石巻語の詩っコ書ぎ

Poemoj Iŝinomagi-lingvaj


東北地方太平洋沖地震義援金
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この頁の作者:後藤文彦

. Ĉi tie mi skribas poemojn en mia patra lingvo `Iŝinomagi-lingvo'. Delikatajn nuancojn de unikaj ideoj aŭ valor-sentoj, kiujn oni akiris en sia nacieca klimato, neniu lingvo povas pli trafe kaj ekzakte esprimi ol ilia patra lingvo. Tiusence poemo ne povas esti ekzakte tradukata en alian lingvon. Sed eble mi iam provos `proksimume' traduki miajn patralingvajn poemojn en riisman Esperanton ne ordigante sonojn de vortoj.


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al Retpaĝo de GOTOU Humihiko
注意

目次

あら汁
あわび
百円コ
おにぎり
もも(04/8/10)
電気(06/4/11)
みんなで(06/4/11)
かあちゃん、かあちゃん、かあちゃん(06/4/25)
此方こなた (06/4/27)
笑うがら教えね(08/3/23)
おんなじごど二回 言ったってわがんないー (08/5/19)
もしかして(08/5/28)
よーほっほっほっほ(09/5/22)
いち もも ひゃくひゃく(10/3/13)
げほげほ(10/3/13)
かーちゃん ばか(10/3/13)
ミルミル かくした(10/8/16)
おみせのひとにおこられるよ(10/8/16)
はっぱりおもしぐね(10/10/16)
8さい に なるよ(10/11/20)
7つくって(10/12/17)
おしごと さいご?(11/3/26)
かっぱ寿司(11/3/26)
キルキル やさいいよ(11/3/26)
投げっつぉ(11/9/14)
百円ショップのトイレ(12/4/15)

続く


んでまず

 世界文学か゜イングランド語文学でねえみでぐ日本文学だって東京「標準」語文学でねえべや。 「標準語」バある一定の価値観の下で習得した(させらいだ)人だぢ さとっては「正しい標準語」で書ぐごどだげが美しくて文学的なんだが知ゃね げっと、おいだぢさとっては、 「正しぐねえ標準語」どさいできた おいだぢのコドバで書がいだ日本語ごそか゜ 「うづぐし」くて文学的だっつごどだってあんだどいや。 っつうが、民族的風土の中で培わいだ独特の発想だの価値観だのの微妙な意味合いバ言語さ抽象すんのに、 母語以上に正確に適切に表現でぎる言語なんかある訳ねえべ。 んだがら、人の内界の感情だの表象だのバ表現したよな文学であるほど母語でしか表現でぎねえべし、 そいな意味では「詩は翻訳でぎね」っつう話は当だりめだど思うのっしゃ。

……どがって母語文学の価値バ解いでる以上、その実例 見せねげ説得性ねんだげっと。 おい自身は 高木恭造の方言詩集「まるめろ」(津軽書房)(*0)読んで感動したんだげっと、こごは石巻語の頁だがら、 石巻語の文学 紹介しねげわがんねべ(*1)。 んだげっと、ちゃんと出版さいでんので、そいなの見だごどねえがら(*2)、 知ゃねがら、おしょしげっと、 おいの母語作品集?の中がら、人さ見せらいそうな、あんまり おしょしぐねさそうなやづバ、なんぼが見せっぺがや。なじょすっぺな。 ほでまず、なんぼが見せっけっと、もし分がんねどごあったら 石巻語辞書 で調べでみでけさいん。 ああ、おしょし、おしょし。

(*0) 高木恭造「まるめろ」「雪女」
(*1) おいの幼年時代の挿話集バ石巻語で書いだ「落どした場所」も読んでけさいん。
(*2) 津軽語関係だごって 日本コロムビアの伊奈かっぺいさんの頁
ケセン語関係だごって、 山浦玄嗣氏の著作: 『 ケセン語入門』 『 ケセン語の詩(うだ)』 『 みんなのケセン語(1)(2)』 『ケセン語大辞典 上・下』あだりも参考にしてけさいん。

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あら汁

おらいのかあちゃん
街で夕めしの買い物コして
重でえ荷物いっぺえ持って
坂道 登ってうっちゃけってきたっけ
ずんつぁん あら汁つぐってけでだんだど
おらいのかあちゃん
——おずんつぁん
今日の夕飯 カレーなんだでば
っつって ずんつぁんのあら汁 脇さよげで
カレーつぐってみんなさ せだんだど
何年もたって ずんつぁん死んだあど
ばんつぁんになってきたかあちゃん言うんだでば
——人間っつうのは馬鹿だなあ
なしてあのどぎ
せっかぐ おずんつぁんのつぐってけだ あら汁バ
食べでやんねがったんだいなって
よしんば買ってきた材料コ無駄にしたって
ほいづがなんだったっつんだべなって

