FAQ
よくいただくご質問をまとめてみました
疑問がございましたら、まずお読みください

Medical Malpractice Information Center


 医療事故情報センターについて
Q1 何をしているところですか。
Q2 運営しているのは誰ですか。
Q3 会員制度とは何ですか。
Q4 医療事故情報センターのサービスを利用するためにはどうすればいいのですか。
Q5 どんな情報があるのですか。情報の公開はしていますか。
Q6 定期的に情報を得るためにはどうすればいいのですか。
 医療事故の相談について 
Q12 医療事故ではないかと思うのですが、どこに相談すればよいですか。
Q13 各地の窓口ではどのように相談を実施していますか。
Q14 電話だけで相談はできますか。
Q15 どの窓口に相談したらよいのか分からないのですが・・・。
Q16 私の住んでいる地域には、相談窓口が設置されていないようですが・・・。
Q17 医療事故情報センターに医療事故の相談を直接依頼することは出来ますか。
Q18 ずいぶん前のことなのですが、時効になっていませんか。
Q19 病院がカルテを書き換えるのではないかと不安なので、強く開示を求めるべきでしょうか。
Q20 相談窓口で相談をする場合に、カルテが必要になりますか。
Q21 家族が医療事故に遭って亡くなりました。原因解明の為に解剖を行った方が良いですか。
Q22 解剖にはどんな種類がありますか。
Q23 病理解剖はどこで行えばよいですか?事故を起こした病院で行うのは気が進みませんが・・・。
 弁護士について 
Q24 弁護士に依頼するとお金はどれくらいかかりますか。
Q25 証拠保全に必要な費用はどれくらいですか。
Q26 弁護士と良い関係を築くコツを教えてください。
Q27 弁護士に相談に行く前に、病院に資料(カルテ等)を請求した方がよいでしょうか。
Q28 弁護士に相談したら、必ず裁判をすることになりますか。
Q29 近くの弁護士に依頼すると、病院と繋がりがあったりしませんか。
Q30 現在、弁護士に依頼中ですが、意思の疎通がうまくいかず困っています。どうしたらいいでしょうか。
Q31 弁護士に依頼したいのですが、経済的に余裕がありません 救済措置はありますか。
Q32 面談までにしばらく時間がかかると言われましたが、大丈夫でしょうか。
 医療事故裁判について 
Q33 医療事故裁判はどのように進みますか。
Q34 裁判の期間はどれくらいですか。
Q35 損害はどのように計算されますか。
Q36 鑑定費用はいくらくらいかかりますか。
Q37 仕事を休んでも裁判には出席しなければなりませんか。
Q38 勝訴率が他の裁判に比べて低いと聞きましたが、どうしてですか。
Q39 裁判に負けたら、相手方の弁護士費用も負担しなければならないのですか。
 その他 
Q40 医療事故かどうか判断してくれる医師を紹介してもらえますか。
Q41 現在かかっている病院の診断内容に不安を感じているのですが、他の病院を紹介してもらえますか。
Q42 弁護士に相談をするところまでは考えていませんが、病院の対応に強く憤りを感じています。苦情を受け付けてくれるところはありますか。
Q43 医師賠償責任保険とはどういうものですか。
Q44 医事紛争処理委員会とは何ですか。
Q45 医療事故だと思ったら、警察に訴えればよいのではありませんか。
Q46 カルテ開示を求めるにはどのようにすればよいですか。
Q47 カルテの開示を求めましたが、断られました。どうしたらいいでしょうか。
Q48 基本的な医学の知識を身に付けるにはどんな方法がありますか。
医療事故情報センターについて 
Q1 何をしているところですか。
A1
医療事故の再発防止、医療被害者の救済等のため、医療事故に関する情報を集め、医療過誤裁判を患者側で担当する弁護士の相互の連絡を密にして、各地の協力医を含むヒューマン・ネットワークづくりを通して、医療過誤裁判の困難な壁を克服することを目的とする団体です。詳しくは沿革をご覧下さい。
Q2 運営しているのは誰ですか。
A2 医療事故情報センター正会員である弁護士の中から役員を選出し、運営にあたっています。
Q3 会員制度とは何ですか。
A3
正会員・維持会員があります。会員の種別により利用できるリクエストに制限がありますので、詳しくは入会案内をご覧ください。
Q4 医療事故情報センターのサービスを利用するためにはどうすればいいのですか。
A4
サービスの利用に必要な会員資格を取得の後に、専用の申し込み用紙にてリクエストの受付を致します。詳しくはリクエストガイドを覧下さい。
Q5 どんな情報があるのですか。情報の公開はしていますか。
A5
類似事件・類似判例検索、鑑定書・判決書・和解調書・訴状のコピー提供、症例カードによる情報提供などを行っています。ただし、情報提供は正会員に限らせていただいておりますので、ご了承ください。なお、一般に公開可能な情報は、センターニュース症例報告集等の書籍を発行して掲載しています。
Q6 定期的に情報を得るためにはどうすればいいのですか。
A6
月刊誌センターニュースをご購読ください。ドクターインタビュー、弁護士リレーエッセイ、判決速報、症例報告、和解・示談情報などを掲載しております。
(年間購読料3,000円)
医療事故の相談について
Q12 医療事故ではないかと思うのですが、どこに相談すればよいですか。
A12 全国各地に患者側代理人として医療過誤事件に取り組む弁護士のグループ・研究会が窓口を設けていますので、そちらにお電話下さい。

