漢方何でも相談室
こんなことを聞いてみたいと思ったことありませんか?
あなたの知りたい疑問にはくさい先生がお答えします。
以下の質問は、はくさい先生の著書「イラストわかる漢方・更年期障害」
(ユリシス出版)より抜粋したものです。
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「イラストわかる漢方・更年期障害」 埼玉中医学研究会会長 福島 毅著 更年期障害は多くの女性が経験する病気であり、他人には理解され ない苦しい症状が長期にわたって続くものです。著者は漢方の考え方 で更年期障害をとらえ、更年期障害に悩む女性にとっての救世主とな り、多くの方々がその苦痛から救われることを願って本書を執筆いたし ました。 ユリシス・出版部 東京都文京区本郷2丁目12番9号 TEL 03-3816-4809 |
Q1:漢方薬は、新薬とどう違うのですか?
新薬は,主に化学的に合成された薬品です。それに対して,漢方
薬は植物・動物・鉱物などを自然のままに使用しています。漢方薬と
新薬の違いはこれだけではありません。もっと大きな違いがあります。
実は、漢方と西洋医学との間には大きな違いがあります。漢方は西
洋医学とは全く異なる視点から人間をそして病気を観察し考えていま
す。漢方の「肝」は、西洋医学の肝臓とは異なります。漢方の
は,西洋医学の血液とは異なります。全く別なものと言っても過
はありません。さらに「気」とか「経絡」とか,西洋医学にはない 概念
も漢方には存在しています。つまり、漢方は,西洋医学とは全く 異な
る思想・理論によって体系化された医学なのです。この思想・理論に
もとづいて病気を診断し、その病気に対して最も適切な処方を考える。
それが漢方薬なのです。したがって、西洋医学的な考え方では漢方
薬を処方することはできません。
Q2:漠方薬にはどんな種類があるのですか?
漢方薬といえぱ煎じ薬というふうにとらえられていますが、煎じ薬
ばかりではありません。たしかに、煎じ薬が最もよく使用されている
のは事実です。しかし、当帰芍薬薬散・五苓散などの散剤、八味丸・
桂枝茯苓丸などの丸剤、紫雲膏・太乙膏のような軟膏剤など、実に
多くの剤型があります。現在では、製剤技術の進歩により、エキス剤
が使用されています。漢方薬の有効成分を取り出し、これを散剤・顆
粒剤・錠剤などにしたものです。携帯に便利で、お湯に溶かすとほと
んど煎じ薬と同様のものとなります。しかし、エキス剤にも欠点があり
ます。処方が固定化していますので病態にあわせて加滅することが
できません。そこで状況に応じて、煎じ薬とエキス剤が使い分られて
います。
Q3:漢方薬は高価というイメージがありますが、実際はどのくらいか
かるのでしょうか?健康保険はきかないのでしょうか?
高いか安いかは、難しい問題です。何を基準にするかによります
が、一般に煎じ薬では1日分500円から800円ぐらいといえます。
もちろん漢方薬の原料となる生薬には、高価なものもあるので、それ
を使用した場合にはこれ以上となることもあります。工キス剤は1日
分400円から600円ぐらいです。たしかに健康保険でもらえる薬
品から比べれぱ高価かもしれません。しかし、幸いなことに、現在で
は百数十種の漢方エキス剤に健康保険が適用されていますので、こ
れらについては健康保険で服用することができます。煎じ薬について
は一部の生薬に健康保険が適月されていますが、不適用の生薬も
少なくありません。そのため、煎じ薬を健康保険で出すことは非常に
繁雑で難しい状況です。おおむね,漢方を専門とする医院・病院では
自費負担としているようです。
Q4:他の薬と一緒に服んでもよいのでしょうか?
さきに述べたように、漢方と西洋医学では全く考え方が違います。
そのため、漢方薬と新薬の併用の問題は現在研究中の課題です。
ただ、経験的に言って、多くの場合は併用しても問題がないようです。
しかし、新薬のなかには強く症状をおさえるものがあリます。また、副
作用で新たな症状が現れるものもあります。そこで、必ず漢方薬を併
用する場合には、診察を受ける漢方の専門医、相談する漢方専門の
薬剤師に御相談下さい。
Q5:副作用のようなものはあるのでしょうか?
