と命名された(ビタミンMとも言われる)
水に溶けにくい。調理による損失が少ない
弱アルカリ性で熱に安定するが光によって分解
強酸性で光・熱・酸素によって分解
腸内細菌によって合成される
欠乏症が妊娠中の人に見られた
許容上限摂取量1,000μg
ビオチン
(ビタミンH)
微生物の増殖促進
アレルギーの元区とされるヒスタミン抑制作用
乾燥肌
湿疹
皮膚炎
脱毛
味覚障害
肝臓
酵母
青身魚
牡蠣
45μg

ビタミンHともいう
ビタミンB群のひとつとされる
多くの食品に含まれる
熱に強いが酸、アルカリに不安定
腸内で合成される
多量の生卵白(アビジン)で吸収阻害を受け皮膚炎を起こすことの報告がある
欠乏症は成人で見当たらない
調整粉乳の乳児での不足によってアトピーになりやすいとの報告がある
上限量は定められていない
ビタミンB13 オロット酸・オロチン酸 葉酸、ビタミンB12の代謝 - 小麦胚芽
ビール酵母
人体で合成される。
詳細は不明としながらも肝機能改善、老化防止によいといわれる。過剰症は不明、必要量は、定まっていない。
チオクト酸
(ビタミンB14)
 別名αーリポ酸(ALA:Alpa Lipoic Acid)
ビタミンB群の誘導体・補酵素
糖・脂質・タンパク質の代謝に関与。
活性酸素の除去
解毒作用


まだ知られていない 牛肝臓
動植物に広く分布
- 水溶性
 ・
脂溶性
ビタミンEより数百倍もの抗酸化力があるとして、おもにアメリカで利用される。色は、淡黄色水、油の両方に溶ける。
動植物に広く分布する。
ビタミン様物質とされアンチエイジング(若返り)成分とし老化防止、エネルギー代謝に関与する。
健康食品として10〜300mg/1日に用いている。とくにグルタチオン(肝機能強化)の活性化に働く。体内で腸内細菌により合成される。
ビタミンB15(パンガミン酸、バンガム酸) 抗酸化作用がある。肝機能改善 解毒作用  内分泌、神経細胞の代謝障害 種子(ごま、カボチャ、玄米)類、ビール酵母 - 水溶性 免疫力強化、疲労回復によい。米国摂取目安量10〜100μg
 
ビタミンC
(アスコルビン酸[還元型C]
+デヒドロアスコルビン酸[酸化型C])
・ビタミンEの吸収を高める
コラーゲンの生成
皮膚・粘膜の再生
歯・軟骨・結合組織・毛細管に関与
体内の酸化・還元に関与
コレステロール代謝に関与
抗酸化作用
壊血病
貧血
成長不良
骨形成不全
倦怠感
新鮮な野菜・果物
緑黄色野菜
かんきつ類
100mg
(授乳婦+50mg)

溶性
酸化されやすい。酸味がある。
食品に含まれるアスコルビン酸酸化酵素によって若干酸化分解される
熱・アルカリ性に弱い。酸素のないところでは、熱に安定(加熱・煮沸後は安定している)
L-アスコルビン酸ともいう
人体では摂取が必要、1.5g程度貯蔵している
治療に1,000mgものC剤を与えることもある
上限量は定められていない
異常な大量継続摂取で結石の原因になるといわれる
ビタミンD
カルシュウム・リンの利用率を高める
カルシュウムの吸収には必須の栄養素(骨の石灰化)
骨・歯の形成
くる病
骨粗鬆症
骨軟化症
骨の形成不良
青身魚
肝油
卵黄・卵・ピータン
からすみ
5μg
(妊婦+2.5μg)
脂溶性
D2(エルゴカルシフェロール)植物性食品に含まれる
D3(コレカルシフェロール)動物性食品に含まれる
日光浴で体内でビタミンD(プロビタミンD)を生成
熱・酸素に安定
主に肝臓に蓄えられる
欠乏症にはD剤75〜125μgをCa剤(i(乳酸Ca1〜3g/1日)とともに服用することもある
過剰症(発熱・嘔吐・消化障害)を起こすことがある
許容上限摂取量50μg
ビタミンE
(トコフェノール)
生殖機能に関与
抗酸化作用
老化防止
細胞の再生
不妊症
生殖機能不全
筋萎縮症
貧血
抗溶血症
脂肪生成減退
胚芽
アーモンド
大豆類
緑黄色野菜
9〜7mg
脂溶性 E効力あるものはαβγδの4種ある
不溶性
酸素、熱、光に比較的安定
ビタミンA、脂肪の酸化を保護する
上限量800mg
ビタミンF 成長促進
動物の生理に不可欠
皮膚炎 大豆油
米ぬか油
ひまわり油
脂溶性 人体での生合性不能な不可欠脂肪酸(必須脂肪酸)をビタミンFともいわれる
リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸の3種
欠乏はほとんど見られない
ビタミンK
(フィロキノン)
血液凝固に関与
骨に含まれるオステオカルシンの生成に関与
出血
骨粗鬆症
腎炎
妊娠性乳腫
新生児の出血性疾患
緑黄色野菜に特に多い
大豆類
海藻類