目次

あわび

ずんつぁんの親戚だぢ
おらいさあわび持ってきてけだんだでば
そしたっけ寝だきりのずんつぁん
あわび持ってきてけろ
っつうんだど
おらいのかあちゃん
どいなぐして持ってきす
っつったら、おらいのずんつぁん
まるこまんま出してけろ
っつうんだど
そごさ居だずんつぁんの親戚だぢ
だれ、ずんつぁん
あわびまるこまんま喰ったら死にすと
っつったんだど
おらいのかあちゃん
あわびバ薄っぺらぐ 味もそっぺも分がんねえぐれに
薄ぐ薄ぐ切って
ちょびっとだげ出したんだど
おらいのかあちゃん、ずんつぁん死んだあど
自分もばんつぁんなってきて言うのっしゃ
おずんつぁん、若えどぎ浜で喰ってだみでぐ
よっぽどあわびまるこまんま
喰いでがったんだべなあ
って

目次

百円コ

むがしおらいさ寝だきりのずんつぁんいだんだげっと
時々おいんどごバ部屋さ呼んで十円コけんだでば
おらいのかあちゃん黙ってそいづバ見でだんだでば
そのうぢ十円コねぐなってきたっけ
おらいのずんつぁん
おいんどご部屋さ呼んで百円コけんだでば
おらいのかあちゃん黙ってそいづバ見でだんだでば
そのうぢ百円コねぐなってきたっけ
おらいのずんつぁん
おいんどご部屋さ呼んで千円札けんだでば
おらいのかあちゃん訝しげな顔こして
そんでも黙って見でだんだでば
そのうぢ千円札もねぐなってきたっけ
おらいのずんつぁん
おいんどご部屋さ呼んで壱万円札けんだでば
おら なんだが知ゃねえがら
その壱万円札ふり回して
うぢんなが はし回ってだんだでば
そしたっけおらいのかあちゃん
おいがら壱万円札とっけして
ずんつぁんどごいって
——子供の金銭感覚麻痺すっから
こいな大金子供さあつけねでけさい——
ってずんつぁんバ怒ったんだでば
それがらずんつぁん
おいんどご部屋さ呼んで
おわしけらいねぐなってしまったんだおん
そして何年がして
ずんつぁん死んだんだでば
それがら何十年がして
おらいのかあちゃんもばんつぁんなってきて
言うんだでば
——人間っつうのは馬鹿だなあ
なしてあのどぎ
あの壱万円札バ
百円コ百枚にして
おずんつぁんさあつけねがったんだい
——って
そしたらずんつぁん
百回もおいんどごバ部屋さ呼んで
百円コけらいだのにって
めんこいおいか゜
ずんつぁんの許さ呼ばいんのか゜
生理的にやんだがったんだどっさ
おいもおぼこんどぎは
めんこがったのがいや
確かにおぼこはめんこいおんな
んでもおぼこんどぎは
自分がめんこいなんて
分がんねおんな
ずんつぁんか゜
おいの顔コ見でか゜ってるなんて
分がんねがったおんな

目次

おにき゜り

店屋コがら買ってきたおにき゜り
どごさ置いだんだが ねぐなってしまって
いっしょけんめ捜しがだしても見つかんねくて
そいなバガなごどある訳ねえど思って
いっしょけんめ目え凝らしてだっけ
だれ 自分の目の前の飯台の上さ置いであんだおん
あーあー
もし年取って目えどが わりぐなったら
こいなごどしょっちゅうなんだべな
そいなどぎ
——なんだべ おずんつぁん、すかねごだ!
っつってける孫どがいでけだらいいべなあ
へだすっと
そんどぎも一人で
こいなぐ狭こい部屋ん中さいで
ああ、そう言えば
若え頃も
こいなぐ、おにぎり見っけらいねぐなったごど
あったっけなあ
どがって思ってだりすんのがや

目次

もも

一歳半のおらいのわらす
自分の桃 ぜんぶ喰ってしまったどて
今度ぁ とうちゃんの桃 せろどきたもんだ
おら わんざど残してだ ちゃっこい一切れさ ホーク刺して
——こいづ とうちゃんのだよ
って ゆーっくり口さ持ってぐべどしたっけ
おらいのわらす
そいづバ とっけして
さっさど 自分の口さ入れでしまったおんや
——あーあー、とうちゃんの桃 ねぐなってしまった
——あーあー、とうちゃん、桃 喰いでがったなー
っつって口バ おっきぐ開げでだっけ
おらいのわらす
もはや飲み込むべどしてだ桃
噛んでぐぢょぢょになった桃
口がら出して つまんでよごして
とうちゃんの口の中さ入れでけだんだよわ
——あー、めんこだなあ
おらいのわらす