代表的な漢方薬である桂枝湯は、桂枝・芍薬・生姜・大棗・甘草か
らなっています。桂枝は二ッキ、生姜は八百屋で売っているひねしょ
うが、大棗はナツメ、甘草は食品の使用される天然の甘味料です。
つまり,大部分が我々が日常口にしている食品なのです。しかも数千
年にわたって経験を積み重ねその安全性が確認されています。もちろ
ん漢方薬といえども、医薬品ですからかなり強い作用を持った生薬
も使用します。しかし、どういう人に使用すれぱ効果があがり、どうい
う人に使用すれぱ悪い結果が生じるかについても十分な研究がなさ
れています。さらに、桂枝湯の様に、普通は単独で生薬を使用するこ
とはなく、ほとんどがいくつかの生薬を組み合せて処方します。これ
は作用を強化すると同時に副作用を滅少させるためです。つまり漢
方薬の副作用はきわめてまれで、しかもあったとしても軽度でしかあ
りません。一般に漢方薬の副作用として報告されているのは、漢方
薬の副作用ではなく、適応の誤りによるものです。不適応の漢方薬
を服用すれぱ、確かに症状が悪化することがあります。
Q6:人によって服む薬もかわってくるのでしょうか?
同じ胃炎でも、よく見ると症状が違いますが、もちろん罹っている人
の体質もそれぞれ違います。太っている人・瘻せている人・穏やかな
人・怒りっぽい人・冷え症の人・暑がりの人など千差万別です。ここに
着目するのも漢方の特徴です。ですから、Aさんがある漢方薬を服用
して胃炎が治ったからといって、Bさんの胃炎も同じ漢方薬で治
は限りません。
Q7:「漢方薬を受けつけない体質」というのはあるでしょうか?
結論からいえば、ほとんどありません。漢方は,病気とその病気を
もっている患者さんの体質にあわせて、漢方薬を処方します。まさに
体質を診る医学でもあるのです。
Q8:妊娠中の服用はさけたほうがいいのでしょうか?
妊娠中にも、つわりやむくみなど、妊娠中独特の病気があります。
当然、それにあわぜてその病気を治す漢方薬があります。これらは
つわりなどの病気を治すと同時に、母体と胎児を安全に生育します。
漢方全体から言えば、下剤や強い発汗剤など、使用が注意されてい
るものがあります。当然専門家ならば心得ているはずです。妊
に漢方薬を服用する場合には、漢方の専門家に御相談下さい。
Q9:どこに行けば漢方薬を服めるのでしょうか?
2つの方法があります。漢方を専門とする医師のいる医院・病院に
行って診察を受ける方法と、もう1つは、漢方を専門とする薬剤師の
いる薬局に行って相談する方法です。良い医院や薬局を選ぶ目安
は、症状をていねいに聞いてくれることです。異常に値段が高い所、
漢方薬まがいのものを売りつる所などは避けた方が賢明です。
Q10:効き自かない場合には量を多くしても良いでしうか?
医師や薬剤帥から漢方薬をもらった場合には、専門的な判断から
量を決めています。もし効果がなかった場合には、その専門に相談
して下さい。市販のエキス剤には、服用量が記されています。これが
目安となりますから、もし効果がない場合には、やはり専門家に相談
して下さい。漢方薬も薬には違いありません。相談なく量を増やすこ
とはやめ下さい。
Q11:どうすれば効果が一番現れるでしょうか?
まず,専門家の指示による服用法で服用することです。一般に、食
事の30分から1時間前に服用します。もちろん、病気によって服用
法がかわることもあります。特別な指示のないかぎり、煎じ薬は温か
いままで服用します。エキス剤の場合も、散剤や顆粒はお湯に溶い
て服用して下さい。錠剤の場合は、コーヒー力ップ1杯ぐらいのお湯
で服用します。また、この本の中にあるように、その病気にあわせ
て、ツボ療法や食事療法などを併用すると病気の治りが速くなりま
す。
Q12:どのくらいの期間服み続けれぱ効果が出ますか?
軽い力ゼならば、1服の服用で効果があります。従来、漢方薬は長
く服まなければ効かないとされてきたのは、相当に慢性化し、あるい
は悪化してから漢方薬を服用する場合が多かったからです。急性病
は、もちろん漢方薬で急速に改善されます。しかし慢性病では一定
の時間が必要です。どの位で効果があらわれるかは、病気の程度
やその人にもよります。専門家なら服用前に一定の目安を言ってくれ
るはずです。
Q13:子どもに服せる方法はありますか?
漢方薬は昔くて服みにくいといわれますが、必ずしもそうではありま
せん。子どもによく適応する小建中湯などは、非常に甘く服みやすい
薬です。また、不思議なことに、適応しない人には相当に服みにくい
漢方薬が、適応する人にはおいしく感じられます。子どもが服みたが
らない場合は、実は親が生懸命になりすぎていることが多いのです。
なんとか服まそう、まずかろうが服まそうといった気持が子どもにも
伝わり、子どもは懸命に拒否するのです。おやつでも与えるような態
度で服ませると結構服んでくれます。どうしても服まない場合には、
砂糖や蜂蜜などを加えることもあります。ジュースやお茶などに溶か
して服んでも結構です。