おしりのお話

人に言えない、おしりのお話しです。 っていっても、ただたんに私の体験談なのです。


ぼくが病院に行ったわけ

もう、あれから1年以上になります。その日、ぼくは友人の岡本君たちと一緒に いつものように職場近くの飲み屋に飲みに行きました。明日は休日だということもあり、 最後はカラオケで明け方近くまで飲んで歌いまくって(しかも野郎ばっかりで)、 気が付くとマンションの部屋で暴睡していました。

しかし、次の日、目が覚めると何かおしりの穴のあたりに違和感を覚えました。 「あれ、何か変やな。しかもちょっと痛いし」と、思いつつも「ま、そのうち気にならんように なるやろ」と軽い気持ちで考えていました。実を言うと、それまでも 時々、大酒飲んだ次の日や、便秘ぎみでちょっときばりすぎた日は、 同じような症状があったのです。でもいつも知らないうちに忘れているので、 その日も、同じやろと軽く考えていたのでした。

し、しかし、次の日起きても違和感は無くならず、それどころか、なんか昨日より 痛くなってるような気がするのです。しかも、うんちをすると、めっちゃ痛くて 出血するのです。「ひぃぃ、どうすべぇ」と思いつつも、痛い部分が部分だし、 病院行って、親友にも見せたことのないしりの穴を医者とはいえ、見ず知らずの 人にのぞきこまれるのは、いやだぁぁと思って、ほっといたのでした。

けど、我慢にも限度があります。2、3日たつと、座ってるだけでめちゃめちゃ 痛いし、それはいいとしても、普段歩いてるだけでパンツに血がついたりするように なってきました。ついに「ほんまやばいわ」と思い、仕事から一目散に帰って 電話帳を調べ、恥ずかしいので家からちょっと離れた場所にある(でも車で10分くらい) M肛門科・胃腸科(病院の名前も恥ずかしいので、あえて胃腸科って後ろに付いてる 病院にした)に駆け込んだのでした。


ぼくが病院でされたこと

病院に駆け込んできたぼくを見て、受け付けのお兄さんは「どうされましたか?」 と聞きました。ぼくは、受け付けの人がお兄さんであったことにほっとしながら、 でもちょっと恥ずかしそうに「あ、あの、、おしりが痛くて出血もしてるんです」 と告白(?)しました。

問診表に記入させられ、すぐに処置室に入るよう言われました。

「なんでやねん!」処置室には、白衣を着た若い女の人が待ち構えていました。 「しもた。この病院、先生女の人なんや」と思い、帰るに帰れずどぎまぎしてると、 「ズボンとパンツひざまで下ろして、そこのベッドに横になって下さい」と命じられ、 もうまな板の上の鯉状態で、おしり丸出しで、ベッドに横になりました。

「痛いですか?」と言う声に、はっと振り向くと、何とそこには男の先生が立っていました。 「なんや、さっきの看護婦さんやったんや」と思い、再びほっと胸をなで下ろしました。
しかし、ほんとの地獄はその後、待ち構えてました。

「出血してるから、応急処置します。だんだん熱くなるけど、ちょっと我慢しといて」 と言われ、「えっ」と思う間もなく、おしりの穴に何か大きいものを突っ込まれました。 そしてそのまま、先生はどっかへ去って行きました。

「おしりの穴に何か刺さってる、、、ずっとうんこしてるみたいやわ。しかもめっちゃ痛いし。 おれ一生ホモの気持ちなんかわからんわ」などと考えてるうちに、 だんだんその刺さってるものが熱くなってきました。

「熱い、熱い。もう抜いて」と叫びそうになった時、先生が戻ってきました。 先生は、その熱いものを抜き、しりの穴をはさみでちょきちょきしました。(ほんとは そんなことしてないと思うけど、あまりの痛さと変な感覚でぼくにはそのように思えた) それからガーゼを貼ってその日の処置は終わりました。