目次

電気

二歳なった おらいのわらす連れで
近所の公園 散歩してだっけ
弥生時代の住居みでえなのこしぇえでだがら
なまはげのうぢでねえが
っつって覗いでみだっけ
真っ暗の中がら おんちゃん出できて
入っていがすと
っつうのっしゃ
んだがら へってみっか
っつったっけ
なんだが、おっかねがってんだっけ
ほして、言うのっしゃ
—電気で暗ぐしてんのがなあ
おらいのわらすだら
電気は暗いどごバ明るぐするだげでねくて
明るいどごバ暗ぐするものだど思ってんだなや

目次

みんなで

三歳なった おらいのわらす
喰うのに うんと時間コ掛がんのっしゃ
んだがら忙しい朝だの
さっさどいん
ど一番 最初にせ始めんのっしゃ
ほしたらば おらいのわらす 反抗すんだどや
—とうちゃんが こっちに座って
—かあちゃんが こっちに座って
—みんなで一緒に食べっぺし
—みんなで一緒に食べだほう おいしんだよ
だどっしゃ

目次

かあちゃん、かあちゃん、かあちゃん

ちょっと強迫神経 入ってるおら
出掛げっとぎ
免許証、財布、携帯
免許証、財布、携帯
免許証、財布、携帯
って何回もポケット触って確認してがら出掛げんのっしゃ
ほしたっけ
三歳のわらすだら
ほいづ真似して
めんきょしょ、めんきょしょ、めんきょしょ
ってやりやがんだおん
ある朝 起きたっけ
おらいのわらす
あ、かあちゃん、かあちゃん、かあちゃん
っつって かあちゃん蒲団さ寝でんの確認すんのっしゃ
なして、かあちゃん、かあちゃんっつうのやって訊いだっけ
とうちゃんがめんきょしょ、めんきょしょ、めんきょしょ
っていうみでぐ
かあちゃん、かあちゃん、かあちゃん
っていうんだ
だど

目次

此方こなた

おいは、はっきりど
「彼方」の住人になりした
結婚してわらすも生まれした
へー
想像してだ通り
こんなに「楽」だったんだ
「彼方」の人だぢは
「此方」時代に
露悪的なまでに書ぎ散らした
孤独の吐露は
少しも誇張でねがったな
もっともっと生々しぐ
痛々しぐ書ぎ曝したっていいぐれえ
「彼方」の生活は
どっぷりどした
懐かしい
かけがえのねえ
安堵
おいの目的は
おいがしあわせになっこどだ
羽田澄子だが誰だが言ってだげっと
戦争があっていい戦争映画でぎんのがいいんでねくて
戦争がねくていい戦争映画もでぎねえのが一番いんだ
「此方」時代のおいは書ぐごどいっぺえあった
っつうが
言いてくて
言いてくて
いっぺえ書いだげっと
そんでも
言いてえごどの何分の一も
実は言えねえままだったなや
勿論
安堵に満ちた「彼方」の生活も
書ぐネタはいっぺえあるよ
んでも
「彼方」の生活バ享受でぎる人間にとって
書ぐごどは
自分の現在バ主張すっこどは
ぜんぜん差し迫った優先順位にはねんだな
あの
懐かしい
すんげえ楽しがった
子供時代の自分
手放しで親の愛情さ
どっぷり漬かってだ自分
あのどぎの自分が感じでだ
同じしあわせ
おいは今
笑いながら抱き着いでくる
自分のわらすさ見る

目次

笑うがら教えね

五歳のわらす連れで買い物さ行ったっけ
喉 乾いだっつがら
ストローで飲む紙パックのジュース買ってやったっけ
案の定、店の中でジュース 吹き出させで、こぼしてんだおん
帰りの車の中で、
どうやって こぼしたのや?
押したのが?
ぶぐぶぐって空気 吹き込んだのが?
とうちゃんには、その二っつぐれえしか思いつかねえど
って何回も問い質したっけ
とうちゃんだの大人に言うど笑うがら教えね
だっつおん
なにすや
そいな、笑わいるぐれおもしいごどやったのが?
なんだべなあ?
押したのがや?
ぶぐぶぐって空気 吹き込んだのがや?
やっぱり、その二っつぐれえしか思いつかねえなあ
っつっても、やっぱり
笑わいっから教えね
だっつおん
そんなに笑うぐれえ おもしいごどやらがしたのがや
なにやったんだべなあ
どがっつってだっけ
ぼそっと一言
押してがら息 入れだ
だっつおん
はっはっはっ、完璧に予想通りの答えに思わず笑ってしまったっけ
ほらね、笑ったがら、もう絶対に教えない
だっつおん

