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掌蹠膿疱症について
   (前橋 賢先生 特別寄稿)
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前 橋  賢

 掌蹠膿疱症は手のひら(手掌)と足の裏(足底)を中心に一見膿を思わせるような皮膚の発疹が多数繰り返し出現する皮膚病であり、「原因不明。病気の本態も不明。治療法もない。」といわれ、難病の一種とみなされてきました。そして、この病気にかかった患者さんは皆自分の悲運を嘆き、病苦をただじっと耐えるしか方法がありませんでした。

    わたしはこれまでこの病気について研究し、その結果を日本内科学会で発表するとともに、1300名以上の患者さんの診療に役立ててきました。しかしながら、来院されるすべての患者さんは、医師からこの病気や治療について説明をされたことがなく、このことが患者さんで病気に対する不安と将来への危惧が募り、医師や治療に対する不信感から患者さんをいろいろな民間療法にはしらせてしまっています。

   掌蹠膿疱症は「治る」病気なのです。そこで、掌蹠膿疱症とはどのような病気なのか、またどのような治療をすれば治るのかについて皆さんによく理解していただくために、わたしが昨年の4月第18回日本臨床皮膚科学会で行いました掌蹠膿疱症に関する特別講演の内容を要約します。

   掌蹠膿疱症は手掌、足底を中心に発生する膿疱様の発疹を主徴とする難治性の病気とされてきました。病因や病気の本態については不明とされ、治療法も確立されていませんでした。わたしが診療してきました掌蹠膿疱症の患者900名(現在1300名以上)のうち、その62%で胸、背中、腰に激痛や腫脹を伴っており、鎖骨、胸骨、肋骨、脊椎、骨盤に骨の肥大、硬化性変化、破壊などか観察され、掌蹠膿疱症性骨関節炎を併発していました。また、掌蹠膿疱症の患者さんでも、痛みを訴えていなかったにもかかわらず、かならず骨病変があることを見つけました。

 掌蹠膿疱症の患者さんの体内で起こっている代謝障害の研究を手がかりにビオチンが欠乏しており、これに由来するブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸の代謝、免疫機能に異常があること、糖尿病、IgA腎症、慢性甲状腺機能亢進症、狭心症、クローン病など代謝、免疫機能に異常がある病気を高頻度に合併していること、ビオチンの投与で掌蹠膿疱症や合併症がともに治ることも見つけました。また、掌蹠膿疱症の病変が皮膚だけではなく、骨や他の組織・臓器にまで及び、合併症の形で発生していることを確認しました。一見無関係のように思われる合併症が同じ原因で発生するのは、クッキー、うどん、パン、麩がそれぞれ全く別の食品のように思われても、小麦粉が原料になっていることと同じなのです。ただ、どの組織や臓器に病変が強く発生するかによって、その表現の形が違うだけなのです。

 さらに実験的にラットやイヌをビオチン欠乏状態にしますと、すべてが掌蹠膿疱症や合併症に似た状態になることも見つけました。

臨床的な特徴

 掌蹠膿疱症の発生に免疫の異常がかかわっています。皮膚の病変としては、手掌、足底を中心に粟粒大から米粒大の無菌性の膿疱様の(膿のような)発疹が多発し、この周囲にAタイプの免疫グロブリン(抗体)が沈着しています。発疹は手背、足縁、足背、四肢、体にも発生しますが、皮膚が厚い手掌や足底に発生する発疹と違って乾癬様になるため、しばしば尋常性乾癬と見誤られることがあります。また、胸骨と鎖骨との間の関節、胸骨と肋骨との間の関節を中心に激しい関節痛を発生します。多くの場合、増悪と寛解(病気が一時的に良くなること)を繰り返しながら、次第に悪化して、痛みのために身動きが出来なくなったり、睡眠もとれなくなったりします。

 骨のX線写真では、皮膚由来の胸骨と鎖骨、胸骨と肋骨の間の関節を中心に骨の肥大、変形、硬化性変化、破壊が認められ、関節の運動が出来なくなります。脊椎には棘ができたり、脊椎同士がつながったりして、病変が進行すると竹筒様の脊椎(強直様脊椎炎)となってしまいます。

