木材供給システム

■木材について思うこと
最近、木造住宅の設計・監理をしていて良く思うことは『木材の出所』を施主にお知らせすることが必要ということです。ほとんどの施主は、施工業者と工事契約を行った後木材については施工業者任せです。私は監理をしているので、何処の製材所又は木材店から出荷されたものというところまでは把握をしています。しかし、「原木は何処から来たのか」というところまではなかなか把握は出来ません。製材所に訊ねて概ねは把握できるのですが・・・

       

■なぜ『木材の出所』が必要か
木材には杉、桧、松といった材種というものがあります。
これは良く知っていることだと思います。しかし、それぞれの材種には品種というものがあります。杉を取ってみても「アヤスギ、ヤブクグリ、シャカイン、タノアカ、ヒノデ・・・」など沢山あります。
桧にしても「ナンゴウヒ、美祢、那珂、豊浦、佐波・・・」などがあり、それぞれに番号が付されているものまであります。
それぞれの品種で少しずつ性質が違い、スギの場合建築用材の中でも構造材に適したもの、造作材に適したものなどがあることが分かってきました。それは、年輪巾が狭く、密度、ヤング係数共に構造材として使えるとか、年輪巾が広く構造材には向かないが見た目が綺麗なので造作材として使えるということになるのです。

さらに、伐採の時期も木材の特性を生かすためには重要なポイントになります。
成長が盛んな時期に伐採をすると、水分が多く適切な含水率まで乾燥するのに時間がかかりますし、光合成による養分も沢山蓄えているため、虫がつきやすかったり、腐朽の原因にもなりかねません。
一般的には木の成長が止まる11月から2月位までが、建築用材の伐採の時期になります。
この時期は、昆虫の活動も見られなくなり、害虫が付く心配が少なくなります。

これらを防ぐため、
・木材の産地、生産者
・伐採時期
・製材所と製材時期
・乾燥の方法
などの出所情報を明確にする必要があるのです。

       

今の木材流通のシステムはいくつかありますが代表的なものは

@山主が木材を伐採、又は代理人が木材を伐採
A木材市場に出荷(セリ、製材所、木材商に出荷)
B製材業者が買取り製材(木材商が買取った場合は製材所に出荷後、製材所が製材)
 ※製材業者が乾燥する
C木材市場に出荷
D木材問屋が買取り販売
E木材店が買取り販売
F施工業者に納品
G木造住宅工事

となります。
中にはC,D,Eが省略される場合もありますが、それでも幾つかの工程を経ています。

木材市場に入った段階ではまだ木材の出所は分かっていますが、競りにかけられ製材所や木材商に渡った時点から出所は不明確になってきます。ましてや品種にいったってはあやふやなままです。年輪や木の姿を見ればある程度憶測は出来るのですが・・・

木材の流通経路を簡潔にすることで、出所が明確になるとともに、流通コストの削減にも繋がるのではないかと考えています。

■木材の出所を明確にする
以上のようなことを考えると、農産物と同じように林業製品も生産地を明確に表示する必要があると考えられます。
特に「○○杉」と銘打って差別化している木材については特にそのようなことがいえます。

そこで、各地の山主と連携して、施主が直接木材を買取るシステムを確立する必要があると考えています。
施主及び設計事務所に山主が分かっていれば木材の出処が分かることになります。
当然樹種とその品種もです。

       

その仕組みの概要は

@出所確認のできる無垢の木材を使った住まいづくりを希望する施主の募集
Aプロディユースする設計事務所が施主と設計・監理契約を締結する。
B設計事務所は施主の建築予定地になるべく近い山主に伐採依頼をする。
(山主は伐採計画を立て、施主を伐採計画地に案内し木を見ていただく)
C設計事務所は製材所に製材及び乾燥計画の確認を行い、製材と乾燥を依頼する。
(施主を各工程で製材所に案内し木材の状況を見ていただく)
D出荷証明書の作成
E設計事務所はB、Cの段階も含め施主と共に設計計画を行う。
F設計が完了したら施工業者を選定する。
G施工業者が決定したら施工計画を行い、木材を納品する。
H工事着手(設計事務所は工事監理着手)
(プレカットを使わず、職人技術の継承のため、職人による手作りの住まいづくりを行う。)
※運送経路の削減により運搬費の軽減
(経費の削減により山主の木材販売価格の適正化)