目次

おんなじごど二回 言ったってわがんないー

五才のわらす車さ乗せで
買物だがゲームだがしさ行ぐべどしてだっけ
—キリンのお店に行ぐ
っつうんだな
そいな店 知ゃねえがら、
—キリンのお店? どごだべなあ
とうちゃん、わがんねなあ—
どがって言ってだっけ、
おらいのわらす、だんだんイライラしてきて
—あれ、キリン描いでるお店、キリン描いでるお店
って何回も言って
そんでも分がんねえがら、
—キリン描いでるお店って、子供の病院のごどでねえのが?
どがって言ったらば、
—ちがうーっ! キリンのお店ーえーーんっ!
つって泣ぎだして足ばだばだやりだしたんだおん
しゃねえがら、トイザらスさ行ってみだっけ
キリンの絵え描いであっから、
—ああ、キリンの絵 描いであんな、トイザらスのごど言ってだのが
つったっけ、
—んだよ
っつうごどになって、ひとまず落ぢ着いだんだげっと
帰りの車の中で、
—キリンのお店って、トイザらスのごどだったのがあ
とうちゃんわがんねがったど
キリンのお店っつってとうちゃんわがんねがったら
キリンのお店、キリンのお店って
何回も同じごど言ったって
とうちゃん わがんねんだがらな
キリンのお店っつって、とうちゃんわがんねがったら
あれ、おもちゃやさんどが
あれ、こないだ風船で作ってもらったどごどが
あれ、赤い服のお店の人 居っとごどが
とうちゃんわがるまで
いろいろど言い方 変えでみろ
って一応、教えどいだのっしゃ

それがら数ヵ月して
部屋でガラス瓶の隠しっこして遊んでだのっしゃ
わらすがガラス瓶 隠して、とうちゃんが探す番のどぎ
かあちゃんに呼ばいっかなんかして
ガラス瓶 隠したまま、次の日になったのっしゃ
んだがら わらすに
—あれ、ビーズ入ってる入れ物、どごさ隠したのや?
って聞いでみだっけ、
—なにそれ、わがんね
だど。んだがら、
—あれ、ビーズ入ってる入れ物、どごさ隠したのや?
って、もう一回 言ったっけ、おらいのわらすだら、
—おんなじごど二回 言ったってわがんないー
だど
—んだな。確かに同じごど何回も言ったって分がんねがったな。
あれ、きのう、とうちゃんど隠しっこしたべ?
ガラスの透明な四角い瓶でビーズが入ってで…
どがって言ってだらば、思い出したみでで、
—ああ、そうそう、あれね、あれ。どごに隠したっけ?
だど。結局 自分でもどごに隠したが忘れでしまってで
—こごに隠したど思う
ど本人が言う押入の脇は
最後がら二番めに隠した場所で
結局 押入の中の如何にもわらすの隠しそうな場所に
とうちゃんが見つけだのっしゃ

それがらまだ1週間ぐれえして
まだ わらすバ車に乗せで買物に行ってだんだでば
そしたっけ、わらすが病院が何がの看板でも見つけだのが
—あ、ダチョウだ、ダチョウだ
っつうんだでば
—どごさダチョウあったのや?
って聞いだっけ
—ああ、見ないがら、もう見えなぐなってしまった
つってまだイライラすんのっしゃ
んだがら、
—ダチョウの絵なんて描いであっかや?
つったっけ、
—うん。ダチョウあった。ダチョウ、シロチョウがな
どがって怪しぐなってきたがら、
—もしかして白鳥が?
って言ったっけ、
—ちがう、ダチョウだ、ダチョウ
っつうんだな。んだがら
—んで、アヒルどがでねえのが?
って聞いても
—ちがう、ダチョウだ、ダチョウ
つうのっしゃ
—んだって、ダチョウって、うんとおっきい鳥だど
つったっけ、
—え、鳥でないよ。ダチョウだよ
だど
—なにすや。鳥でねえのす? んで、なんだべな
つったっけ、
—葉っぱだよ。ダチョウって
だど
—葉っぱすや? んでダチョウって言わいでもとうちゃんわがんねがら
もっと言い方 変えでみねげわがんねべ—
つったっけ、
—あれ、最初 緑色で、次に黄色になるやづ
だど
—ああ、イチョウが…

目次

もしかして

かあちゃん、あがんぼの世話に疲れ果でで
とうちゃんの布団さ寝でだんだな
そしたっけ、五才のわらす
—ほら、かあちゃん とうちゃんの布団さ寝でるよ
とうちゃん、怒らいん—
だど
—ん、別にいいべ
—んだって、かあちゃんくさいの ついでしまうよ
—ん、別にいいよ
—んだって、かあちゃんくさぐなるんだよ
—ん、別にかあちゃんくさぐなったっていっちゃ
—! えーっ、もしかしてかあちゃんが好きなの?
—えっ! 知ゃねがったのが?