まだ、じんじんするけれど、とりあえず処置が終わったことでほっとしました。 先生はぼくを呼んで、説明してくれました。「かんとん痔核っていって、いわゆる いぼ痔です」と言われました。ふむふむとぼくは聞いていたのですが、最後に 先生が「で、とりあえず今日は応急処置だけしたんだけど、2週間程仕事休んで、 入院して外科的に手術して取っといた方が、絶対後で楽よ。どうします?」 と聞かれたので、入院のことなんてからっきし考えていなかったぼくは、 「え、入院?」と目が点になりました。


そしてぼくは入院した

今まで病気という病気をしたことがなく、もちろん入院など初めてのぼくは、不安と ちょっとした興奮の入り混じった気持ちで病院に足をはこびました。しかし、そんな 感傷的な気分にひたっている時間はほとんどありませんでした。入院してすぐ次の日が 手術の日だったのです。

手術の前の日の晩、ベッドに寝転んでいると、看護婦さんが来て、「明日は手術の日 だからこれを飲みなさい。下剤です」と言われました。 「ジュースに溶かしてあるけど、ちょっと飲みにくいかな」と言われましたが、そんなに 飲みにくいというような事もなく、少し時間がかかったくらいで、その500ml位の液体を 飲み干しました。「早い人で2時間後位、おそくても夜中にはトイレに行きたくなるから がまんせずに行って下さい。おなか弱い人だったら、朝までずっと何回もトイレに 行くことになると思います」と言って看護婦さんは去って行きました。

ぼくは、おなかの弱いのには自信があったので、そう言われるとはなはだ心配になりましたが、 ずっとテレビを見ているうちに、そんなことは忘れてテレビに集中していました。 しかし、下剤を飲んでから、3、4時間たった頃、突然下腹部に激痛がはしりました。 始めは痛いだけでトイレに行きたいという感じはまったくなかったので、我慢していた のですが、激痛がどんどんひどくなるようなので、これはおかしいと思いトイレに 駆け込みました。洋式トイレに座るやいなや、轟音とともにすごい量のうん*が出て、 さっきまでの激痛がうその様になおってしまいました。

それから明け方までの何時間か、何度もベッドとトイレの間を往復しました。 最後の方には、”ほんま、もうおなかの中からっぽや”という感じでした。 明け方うとうとしたかなと思いながら目を覚ますと、もう手術の日になっていました。


そしてぼくは手術された

手術の直前になると、看護婦さんが「これ1枚だけ着て、処置室に来て下さい」と言われました。 ぼくは、まっぱの上にそのひらひらの薄っぺらい緑色の布っ切れみたいな服を着て、 処置室に行きました。

「手術の前に剃毛するからね」と言われ、ベッドの上に横向きに寝かされました。 最初に麻酔の刺入点の腰の毛を剃られるまでは我慢できたのですが、そのあとおしりの穴の 周りの毛を剃られるのは、こそばされ弱いぼくにはどうしても我慢できなくて、 どうしても体がくねくね動いたり、おしりに力が入ってしまいました。

看護婦さんも最初のうちは、「力抜いて」とか「リラックスして」とか言ってたのですが、 しばらくすると、何人か看護婦さんを連れてきて、みんなでむりやり押え込まれて、 毛を剃られました。昔、中学生の頃に、盲腸の手術で毛を剃られたらあそこが立つか どうかみんなで話し合ったことがあったけれども、ぼくの場合だけかも知れないけれども、 絶対に立つことはないなと身をもって知りました。

病室にかえりしばらくすると、手術室に入るよう言われました。 その時点でぼくは、”手術ってどんな格好でするんやろ? はじめの時みたいに横向きやったらいいけど、上向いて足開くのはかなり恥ずかしいな” とそのことが心配になってきました。

手術室に入ると、「じゃあベッドに上向いて寝て」と言われたので、観念して仰向けに寝転びました。 仰向けにベッドに寝転ぶと、ちょうど真上に、よくドラマで見る手術室のでかいライトが 目に入り、”ああ、ぼくはこれからすごい手術を受けるんや”なんて、悲劇のヒロイン(?)に なったような気がしました。

先ず最初に腕に注射され、その後横向きにされ腰に注射をされました。しばらく たつと、腰から下がだんだん痺れた感じがしてきました。そしてだんだんと足に力が 入らなくなっていきました。看護婦さんに「このまま下向いて腹ばいになって」と言われ、 ぼくはほっとして下を向きました。