医療事故相談センターのページもご参照ください。
Q13 各地の窓口ではどのように相談を実施していますか。
A13 電話等で相談の依頼を受けた場合には、事案の概略などを書いてもらうための調査票をお送りし、記入された調査票を拝見してから、直接の面談相談の日取りを決めるという流れが一般的だろうと思われますが、相談窓口によって取扱いが異なりますので、詳しくは各地の相談窓口連絡先に直接お問い合わせ下さい。
Q14 電話だけで相談はできますか。
A14 各地の相談窓口で取扱いは異なりますが、電話口で医療事故の複雑な事実関係を把握しながらその場で回答を行うことは不正確さなどが伴います。そこで、各地の相談窓口では、電話によるお問い合わせに対しては相談方式をご説明するにとどめ、調査票による事前調査の後に直接面談して詳しいお話を伺うという方式を採用していることが一般的と思われますのでご了承下さい。
Q15 どの窓口に相談したらよいのか分かりません。
A15 相手となる医療機関が遠隔地にある等といった事情で、どの相談窓口に相談したらよいか分からないような場合は、医療事故情報センターにご相談下さい。
Q16 私の住んでいる地域には、相談窓口が設置されていないようですが・・・。
A16 弁護士グループによる相談窓口が設置されていない地域では、個人で医療過誤事件に取り組んでいる弁護士がいますので、医療事故情報センターにお電話いただければ、適宜ご紹介いたします。
Q17 医療事故情報センターに医療事故の相談を直接依頼することは出来ますか。
A17 医療事故情報センターでは、個別の医療事故の相談を直接受けていませんので、ご相談をいただいた場合は、上記の要領で各地の相談窓口連絡先や個人の弁護士をご紹介しています。
Q18 ずいぶん前のことなのですが、時効になっていませんか。
A18 医療事故の場合、医師などに対する損害賠償請求には、債務不履行を理由にする場合と不法行為を理由にする場合とが考えられます。前者の場合には債権を行使可能な時から10年で時効消滅します。後者の場合には被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年で時効消滅します。また、後者の場合は、損害や加害者を知るかどうかに関わらず、事故の時から20年が経過すると請求できなくなります。