目次

よーほっほっほっほ

結婚して間もない頃だったな
友達らいさ遊びさ行ったっけ
四才ぐれえど二才ぐれえのわらすが
突然の来客に興奮して
いろいろどすっかげでくんのっしゃ
んだがら
まだわらすのいねがった おいも
いい気になって
そのわらすだぢバ ひずってだのっしゃ

しばらぐ
大人だぢで話し語りしてる間じゅう
わらすだぢは
トムとジェリーの英語版のビデオだがDVD見でだなあ
って思ってだのっしゃ

まだしばらぐ
大人だぢで話し語りしてだっけ
四才のわらす 電話帳 持ってきて
いっしょけんめー
電話帳ば開いで バンバン叩ぎながら
よーほっほっほっほ
よーほっほっほっほ
って叫んでんだでば

最初は何やってんのが分がんねくて
おいもしばらぐ理解に苦しんだんだでば
よーほっほっほっほ
よーほっほっほっほ

ピンと来て
ああ、
トムどジェリーの真似があ
んだ、んだ
その通りだ、うまい、うまい
確かにトムとジェリーは
本バ こいなぐ叩ぎながら
よーほっほっほって笑うおんな
んだ、ホントだ

って感心してみせでだっけ
下の二才のわらすの方も
おにいちゃんの真似こして
いっしょけんめなって
いっしょに電話帳 叩いでみせでんのっしゃ

よーほっほっほっほ
よーほっほっほっほ

そのめんこいごど

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いちももひゃくひゃく

二才になった下のわらす
だんだん色んなごどしゃべるようなってきて
ひとりで朝 起きて
なんだのかんだの
べらべらしゃべってんだおん
とうちゃんだの 眠てがら
んー、んー―って適当に相槌 打ってやってだのっしゃ
そしたっけ、二才のわらす
いち もも ひゃくひゃく
いち もも ひゃくひゃく
って しつこぐ 言ってくんのっしゃ
なんのごどがど思って
薄目 開げで見でみだっけ
犬の抱ぎ枕バ指さしながら
いち もも ひゃくひゃく
いち もも ひゃくひゃく
って言ってくんのっしゃ
なんだべど思って見でみだっけ
その犬の抱ぎ枕さ
I ♡ dog
って書いであんのっしゃ
―んだなあ、ほんとだ。
ほんとに「いち もも ひゃくひゃく」って書いであんなあ
ミルミル、ほんとにおりこうだなあ

目次

げほげほ

二才になった下のわらす
上のわらすより好き嫌い多くて
嫌いなもの せっと
べーすんだおん
こないだも
ゆでたまご せだっけ
べーって出したがら
あら、なして べーすんのや?
って聞いだっけ
げほげほ
だっつおん
えっ? げほげほなったのが?
って聞いだっけ
ゲホッゲホッ
って上手に咳する真似すんだおん
なにっこの
いってえ どごで
そいなぐ嘘つぐの覚えでくんだべな

目次

かーちゃん ばか

二才になったおらいのわらす
とうちゃんだの歯ぁ磨いでっと
はーあー
はーあー
っつって、歯ブラシよごせっつんだおん
んだがら、こども用の安全歯ブラシやっと
あちこち歩き回りながら歯ブラシしゃぶってんだおん
ほして、押入れの隙間の埃だらげのどごさ
歯ブラシつっこんで、
はー ここ おいとくねー
だっつおん
んだがら かあちゃん
―ミルミルっ、どごさ歯ブラシ置いでんの!
押入れ 埃だらげで汚ねんだよっ!
まったぐ もうっ!
って怒ったっけ
二才のわらす、その埃だらげの歯ブラシ
まだ っちゃ
くわえで
台所で歯ぁ磨いでるとうちゃんのどごさ来て
ちっちゃい声で
―かあちゃん ばか
だっつおん
とうちゃん 受げで笑いながら
ミルミル、今 なんて言った?
って聞いだっけ
かあちゃんにも聞けでだんだな
かあちゃん、おっかねえ声で
―ミルミル、かあちゃん ばがっつったなあ!
って怒ったっけ
二才のわらす、突然 床に転がって泣き出して
えーん、えーんって泣きながら
かあちゃんのどごさ走ってって
かあちゃんさ だっこすんだおん
かあちゃん 好ぎなんだ

目次

ミルミル かくした

小学二年なった上のわらす
やぎもぢ焼いで
いっそ 下の二才のわらす いじめんだおん
こないだも、バタンっつう音したあど
えーんっつう 二才のわらすの泣き声 聞けできたがら
まだ なにが やらがしたど 思って 救出に向がったっけ
下の子バ 便所さ 閉じ込めでんだおん
便所ん中で 泣いでる わらすバ だっこして 頭 撫でながら
ミルミルっ、だいじょうぶが? ねえねに なにさいだのや?
って聞いだっけ、
ねえね ミルミル かくしたー
って必死に訴えんだっけ
そうがー、ねえねに トイレさ かくさいだのがあ
って 慰めでやったのっさ
それがらも毎日のように 上のわらすは 下のわらすバ いじめんだげっと
そのたんびに 怒らいるもんだがら、おもしぐねくて
ミルミル ばか、ミルミル ばか、ばかばかばかばか大ばか
って 下のわらすさ 悪口ばり 言うんだおん
んだがら とうちゃん、そのたんびにミルミルの頭 撫でながら
ミルミルは ばがでねえよ。ばがって言う人か° ばがなんだ
って 言ってやっっつど、下のわらすだら 思い出すんだべなあ
ばかねえね ミルミル トイレに かくしたんだよ
って そのたんびに言うのっしゃ

