![]()
![]()
![]()
| 木材の乾燥について | 最近の木造建築では木材の乾燥が必要不可欠になっている。 私の現場でも、構造材の含水率は25%以下、造作材は20%以下と指示 している。 木材が乾燥していないとどうなるのか・・・・? 外窓にアルミサッシュが普及して依頼、住宅の機密性は向上した。 空調設備が普及し、室内空気が乾燥状態になっている。 そうなると木材が乾燥していないグリーン材を使うと色々な弊害が見られ るようになってきた。 ・強度の問題 木材は含水率30%以下で強度が高くなる。 木材内部の水分がなくなることで木材は硬くなり強度は上がる。 グリーン材は含水率が100%近くあり、そのまま使うと柔らかく加工 はし易いが強度は低い。 ・結露や腐れ 原木を製材し乾燥していない木材をグリーン材というが、これらの含水 率は概ね100%以上だ。 どうかすると150%とか200%近い含水率を確認することがある。 そのような木材を建築に使用すると室内はもとより壁の中で結露する。 木材が乾燥するときに水分を放出するからだ。 特に壁の中はたちが悪い。 見に見えないのだから、カビが発生したり断熱材が木材の水分を吸収し たり、酷い場合は木材が腐朽したりする。 また木材は含水率が低いほど腐り難くなる。 木材が腐る要因のひとつである水分が少なくなるのだから当然である。 ・木材の乾燥による収縮と変形 木材は水分を放出したら収縮する。 時にはねじれたり、大きく割れたりする。 割れは見た目が悪いが構造強度にはほとんど影響しない。 収縮やねじれは隙間が出来たり仕上材が膨らんだりと影響が出る。 極端な場合は梁組が外れたりして構造的な問題となる。 これの原因は木材の表面部分と芯部分では乾燥する速度が違うこと が原因と考えられる。 急速に乾燥させるとこの減少が顕著に現れる。 昭和40年以前の住まいづくりは木材探しから始まり、木材を入手したら 1〜5年ほどかけて自然乾燥させていた。 そうすることで、木材の狂いを少なくしていた。 現在では機械による乾燥が主流で、木材の狂いも少なくなってきた。 乾燥時間も短縮され製材所や木材店で簡単にてに入るようになってきた。 木材を乾燥することで上記のような問題はほぼ解消できる。 さらに木材が持っている本来の強度は30%以下に乾燥した状態で発揮さ れる。 最終的に平行含水率近く(15%前後)までになるように木材の乾燥を行 うことが必要である。 |
|||
| 強制乾燥 | 強制乾燥はいくつかの方法がある。 蒸気による乾燥が一般的で、その他に高周波、熱風、真空などがあり、こ れらを併用する場合もある。 含水率を25%以下にする為には約2週間前後の時間が必要だ。 又最近、強制乾燥と自然乾燥を組み合わせた方法が開発され、木材の繊維 を痛めることなく木の外見にも変化が無いとされている。 この方法は強制乾燥に1〜2週間、自然乾燥に約3ヶ月程度の時間を必要 とする。 これらの方法で、含水率25%以下に乾燥させたものをKD材として市場 に供給している。 しかし、強制乾燥には問題もありそうだ。 それは、木材の繊維状況が変化すること。 大工が加工するときに、鑿を入れると断面がグズグズ(潰れ現象)になる 鋸を入れると切り口が鋸を締め付けて切りにくい、もろい感じがする、退 色が見られるなどである。 以前公的機関に確認をしたことがあるが、以前の高温蒸気乾燥ではそのよ うな傾向が確認できたが、蒸気乾燥後に自然乾燥をしたものでは確認でき ないということであった。 しかし、色々な乾燥方法の木材を使ってきたがやはり問題がありそうだ。 今すぐどうなるのかは分からないが今後追跡確認を行おうと思っている。 |
|||
| 自然乾燥 | 自然乾燥はその名前の通り、木材に機械的な乾燥手段を使わず自然に乾燥 していくのを待つ方法である。 昔の木造建築では当たり前のように行われていた。 方法はいくつかある。 伐採時に枝葉をつけたまま葉が枯れるまで山に放置しておく『葉枯らし』 を行うか、枝を切り落とし伐採期が終わるまで山に放置する。 その後、長さを所要寸法に切って山から搬出し製材所で盤木又は所要寸法 +αで荒挽きし、1年ほど寝かせる。 又は、伐採後直ぐに所要長さに切って山から搬出し、原木のまま貯木場に 1年〜2年ほど寝かせた後に製材をする。 原木を1〜2ヶ月ほど水に浸けてから、貯木場で1〜2年寝かせた後に製 材をする。 などの方法がある。 これらの方法は時間がかかる。 木は11月後半から2月後半までの3ヶ月位が伐採に適する時期で、その 後1年以上かかって製品として工務店に納入される。 乾燥後、木の繊維には変化は見られず、大工の加工時の問題も無い。 外観も綺麗である。 時間がかかるということを欠点と考えずに、良い物を入手する為に必要な 時間だと考えられないか。 そうすれば、良質の乾燥した木材が供給でき、消費者は安心して木造建築 を選べるのでは無いだろうか。 |