なお、時効になっているかどうかを正しく判断するには法律の専門知識が必要になりますので、正確には各相談窓口を介して、弁護士に直接質問してみてください。


■医療事故ではないかと思ったら 時効について もご参照ください。
Q19 病院がカルテを書き換えるのではないかと不安なので、強く開示を求めるべきでしょうか。
A19 医師から説明を受ける際にカルテを示してもらえるよう申し入れてもよいと思いますが、あまりカルテの開示を強く求めると、かえって医師や病院側に警戒感を抱かれ、かえってカルテの改ざんや廃棄を誘発するおそれもありますので、注意が必要です。

■カルテの改ざんとは? 医療事故関連用語集
Q20 相談窓口で相談をする場合に、カルテが必要になりますか。
A20 最初の相談では特に必要ありません。むしろ、弁護士に相談しないまま、カルテの入手を試みると、医療機関側の改ざんなどを誘発する危険がありますので、ご自身での無理な交渉は避ける方が望ましいです。
Q21 家族が医療事故に遭って亡くなりました。原因解明の為に解剖を行った方がよいですか。
A21 解剖を実施すると、亡くなられた原因が直接的に判明することも多く、後日の原因調査のために役立つことが多く、解剖が実施されている方が望ましいです。
Q22 解剖にはどんな種類がありますか。
A22 解剖には、司法解剖、行政解剖、病理解剖の3種類があります。

司法解剖は、犯罪による死亡(医療過誤の場合は業務上過失致死)の疑いのある場合に行われます。
行政解剖は、伝染病、中毒又は災害よる死亡の疑いのある死体その他死因の明らかでない死体の死因を明らかにするために行政上の目的で行われます。病理解剖は、医学の教育や研究のために行われます。
司法解剖、行政解剖を実施する場合は遺族の承諾は不要ですが、病理解剖を行う場合は遺族の承諾が必要となります。

司法解剖や行政解剖を行うには、まず所轄の警察署に相談をしてみてください。
病理解剖は、事故の起きた病院や他の大学病院などにおいて行うことになりますので、医師の側から申し出のない場合は、遺族の側から申し出ることが必要になります。なお、病理解剖を行う場合は、10万円前後の費用がかかることがありますので、詳しくは解剖を担当する医療機関にお問い合わせ下さい。
Q23 病理解剖はどこで行えばよいですか?事故を起こした病院で行うのは気が進みませんが・・・。
A23 別の病院で病理解剖を行うことが出来るのであれば、それが望ましいことは間違いありませんので、病理解剖を行う場合は、他院で解剖を行うよう申し出ることが望ましいと思います。
しかし、受け入れ先がない等の理由で他院での病理解剖を実施し得ない場合は、事故の起きた病院で解剖を行うこともやむを得ない場合があります。

事故を起こした病院の判断を信用できないと感じられることもあると思いますが、病理解剖を実施しておけば、後日になって第三者の医師に標本の検討などを依頼するということが可能になる場合もありますので、その病院で病理解剖を行うことが無意味というわけではありません。原因究明の点からは解剖が実施されていることが望ましいのは上記の通りです。


なお、九州では患者の権利オンブズマンが九州大学法医学教室と提携して承諾解剖支援事業を実施しています。
弁護士について
Q24 弁護士に依頼するとお金はどれくらいかかりますか。
A24 医療事故についての弁護士に対する依頼事項には、1)相談→2)カルテの証拠保全→3)示談・調停・訴訟という流れが一般的です。

弁護士によって費用はまちまちですが、一般的には、相談料が30分5000円程度、カルテの証拠保全は弁護士費用が20万円〜30万円程度(他に実費がかかります)ということが多いようです。示談・調停・訴訟に掛かる費用は請求金額に応じて弁護士会のさだめる標準に準拠して決まることになります。
具体的には、依頼する弁護士によく確認してみてください。