75〜65μg 脂溶性 K1.K2は天然に存在
K3(メナジオン)は防腐作用があり防腐剤にも利用される
熱には安定性を示す
光・アルカリで分解しやすい
血液凝固に必要なプロトロンビンを肝臓でつくるときにビタミンKが必要
肉・魚介類、果物、きのこにはほとんど含まない
許容上限摂取量30,000μg 2005年改定では示されていない
ビタミンL 白ねずみの乳汁分泌を促進する 乳分泌低下 肝臓
酵母
水溶性 L1は牛肝臓
L2は酵母中にあるものをいう
人での効果は認められず現在ではビタミンよりはずされている。
ビタミンP 毛細管の浸透圧を正常に保つ
血管を丈夫にする
腎炎
紫斑病
そば
レモンの皮
水溶性 ビタミンCの補助的作用があるといわれるが欠乏症が不明でビタミンとしての存在も不明
チトリンともいわれる
ルチンで高血圧に有効といわれる
ビタミンQ
(ユビキノン)
CoQ10
生体の酸化還元に関与
エネルギー代謝関与
いわし
さば
レバー
ナッツ
ほうれん草
6mg 脂溶性 6〜10までありユビキノン10は心臓病治療に利用される。
コエンザイムq10(CoQ10:コーキューテン)が老化防止、パワーの源とも言われ年齢と友に減少をし40歳からは急激に少なくなる。
油を使った料理で吸収がよくなる。
当面1日摂取目安量上限値300mg以下としている。
コリン 脂肪肝の抑制 脂肪肝(肝臓に脂肪がたまる) 卵黄
肝臓
酵母
大豆
水溶性 穀物にリン脂質として存在
酸に安定性をしめす
強アルカリで分解
レシチンの一成分でメチオニンとグリシンから合成される
ビタミンB群のひとつとされる
パラアミノ安息香酸
(PABA)
腸内の有用菌の繁殖を促す
皮膚の健康を保つ
たん白質の代謝に関与
イライラ
頭痛

肝臓
- 水溶性 ビタミンB群に属する、ビタミン様物質
葉酸の構成成分でもあるので、葉酸の合成に関わっている
イノシトール 
(イノシット)
  
細胞成長促進に不可欠 人の欠乏症は、知られていない。 野菜
果物
豆類
- 水溶性 ビタミンB群の一種
リン脂質の成分となっておりコリンと結合してレシチンをつくる。
肝機能を強化し脂肪肝・肝硬変等の予防・治療に使用されている。
米ぬかのフイチンを加水分解してイノシトールを生成する。
ビタミンU 胃潰瘍修復作用
粘膜再生保護
胃潰瘍 キャベツ
ブロッコリー
セロリー
青海苔
水溶性 キャベツより発見されたビタミン様成分
Ulcer(潰瘍)に由来し命名
熱に弱い
イソチオシアネード・インドールの整腸作用に効果あり。さらに発酵(乳酸菌・糠漬け)で吸収率が上がる


 1910年米ぬかから脚気に有効な成分を、鈴木梅太郎が抽出し米の学名にちなんでオリザニンと命名、1911年にイギリスのフンクが独自に同様に発見し生理的作用のあるアミン(vital amine)であることからvitamineとした。その後発見されてきたものには、アミンの性質を持たないものも見つかりフランスのドルモンドは、語尾のeを除いてvitaminを提唱し決定されました。そして発見された順にABCしていたがのちビタミンBに多くの成分が混在していることが判ってきたのでB1B2・・・・・とし区別してきました。
 
 しかし研究が進むにつれ名称の統一が難しくなってきて現在に至っています。化学構造と生理作用から分けられたりとかビタミンAは、A1A2とも同じ作用を持つものであったり、ビタミンK、L、Pは、生理作用の頭文字を用いて命名されたりしています。

 そしてカロテンをビタミンAのプロビタミン(そのもの自体はビタミンとしての効力を持たないが体内でビタミンに変化することによって同じ効果が期待できるもの:ビタミンA.D.ニコチン酸.コリン.葉酸に存在)と称しています。腸内細菌によって作られたビタミンを吸収して利用したりもしています。

 ビタミンの作用の構図がかなり変化してきているのが現状のようです。

 栄養素は互いに絡み合って相乗効果を発揮しています。ビタミンAとビタミンD・ビタミンE・脂肪、ビタミンB類の糖・たんぱく質・脂質、ビタミンCとビタミンE・鉄・コラーゲン、ビタミンDとカルシュウム等いろいろの食品を組み合わせて取ることによってより以上の吸収を高めています。一日30品目を目標として栄養バランスを考えた食生活が望まれるのではないでしょうか。                         

  (初版02.5.18  更新:2012,1,26 記載者:村上京子             


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