|||
| 考察 | 私が『庄内・五ヶ瀬の家』で経験したのは、伐採後枝葉を落とし2ヶ月間 山に放置し、必要長さに切って製材所に搬送し荒挽き後、1年ほど製材所 で寝かせた後に製材、大工が木材加工をした。 荒挽き時には100〜150%ほどあった含水率は、1年後20〜35% 程度まで落ちていた。 大工の加工作業時、鑿や鋸の切れ具合や断面の状況を確認したが、問題は なかった。 外見では木が持つ本来の色 (淡いアイボリーの白太、薄いピンク色の赤 太)が確認できた。 木材割れについては強制乾燥、自然乾燥共に確認できた。 しかし、自然乾燥の方が一筋の自然な割れだったように感じる。 強制乾燥では無理に裂けたような割れを確認した。 自然乾燥の木材では、杉の匂い、桧の匂いが確認できた。。 強制乾燥では樹液が沸騰する為、香ばしいような焦げた匂いが鼻を衝くこ とがある。 このことを考えると木材にとって 『自然乾燥』 がベストな乾燥方法であ る。強制乾燥はあくまでも間に合わせでしかないのではないかというこ と。 このことを木を提供する側と、木を使う側は認識する必要がある。 短期間で大量に木材を供給しようとすることは考え直さなければならな いのではないだろうか。 もっと時間をかけて、人(職人)の手でしっかりとつくることが木造建 築の寿命を長くすることに繋がると思う。 構造材の断面を大きくしたり、床の高さや防水方法などを厳しく規定す ることよりも、木材の自然乾燥を促進させることの方が100年もつ住 宅を供給する上では重要なことだと考える。 文献や木材関係のネット情報を見ていると、早く工事を終わらせる為に 時間を節約することばかりが目的とされているが、建築主の求めている ものとは違うのではないだろうか? 自然乾燥した建築用材を常時市場に提供できるシステムをつくり上げる ことの方が重要であるような気がする。 自然乾燥を第一に考え機械乾燥を補助的な手段とし、製材所又は木材店 に自然乾燥材をストックすることが出来れば・・・ その手段を検討することが求められていると思っている。 |
|||
施主と山や製材所を見学 |
||||
| 間伐予定林の見学 (林業経営者の説明を聞く) |
製材所の見学 (製材所の社長の説明を聞く) |
|||
| 機械乾燥による木材加工の流れ | ||||
|---|---|---|---|---|
| 原木検査 (年輪の詰り具合、表面の瘤、変形などを確認) |
製材 (原木を荒ワキする) |
|||
| 乾燥釜に入れる前 (初期に高温にしその後は低温で乾燥させる) |
乾燥前の含水率 (111.0%) |
|||
| 乾燥後の木材検査 (製材所、工務店立会い) |
木材端部のシミ (高温乾燥時に樹液が染み出たと思われる) |
|||
| 含水率11.0% フラッシュが移って見えませんが・・・ |
||||
| 小口面が異常なもの (潰れが現れたもの) |
小口面が異常なもの (潰れが現れたもの) |
|||
| 小口面が正常なもの (切断面が滑らか) |
小口面が正常なもの (切断面が滑らか) |
|||
| 墨付け作業 (大工棟梁の手作業) |
仮組み作業 (継手) |
|||
| 仕口加工 (大工の手作業) |
仕口加工 (大工の手作業) |
|||
| 自然乾燥による木材加工の流れ | ||||
|---|---|---|---|---|
| 伐採の様子 (チェーンソーで) |
伐採後 (50年生) |
|||
| 集材 (桧材) |
集材 (杉材) |
|||
| 製材 (画像がピンボケで・・・) |
製材後 含水率120%前後 (板材用盤木) |
|||
| 自然乾燥の様子 (下屋で1年間放置) |
自然乾燥後の木材 (修正製材済み) |
|||
| 機械再乾燥の木材 (自然状態で乾燥不足のものを強制乾燥) |
自然乾燥後の木材 (修正製材済み) |
|||
| 自然乾燥後の含水率 (桧 23.0%) |
自然乾燥後の含水率 (杉 28.0%) |
|||
| 加工後の小口 (切断面が滑らか) |
加工後の小口 (切断面が滑らか) |
|||
| 墨付け作業 (大工棟梁の手作業) |
墨付け作業 (大工棟梁の手作業) |
|||
| 仕口加工 (大工の手作業) |
継手加工 (大工の手作業) |
|||
□ □ □ □ □ Architect office
"Koma・archiworks" □ □ □ □ □