■日本弁護士連合会ホームページ 弁護士報酬のご説明 もご参照ください。
Q25 証拠保全に必要な費用はどれくらいですか。(2004.1.1現在)
A25 上記の弁護士費用の他に、申立書に添付する印紙代(500円)が必要となります。
また、証拠保全の際にはカルテの写しの作成(紙のコピーや写真撮影による複製)を行いますので、コピー費用や写真撮影費用等の実費が掛かります。
その他には、交通費等がかかります。
詳しくは依頼される弁護士からよく確認してください。
Q26 弁護士と良い関係を築くコツを教えてください。
A26 弁護士との間では、事件処理の方法や結果の見通し、費用等について、双方で誤解がないように十分話し合っておくことが重要です。わからないことがあったら遠慮せず質問しましょう。
弁護士には、法律によって守秘義務(秘密を守らなければならない義務) が課せられています。安心して自分に不利なことも含めて事実関係を全て正確に弁護士に話してください。

また、依頼したのだから一切お任せではなく、自分が何を望んでいるのかをきちんと弁護士に伝え、積極的に資料を提供したり、協力して事件の解決にあたろうとする姿勢も必要です。


センターニュース連載 加藤良夫弁護士「医療過誤訴訟に勝訴するための条件」より

代理人等と依頼人の信頼関係が形成しがたい場合には、事案そのものの評価にも影響を及ぼしかねないし、それぞれの役割をうまくはたして文字どおり二人三脚で訴訟を遂行できるような時には、良い結果に結びつきやすい。依頼人の存在は、事案そのものに大きくかかわる。
--------------------------------(中略)--------------------------------
このケースでは依頼人、とりわけ患者の父親の存在・役割は極めて大きなものであった。医療事故が発生してから、父親は手帳に記録を残すようにしていた。事故後主治医等は父親らに対し何度か経過説明や病状説明をしていたが、その時々の説明の内容は詳細に記録されていた。文章力もあり、手帳を基に詳しい陳述書を作成した上で法廷でも供述された。
--------------------------------(中略)--------------------------------
弁論期日の10日位前には「公判の日が近付きました。私は仕事の都合で出られませんが、よろしくお願いします。」といった手紙が届けられ、その中には気付いたことや疑問点なども簡潔に付記されていることもあった。依頼人が弁護士との信頼関係を基礎にして、まさに「二人三脚」で訴訟に参加していこうとされる姿勢には好感を持つことができた。

■医療事故ではないかと思ったら 弁護士との付き合い方 もご参照ください。
Q27 弁護士に相談に行く前に、病院に資料(カルテ等)を請求した方がよいでしょうか。
A27 むしろ弁護士に相談するまでは極力請求を避けた方が無難です。
近年、カルテ開示の自主的な取り組みは進んできましたが、未だカルテの開示は法律上の義務とはなっていませんので、あなたがカルテの写しを求めても病院は拒否することが可能です。カルテの写しを求められれば病院側としては今後あなたから責任が追及されるかも知れないという危機感が募りますので、カルテの書換などがなされる危険が高まります。初回の相談の際に依頼者がカルテを持参していることの方が稀ですので、手元になければそのまま弁護士に相談し、どのようにカルテを入手すればよいかを相談してみてください。
Q28 弁護士に相談したら、必ず裁判をすることになりますか。
A28 必ず裁判をすることになるわけではありません。

相談を受けた段階では、もっとも大切な資料であるカルテの内容が分かりませんので、ミスがあったと言えるのかどうかを検討するために証拠保全によってカルテを入手するかどうかを依頼者と弁護士で話し合うことになります。ここで依頼者の方が証拠保全を依頼しなければ、相談だけで終了と言うことになります。ご相談の内容がカルテを取り寄せるまでも無く法律的に過誤と評価することが困難な場合には、証拠保全を行うことを弁護士側から断ることもあります。
また、証拠保全によってカルテを入手し、いろいろと調査を進めた結果、訴訟を起こせない、訴訟を起こさないという結論に至るケースもあります。

