重箱の隅

日常のいろんなコトをエセ科学的且つイイカゲンに検証。
多分ウソ満載。要注意。

第31回「酸素の隅」 2008/03/01

 今回はちっさい文章ですよ。

 生物史上初の環境汚染は実は「植物の出現」でした。意外なコトに。
 その植物が撒き散らした汚染物質の名前は『酸素』。

 植物出現前の地球環境中に酸素は殆ど存在しませんでした。
 酸素てのは実は猛毒でして、素で触れるとその強烈な酸化作用で生体は分解されて仕舞うのです。故に当時の生物はもう殆ど嫌気性細菌で酸素が大敵。
 元々、環境中に殆ど酸素が存在しなかったのもその「反応性の高さ」からで、つまり発生する端から何かと結び付いて酸化物を生成して仕舞うから。その激烈性の故に生命は「酸素」に触れずに済んで居たワケです。
 そこへ「日光を利用して二酸化炭素を分解、廃棄物として酸素を大量に吐き出し、吐き出し、吐き出し続ける」生命が現れたのですから地球の生態系はもう大打撃ですよ。まさにジェノサイド。
 (正確には一番最初の光合成生物は『シアノバクテリア』であり、細胞内にこのシアノバクテリアを取り込み『葉緑体』として共生させて光合成能力を獲得したのが植物細胞なのですけれど、まぁメンドいんでトータルで植物、てしときます)

 この地獄変は、更にその猛毒『酸素』の強烈な化学的特性を戦略的に利用して莫大なエネルギィを獲得する『動物』が現れてやっと安定する。のですけれど。
 その安定した環境たるや、植物の出現以前とは全く様相を変えてしまいました。
 あらゆるトコに酸素が満ち満ちて、その毒物に対する防御構造を持たない生物たち、以前の主力であった嫌気性生物、は深海とか泥の中とか、そう云う片隅でヒッソリ生きてかなくてはならなくなって仕舞ったのです。
 そして、代わりに「酸素を吐き出す植物と、利用する動物」からなる生態系が主力となりました。
 (余談ですが、「酸素を利用した爆発的なエネルギィ発生システム」を最初に獲得したのは『好気性バクテリア』て呼ばれる連中で、この好気性バクテリアを細胞内に取り込み『ミトコンドリア』として共生させたのが動物細胞。つまり今の世界の代表的な生物相である動物と植物は、双方とも借り物の能力で繁栄を築いたワケですね)

 生物を含めた『地球環境』てヤツは結構したたかです。
 かくして猛毒であったハズの酸素は生命システムの中核となり、地球は「酸素を膨大に吐き出し続ける生物」と「その酸素がないと死んで仕舞う生物」とで溢れました。
 さらに酸素は「水中の鉄分を酸化して膨大な鉄鋼脈を生み出す」て云うオマケまでもたらしたのです。その鉄鋼脈のおかげで今の人類文明がある、てっても過言ではなく。
 だから、正確に云えば「環境は刻々と変化して、その変化を有益に享受出来る生命体が生き延びる」てコトなのでしょう。

 なので。まぁ。どんどんおやんなさい。「地球に優しく」とか云わないでいいから。別に地球は何とも思ってないから。
 人類やその所業も『自然環境』のひとつ。それが環境を変化させるのも、また自然の成り行き。

 ただ、その変化した先に人類の椅子はない、かも知れないよ?てだけですから。

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