目次

おみせのひとにおこられるよ

二才のわらす お風呂さ 入れっとぎ
空のペットボトル あつけだっけ
ペットボトルさ 水 入れでは、フタさ 注いで 飲むふりして
とうちゃんの お酒飲み やりてがったんだな
とうちゃんさも 一組よごして おんなじごど させんのさ
おっとっとっと、まあまあまあまあ
って とうちゃんも いい気になって お酌だの手酌だの やってだげっと
下のわらす よっぽど気に入って 飽きる気配がねんだな
もう飲みすぎだがら、この一本で終わりだよ
ほら、お店 もう閉まったんだって
だの色々 言ってみでも、はっぱり やめる気ねんだな
んだがら
お店 閉まったがら、とうちゃん、もう終わりにすっぺ
っつって、とうちゃん持ってだペットボトルの水 捨てで片付げだっけ、
―おみせのひとに おこられるよ
だど。
なして、お店の人に怒らいんのや?
って聞いだっけ、
―ちゃんと のみなさい って、おこられるんだよ
だど。

目次

はっぱりおもしぐね

下のわらす 三才になったげっと、夜はながなが寝ねんだ
上の小学二年のわらすの方 先に寝でしまうんだ
いっそ、おだってばり いで
上のわらすの真似して、下品な話だの面白がってやってんだ
―はたらく車のどご 行ったっけ、
ドキンちゃんが、うんこして、
おならして、おしっこ、じょーじょー ―
だの、得意になってやってっから、
―はっぱりおもしぐね
って、言ってやったっけ
そいづが おもしいどって、
けけけけけって笑うのっしゃ
ほして、まだ
―うんこがおならをたべて、おしっこじょーじょー
ってやりだすがら、まだ
―はっぱりおもしぐね
って言ってやっと、まだ
けけけけけって笑うのっしゃ
こんでは、わらすの思うツボだがら、
ちょっと戦法 変えで、
―ほれ、こごさ とうちゃんの 眠ぐなるスイッチあっと、
押してみらいん
つって、とうちゃんのおでこバ 押させっぺど したっけ
お利口な わらすだら、この後の展開
―まずは、眠ぐなるスイッチで、とうちゃんが寝で、
次に、わらすの眠ぐなるスイッチをとうちゃんが押して、
わらすバ寝せるっつう―
それを悟ったんだべな
わらすだら、
―起きるスイッチだよ、ピッ
つって とうちゃんのおでこバ押して
―とうちゃん 起きろ
だっつおん
とうちゃんは まだ戦略 変えだ
―ミルミル、どれ とうちゃん お話 してけっから。
むかし むかし あるところに
かあちゃん ど とうちゃん ど ちっちゃいこが いました
かあちゃんは つかれで ねてしまいました
ちっちゃいこは いつまでも ふざげで おきてました
とうちゃんは ちっちゃいこ に つぎあって
おはなしを してあげだり してましたが
ちっちゃいこは さっぱり ねないので
とうちゃんは つかれで ねむってしまいました
かあちゃんも とうちゃんも ねむってしまって
ちっちゃいこが ひとりだげ おきてました
そしたら ピンポーンと げんかんの チャイムが なりました
ちっちゃいこが げんかんに いってみると
―おきてるこはいるかな、
ねるのは つまんないから ゆうえんちに あそびに いこう
という こえが しました
とうちゃんは ちっちゃいこに
―だめだっ! いってだめだっ! と いおうと しましたが、もう ねてしまっていたので
どんなに いっしょうけんめい さけぼうとしても こえが でませんでした
ちっちゃいこは、あそびに いきたかったので
げんかんのドアを あけて しまいました
そしたら、しらないひとが ねないこ たちを つれて
―さあ、ゆうえんち へ いこう と ちっちゃいこ を さそいました
ちっちゃいこは しらない ひとに ついて いってしまいました
つぎのひのあさ とうちゃんは おきると
ちっちゃいこを さがしました
でも、ちっちゃいこは いなくなって もう かえってきませんでした
っつうような話バ すっぺどしてだっけ
お利口な わらすだら、話の展開が見えだんだべな
―ピンポーンと げんかんの チャイムが なりました―の辺りで
ぼそっと 一言、
―はっぱりおもしぐね
だど