このように訴訟に至るまでには、いろいろな相談や調査を徐々に進めていくことになりますので、全て訴訟となるわけではありません。
Q29 近くの弁護士に依頼すると、病院と繋がりがあったりしませんか。
A29 心配はいりません。
その病院の側で依頼を受けている弁護士は、原則として、その病院で起きた事故について患者さんの側で依頼を受けてはならないこととなっています。また、相手方からの働きかけを受けて不利な事件処理を行うこともできません。万一そのようなことがあった場合は懲戒の対象となります。
ですから、近くの弁護士だからということによる心配はありません
Q30 現在、弁護士に依頼中ですが、意思の疎通がうまくいかず困っています。どうしたらいいでしょうか。
A30 まず、疑問に感じている点について、十分に話し合ってみることが必要です。自分の気持ちを理解してもらえていないと感じている点を、弁護士に十分に説明してみてください。弁護士は並行して多数の事件を抱えている関係で、多忙の場合には電話ではゆっくりと話を聞く余裕のないこともありますので、電話口では面会のアポイントメントを取るにとどめ、面会の際に伝えたいことを事前にメモを作りFAXしておく等の方法を採る方がスムーズに進むこともあります。

なお、裁判の場では、裁判官に納得してもらえるように言い分を整理しなければなりませんので、依頼者の方のお気持ち全てを整理せずに訴訟の場に持ち出すとかえって不利になることもあります。そこで言い分を法律的に整理しなければならないのですが、依頼した弁護士が言い分を聞いてくれないと感じた場合には、その弁護士が主張を法律面から整理しようとしているのではないかという観点から、意思の疎通が出来ない原因を見直してみることが必要となる場合もあります。

弁護士と依頼者との人間関係には、一言では言い切れない「相性」の良し悪しもありますので、十分に話し合ってみたけれどやはりうまく意思疎通できないというときには、他の弁護士に相談して、その弁護士の事件取扱いの方針が正しいのかどうか意見を聞いてみるということも良いかもしれません。
Q31 弁護士に依頼したいのですが、経済的に余裕がありません。救済措置はありますか。
A31 相談料については、初回無料としているところもありますので、各相談窓口にお問い合わせ下さい。
また、法律扶助協会では、一定の収入を満たさない方に対する費用の貸し付けを行っています。詳しくは法律扶助協会(本部代表電話03-3581-6941)にお問い合わせ下さい。
なお、訴訟を提起した場合の裁判所に納める費用(訴状に貼付する印紙代など)を、訴訟終了まで支払いを猶予する制度(訴訟救助)もあります。
詳しくは弁護士との相談時に質問してみてください。
Q32 弁護士との面談までにしばらく時間がかかると言われましたが、大丈夫でしょうか。
A32 できる限り早期に面談が出来ることが望ましいですが、近年の医療過誤訴訟の急増に伴い、相談依頼が殺到し、初回の面談相談まで時間がかかることもあるようです。基本的には順番を守っていただく必要がありますが、時効等の点でどうしても急ぐ必要があると思われる場合は、相談窓口にて事情を説明してみてください。

■時効については別項(Q18)をご参照ください。
医療事故裁判について
Q33 医療事故裁判はどのように進みますか。
A33 訴訟は事案によって一つ一つ進行が異なりますので一概には言い切れませんが、一般的には次のような流れで進みます。

1)争点整理の段階
 まず、最初は、原告(=被害者側)が訴状を提出し、被告(=医療機関側)が答弁書を提出し、更に双方が準備書面で事実経過や法律的主張を行って、争点の整理をします。双方が書面で主張を行いますので、裁判所での手続きは1期日あたり5〜10分程度で終了することがほとんどです。カルテや医学文献と言った書証もこの段階で提出していくことになります。
 期日の間隔ですが、双方で相手方の主張を踏まえ必要な調査や準備をして書面を作成する必要がありますので、だいたい1ヶ月強から2ヶ月弱くらいの間隔でその都度指定されることが一般的と思われます。