そうこうしているうちに、先生がやってきました。ベッドが動き、足の方が下がって ぼくは飛び込み台から飛び込む水泳選手の様な格好で(あそこまで体は曲がってないけど)、 おしりを先生の方に突き出すような感じになりました。先生は服をめくって、足をさわって 「しびれてる?」と聞いたのですが、ぼくはちょっとびびって”痛かったらやばい” などとわけのわからない事を考え、「あ、いえ、多分」などと、これもまたわけの わからない答えかたをしてしまいました。

その後、先生は肛門の近辺をさわって「痛くないですか?」と聞いたので、ぼくは 「はい。大丈夫です」と答えました。

手術じたいは、3、40分ほどで終わりました。先生が肛門のあたりを、ちょきちょきし、 ふきふきし、最後に座薬を入れて終わりでした。先生は、「これが取れたやつです。 2ヶ所取ったからね」と言って、切り取ったいぼ痔を見せてくれました。なんだこれ、 というような小指の先くらいの組織でした。

それからが大変でした。看護婦さん達は、下半身がまったく動けないぼくを担架の 上に仰向けに乗せました。そして、「しばらく腰から下がしびれてて、おしっこもできないから、 膀胱まで管を入れておきます」と言って、あそこの先から管を入れられました。 何が恥ずかしいかといって、この時が一番恥ずかしかったです。なんせ、何人も看護婦さんが 見ている前で、あそこ持たれて先から管入れられるんだから、恥ずかしくないわけが ないです。(うらやましがる人もいるかも知れんけど)

その後は、病室のベッドまで運ばれました。ぼくは、緊張と昨晩の睡眠不足から すぐ眠ってしまいました。


その後

眼を覚ましたのは、晩ごはん前でした。まだ、下半身がしびれていたので完全にベッドの 上で起き上がることができず、ほとんど寝転んだまま食べたので、食べた気がしません でした。

しかし、まだそれは序の口でした。起きれないので、その晩は寝るしかなく、すぐに 眠りについたのですが、夜中おしりがじんじん痛みだして目が覚めました。それでも 最初は、麻酔が切れてきているからしょうがないんやとか、しばらく我慢してたら そのうちおさまってくるやろと、思っていたのですが、どうにもこうにも痛くて耐えられなく なって、かなり前から押そうかどうしようかと悩みながら握っていたナースコールを 押しました。

すぐに看護婦さんが来て、ぼくはおしりが痛いことを訴えました。そうして 痛み止めの注射をうってもらい、しばらくすると、少しずつ楽になって眠ることが できました。し、しかし、1時間半程たつと、また我慢のできない痛みが襲ってきました。 おそらく人生でこんなに痛い思いしたことはないんとちゃうかっていうくらいの激痛 なのです。30分程、ナースコールを握って我慢していたのですが、また押してしまいました。 同じように、痛み止めを打ってもらい、また同じように1時間半程たつと、また我慢の できない痛みが襲ってきました。

3度目に呼んだ時に、「これが痛いんかもしれんから」と言って、あそこに入れられていた 管を抜かれました。抜く時は、”あそこが裏向いてひっくりかえったんとちゃうか”って いうくらい変な痛みがはしりました。その後も、痛みはなかなかひかなかったのですが、 一晩に3回も呼んでしまったのでもう呼べないと思い、我慢しました。

次の日は、歩くのも大変でした。なんせ足を動かすと痛くて、歩幅が10cmくらいなので トイレに行くのも一苦労でした。次の次の日は、うん*がしたくなったのですが、 気張るとおしりが痛くて、トイレに行くにも、トイレの中でも苦労しました。 それまでは、普段、何も考えずに生活していたけれど、普通に走ったり、うん*したり できるのって、実はすごく幸せなことだったんだなあと思いました。

結局、ぼくは2週間入院しました。日がたつにつれ、歩いてる時の痛みはほとんど 気にならなくなり、うん*する時も、少しは痛いものの、前ほどの激痛はしなくなりました。 入院生活最後の方は、たばこ吸って雑誌読むのと、テレビしか楽しみがないので本当に ひまでした。