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8さい に なるよ

上のわらす
小学二年になっても
未だに三才の弟さ やぎもぢ やいで
いじめで ばり いんだ
今日も 朝から ひともんちゃく あって
下のわらす いじめらいで かわいそうだがら
とうちゃん 下のわらすバ だっこして
めんこ めんこ しながら
上のわらすさ 聞こえるように
―ねえねな、8さい に なったら
やさしい ねえね に へんしん すっからな
まちどおしいなあ、
ねえね 8さい に なったら やさしぐなるんだって
たのしみだなあ―
って、言ってやったのさ
ほしたっけ、上のわらすだら
―うるせっ、8さいに なったって、やさしぐなんかなんね!
だど。悪態ついでんだ
そのあど、お昼にラーメン屋さ行ったっけ
子供さ ぬり絵どクレヨンどよごさいんだんだな
下のわらす は まだ ちゃっけえど 思わいだんだが
一人ぶんだげ
ほしたっけ、上のわらす
ぬり絵バ ひとり占めして
いっしょけんめ ぬり方 してんのさ
下のわらす、クレヨン持って ぬっぺどすんだげっと
上のわらす、
―あーっ、ミルミルっ、やめでーっ!
っつって、下のわらすバ 押したりすんだ
とうちゃん ど かあちゃん、見かねで
―なんだべ、ミルミルさも ぬらせで やったらいいべ
っつっても、
―ミルミル だめーっ!
っつって、ミルミルんどご 押して 突き飛ばすんだおん
いじわるさいだ かわいそうな ミルミル
―ねえね、8さい に なるよ、
ねえね 8さい に なるんだよ。
だど。

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7つくって

三才の わらすバ 風呂さ 入れでだっけ
わらす、右手の指 三本ばり 立でで
― とうちゃん、なな つぐってー
っつうのっしゃ
んだがら、とうちゃん、
わらすの 左手で 四つぐってやって、
― ほら、三ど四で、七だよ
っつったっけ、わらすだら、
― ちがうー、ご と に の なな つぐってー
っつうがら、
― 五と二の七つぐんの?
って 言いながら、
わらすの 左手ば五に、
右手ば 二にすっぺどしたっけ
わらす だら 癇癪 おごして
右手の指 三本 立でながら
― ちがうーっ、ほがの なな つぐってーっ
って 叫ぶ のっしゃ
んだがら とうちゃん、
ためしに とうちゃんの 左手バ 五に
右手バ 二にして
― 五 たす 二で 七だよ
っつって みだっけ
わらす だら、とうちゃんの 七さ
自分の右手の三バ くっつけで
― なな と さん で じゅう だよ
だど。
― んだあ! ほんとだ、
ミルミル、七ど三で十だって やりてがったんだな、
七たす三は十 は、ミルミルの指だげでは できねえおんな ―
わらすは こんなに お利口なのに
おとなは なして その意図 素直に くめねんだべな

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おしごと さいご?

御用納めの日の朝
とうちゃん 仕事さ 行ぐどぎ
三才の下のわらすさ びだびだちゅっちゅっしながら、
―とうちゃん 今日で仕事 最後だー―
って言って出がげだのっさ
それがら年末年始は 瞬く間に過ぎ去って
休み明げの朝
とうちゃん だげ 早ぐ起きて
一人で 朝ご飯 食べでだのっさ
そしたっけ 下のわらす
わさわさど 起きてきて、
―とうちゃん、きょう おしごと さいご?―
だど。
―んだなー、今日がお仕事 最後だったらいいなー

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かっぱ寿司

かあちゃん 居ねえ日
とうちゃん わらすだぢさ 朝ご飯 せだ後
洗濯だの掃除だの ちゃっちゃど終わらせで
わらすだぢさ、
―どれ、おでかげだ! どごさ いぐ?―
っつって、まずは ショッピングモールのプレイランドで
ひとしきり遊ばせでがら
かっぱ寿司さ お昼 食べさ 行ったのっさ
かあちゃん 居っとぎは ながなが つれできて もらえねえがら
わらすども は 大はしゃぎ だおん
―ちょっと待ってろな―
って、とうちゃん何回も言ってんのに
上の小学二年のわらすは 勝手に 好ぎなもの 取り始まっぺし
下の三才のわらすは とうちゃん 注文してる隙に
勝手に イクラ 食べ始まって
ボロボロ 床に こぼして
そごらじゅう ベダベダになってぺし
上のわらす そいづ見で
笑いながら 好ぎなの 取りまぐってんだ
とうちゃん しゃまして、
―なして言うごど聞がねのや! も少し協力してけろっ!―
って 怒鳴ってしまったのっしゃ
上のわらす おどなしぐ なったど思ったっけ
目さ いっぺえ 涙 ためでんだおん
せっかぐ の 楽しみにしてだ かっぱ寿司
とうちゃん が 台無しに してしまったど反省して
上のわらすの頭コ 撫でながら、
―ごめんなー。とうちゃん疲れでだんだ
せっかぐ楽しみにしてだ かっぱ寿司に 来たんだおんな
好ぎなもの 取っていいど
―だど