この方法には以下のようなメリット・デメリットがあります。

■メリット
・木材の履歴が明確になり、材料の適材適所の使用が出来る。
・自然乾燥することで、色合い、匂いなどが木材が本来持っている特性を生かせる。
・生産地の見学等により、建築主の安心感を得ることが出来る。
・流通経路を短縮することで、運送費やマージンなどを削減でき、それを自然乾燥の経費に回せる。
・強制乾燥による木材の繊維破壊、色落ち、独特の木酢臭が無い。
・林業の活性化により、山林の保護育成が可能となり、CO2削減に一助になる。

       

■デメリット
・木材準備に時間がかかり、契約から完成引渡しまで概ね3年程かかる。
・建築主は手持ち資金の準備が必要(概ね工事費の20%以上)
・自然乾燥の場合、木材に割れが生じることがある。
・気象条件によっては自然乾燥の時間が延長される場合がある。

木材の準備に1年半ほどの時間がかかりますが、その間に住宅の基本設計・実施設計などに当てることで、納得のいく住まいづくりが可能になります。
また、山の見学会や製材所の見学会などを通じ、ご自分の家に使われる木をしっかり確認することも出来ます。

以上の内容を、林業家、製材所等に説明、理解を求めてきましたところ、日田市内の林業家、製材所より協力をしてもらえるようになりました。
そこで、今年、以下のように実行いたします。


 
『独楽・アーキワークス’s プロデュース 日田杉で住まいづくり』
無垢の木は自然乾燥しなくっちゃ・・・

上に紹介したように、木材の履歴管理を行い、自然乾燥した木材を使って家づくりをご希望の建築主
を募集しています。

募集内容の概略は次の通りです。

@募集戸数
 毎年5軒程度

A条件
 ・1戸建ての住宅をご希望の方
 ・敷地の準備が出来ている方
 ・工事予算の20%程度の自己資金が準備できてる方
 ・自然乾燥の場合、住宅引渡しまでに3年ほどの期間がかかります。
  ※人工乾燥材をご希望の方はお問合せください。

B募集期間 
 毎年9月末日まで
 その年の伐採期及び、原木の準備が間に合う場合はOKとします。
 間に合わない場合は翌年に回ります。

C工事費  
 予算(工事費)に応じて設計を致します。
 工事費の目安としては、木造2階建て 100u(30坪)程度で約1800万円〜
 ※予算は建築主ご提示の設計条件により、設計仕様の変更により対応します。
 ※設計・監理料、確認申請等手数料(計約7.5万円)、エアコン、カーポート等を除く。
 ※設計監理料は別途とし、約120万円からです。(プロデュース料30万円別途)
  下記サンプルを参照してください。


Dサンプル
 総工事費2000万円のサンプルです。(外構工事費100万円含む)


 ・サンプル平面図
 ・サンプル立面図
 ・サンプル見積書
 ・サンプル概要
 ・サンプル模型

 ※サンプル中の価格は大分県日田市近郊においての価格とします。

E仲間
 ・林 業 権藤林業 権藤竜樹 日田市源栄町
 ・製材業 亀川集成(株) 佐藤典介 日田市亀川町
 ・林 業 マルマタ林業(株) 合原万貴 日田市隈2丁目 ← 
  ※23年4月マルマタ林業の合原万貴さんが参加してくれました。

F依頼引受地域
 ・大分県全域
 ・福岡県全域
 ・熊本県内(日田市より2時間程度の範囲)
 ・佐賀県内(日田市より2時間程度の範囲)
 ・その他地域(お問合せください。)

 詳しい内容は独楽・アーキワークスまでお問合せください。

  ■ 電話  0973.22.8531(携帯電話 090.3410.4659)
  ■ メール 右のアイコンをクリックしてください。
 

なお、サンプルのコピー、流用その他、当HP管理者の利益を害する行為は禁止です。



流通・品質などを考えた木材供給システムの紹介
 豊の森と住まいを結ぶ
 ネットワーク

大分県中津市で、山主、製材所、設計事務所などが連携し目に見えるづくりのネットワークを構築していくことを目的に以下のように活動している。

・地元の木を使う
・木材の加工や流通過程を確認
・優れたデザイン
・職人による手作りの住まい

1号事例
『えがおの家 ぱーとU』
大分県日出町大神
設計・監理 独楽・アーキワークス 藤原直樹
施工 (株)浅野建設 浅野健治

      

※こちらのシステムでは木材の供給を受けることが出来ます。
詳しくは独楽・アーキワークスまでご連絡ください。

 


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