 同じ家系内ことに母と子や同胞に発生することがありますが、遺伝的なものではなく、母と子の腸内細菌のタイプが同じなためと思われます。喫煙は病状を増悪するだけでなく、ビオチンによる治療効果を著しく減弱してしまいます。

 掌蹠膿疱症は日本とドイツで始めて発表されたこともあって、アメリカではこの病気気はないといわれ、皮膚科の医学書にも記載はなくなく、尋常性乾癬の一種あるいは関節リウマチの範疇に加えられています。確かに、尋常性乾癬とはきわめて似ていますが、アメリカではこの病気は無いといわれていますが、患者さんが来院されたり、病気の問い合わせが頻繁です。それ以外の国では、しばしば発生の報告があります。掌蹠膿疱症は非常に珍しい病気とされていますが、東京、仙台、秋田と全く関係のない3ヶ所での調査では、500人に患者1人の割合でした。これまで10,000〜20,000人に一人の発生といわれてきましたが、実際にはこのように多いことが分かりました。

生化学的・免疫学的特徴

 ビオチン欠乏に由来する酵素活性の低下と、これによって生じる高血糖、分枝鎖アミノ酸(バリン・イソロイシン・ロイシン)の増加、不飽和脂肪酸の減少が認められます。また、血清α2-グロブリン・β-グロブリンの割合の増加、血清IgA濃度の増加も観察されます。免疫学的にはTリンパ球CD4+ 細胞の増加とCD8+ 細胞の減少、CD4+ 細胞/CD8+細胞と血清ビオチン濃度との間の逆相関も認められます。さらに、骨の病変が著しい場合には、皮膚病変が著しい場合とは異なりTh1/Th2が増加しており、サイトカイン(白血球が分泌するホルモン様の物質)の違いが病像に影響していると思われます。

治療

 ビオチンを一日9〜12 mg(3〜4分服) 投与しますと、1〜2週間以内に胸痛は軽くなり、4週間以内には殆んど消失します。骨のX線像も2〜3年後には正常化します。皮膚の膿胞様の発疹も手掌では2〜3ヵ月以内に、足底では4〜6ヵ月以内に消失します。また、生化学的・免疫学的な異常もすべて改善し、正常化します。糖尿病、IgA腎症、狭心症、クローン病などの合併症も改善・正常化します。整腸剤の一種活性酪酸菌製剤を併用投与しますと、血清中のビオチンを高濃度に維持して、ビオチンによる治療効果を増強します。ビオチン治療による副作用はありません。

 ビオチンは水溶性のビタミンであり、排泄されやすいために必ず一定の時間ごとに服用しないと、欠乏状態になってしまいます。まとめ飲みは治療の意味がありません。また、生卵の白身に含まれているアビジンという蛋白質はビオチンとがっちり結合してしまって、ビオチンを腸から吸収させなくしてしまいますので、卵は加熱してから食べてください。

まとめ

 掌蹠膿疱症の患者さんでビオチン欠乏に由来するブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸の代謝と免疫機能に異常があり、皮膚、骨その他の組織に異常をおこしていることと、ビオチン投与後すべてが改善、正常化することは、掌蹠膿疱症の発病や病状の増悪、合併症の発生にビオチンがかかわっていることを推測させます。

 実験的に作製するビオチン欠乏ラットで観察される皮膚、骨、その他の組織や臓器の性状や生化学的、免疫学的な異常が掌蹠膿疱症の患者の場合に似ていることは、前記の推測を裏付けます。

 ビオチンは腸内細菌によって充分な量が作られていますので、健康な人では殆んど欠乏を生じませんが、掌蹠膿疱症の患者では腸内細菌の構成に異常があり、悪玉菌優位の状態になっているためにビオチンがどんどん食べられてしまい、ビオチン欠乏を起こしていると思われます。多数の患者さんで頻回の下痢が発病に先行していること、抗生剤や活性酪酸菌製剤の併用投与で血清中のビオチン濃度の上昇と高値の維持、治療効果の増強は、腸内細菌の構成の異常が掌蹠膿疱症の発病や病状の増悪に密接にかかわっていることを示しています。尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、エリテマトデス、関節リウマチなどの患者でもビオチン欠乏があり、掌蹠膿疱症の場合と同じように、ビオチン投与が有効な治療法となります。

平成15年5月7日

花と熊ライン




 

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