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キルキル やさいいよ

休みの日の朝 とうちゃん 下の三才のわらすさ
菓子パン っ切れやったっけ
わらすだら 一切れしか ねんだっけ
ほして 小学二年の上のわらすの 真似コして
歯磨ぎ だっつおん
かあちゃん パン二切れ 残ってんの 見で
―どうせ 食べないのに 全部 出さないでっ!
いづまでも出してないでサランラップかげでしまってきてっ!ー
て とうちゃん 怒らいだのっしゃ
とうちゃん サランラップかげさ行ったっけ
上のわらす、
―ミルミルっ、歯ブラシに 水つけないでっ!―
て まだ 下のわらす さ いじわるしてんだおん
とうちゃん、下のわらすさ 共鳴して、
―みんな やさしぐなってけろ―
っつったっけ
下のわらす、
キルキル、コップに みず いれてくれて やさしいよー
だど
ミルミル一番やさしんだ

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投げっつぉ

仕事さ行ぐ途中の道端さ
ばんつぁん 座ってだのっしゃ
おら イヤホンしたまま通り過ぎっぺどしたっけ
そのばんつぁん、手え上げで
―ちょっと にいちゃん―
って呼び止めんだでば
イヤホンしてハイドン聞いでる四十四才のにいちゃんバ
んだがら、イヤホン片耳 はずして
―はい、なにっしゃ―
って聞いだっけ
―今、何時っしゃ―
っつうのさ
んだがら、腕時計 見せながら
―八時五分っ―
つったのっさ
ほんとえば八時三分だったげっと
ほしたっけ、ばんつぁん
―見えねんだ。何時す?―
って、耳も遠いみでえなんだな
んだがら、もっとおっきい声で
―八時っ―
っつったのっしゃ
ほしたっけ、ばんつぁん
―八時バッチリが?―
ど聞ぐのっしゃ
んだがら、時計 見直して
―八時四分が―
つったっけ、ばんつぁん
ポケットさ手ぇ つっこんで
なんだが ごそごそ出すべどすっから
おわしでも出すんでねえべなど思いながら
―いいがら、いいがら―
っついながら、立ち去っぺどしたっけ
ばんつぁん、ポケットがら飴ッコ 出して
―ほれ、けっからっ―
っつうのっしゃ
なんだ、飴ッコが ど思いながら
―いいがら、いいがら―
って、立ち去っぺどしたっけ
そのばんつぁん、
―ほれっ、投げっつぉ!―
って、飴ッコ 投げっぺどすんだでば
おら、笑いながら(ほんとにおもしがったがら)
―いいがら、いいがら―
って、立ち去ったのっしゃ
立ち去ってがら思えば
あの飴ッコ もらってやればいがったなって
せっかぐだがら、投げでもらって
四十四才にもなった にいちゃん
はっぱり機転 きがねがったな

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百円ショップのトイレ

百円ショップで、とうちゃん お金 払ってだっけ
四年生ど年中のわらすども 二人、トイレのどごで、ドア 開げだり閉めだり
遊んでんだっけ
まだ、きたらすねえ 取っ手だの さわって 病気だの 伝染さいんだがら
とうちゃん、怪訝そうに 眺めでだっけ
下のわらす とうちゃんどご 来て、とうちゃんの ズボン掴みながら
お金 払い終わんの 待ってんだっけ
とうちゃん お金 払い終わって―なにしたのや?―
って聞いだっけ―トイレのドア あかないんだよ―だど
さては、上のわらす トイレに入って 鍵 閉めだがら
とうちゃんさ 開げさせで すっかげるつもりだなど思って
―だめっ! おねえちゃんトイレ入ってんだがら 開げでだめっ!―
って言ったっけ、
―トイレのドア あがないんだよっ!―
ってしつこく訴えんだっけ。
そりゃあ毎日おねえちゃんにいじめらいでっから
反撃できそうな機会バ うかがってんだべげっと
トイレの前さ とうちゃん 連れでって、ドア 開げっぺどすんだおん
―だめだめっ!―ってとうちゃん言ったっけ
トイレの中がら上のわらす 騒いでる声すんだ
下のわらすに ドア開げっぺどさいで、やめろって騒いでんだな
って思ったっけ―ドア 開かないっ!だど
―なに、ほんとにドア 開がねえのが?―
―ほんとにドア 開かないっ!―だど
とうちゃん ドア開げでやったっけ
上のわらす 半べそ かいでんだっけ
いっつも おねえちゃんにいじめらいでる下のわらす
おねえちゃんバ 助けっぺど とうちゃんどご 呼びさきてけだんだいっちゃ

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ほんとえば、もっと色々どあんだげっとも、おしょしがら取り敢えず このけにしとっから。んでまず、まだほのうぢ。

続ぐ。

鍵語: khmhtg, 方言詩、方言文学、母語詩、母語文学、 か゜ か°