2)証人調べの段階
 争点の整理が進んだ段階で、医師、看護婦、患者やその家族といった証人を裁判所に呼び出して、証人尋問を行うことになります。誰を呼ぶか、何分くらい質問するかという点は事案や証人の重要度などによって異なります。最近では1期日において複数名の証人を一気に調べるということも多くなっています。

3)鑑定の段階
 ここまでの段階で、裁判所が争点について判断可能であるということになれば、次に説明する和解や判決の段階に移ります。しかし、医学上の専門的な問題などについての判断が困難であると言う場合には、原告や被告の申請によって鑑定が行われることがあります。 鑑定人に選任された医師は、鑑定書という書面によって、裁判所が判断するために必要な医学的知識を説明します。その内容について質問したい場合には、裁判所で鑑定人に対し尋問を行うこともあります。

4)和解の段階
 裁判が進行中はいつでも和解をすることが出来ます。一般には証人調べが終了した段階や、鑑定書が出された段階で、裁判所から和解の勧告がなされることがよくあります。もちろん原告や被告の側から和解を求めることもあります。
 和解は、お互いに譲歩して話し合いで解決をはかるというものですので、話し合いが付かなければ打ち切りとなります。

5)判決の段階
 裁判所が事案を理解し、証拠に基づいて判断を下せるという段階になると、弁論は終了し、判決が言い渡させることになります。
 1審の判決には不服の申立が可能です。2審(控訴審)では、事実の主張や証拠の提出も継続的に可能ですが、一般に1審よりは主張立証が事実上制限されることが多くなります。また2審が終了すると、3審(上告審)では原則として法律上の主張しかできないので、より制限的となります。1審において全力を尽くすことが何より大切です。
Q34 裁判の期間はどれくらいですか。
A34 最高裁の統計では、医療過誤訴訟の1審の平均審理期間は約3年です。従って2年足らずで和解で終了するものもあれば、1審判決まで5年以上かかるものがあるというのが実情です。
Q35 損害はどのように計算されますか。
A35 主な損害の項目は次のとおりです。

1)積極損害
被害を受けたことで、支出を余儀なくされたという損害のことで、主に次のような項目があります。

 ・治療費
 ・付添看護費
 ・入院雑費
 ・通院交通費
 ・装具、器具購入費
 ・葬儀費用(死亡事案の場合)
 ・弁護士費用(※後述を参照のこと)
                          など

2)消極損害
被害を受けたことで、本来あるべき収入が亡くなったという損害のことです。

休業損害(治療のために仕事を休んだために収入が減少したという損害)
逸失利益(死亡したり、後遺症を負ったことで、将来得られたはずの収入が減少したという損害)

3)慰謝料
被害を受けたことで、精神的に苦痛を感じたことで生じた損害を金銭で填補するものです。なお死亡やそれと同視できる被害が生じた場合には、本人だけではなく一定の近親者に固有の慰謝料請求権が発生します。

 ・死亡慰謝料(死亡したことについて)
 ・傷害慰謝料(入通院を余儀なくされたことについて)
 ・後遺症慰謝料(治療できない結果が生じたことについて)
Q36 鑑定費用はいくらくらいかかりますか。
A36 事案によってばらつきがありますが、近年高額化しており、50万円から100万円ほどがかかるようです。なお、鑑定を行わない場合は鑑定費用はかかりません。また、原告だけが申請すれば上記の金額ですが、被告も同時に申請した場合は、双方で折半することになります。
Q37 仕事を休んでも裁判には出席しなければなりませんか。
A37 弁護士を訴訟代理人としている場合には、原告本人は裁判に出席する必要はありません。証人として出廷する必要があるとき(1,2回程度の事が多いです)だけ出席すれば、残りの全てを弁護士に任せておくということも可能です。もちろん弁護士が出席している場合に、原告本人が一緒に出席することは可能です。
Q38 勝訴率が他の裁判に比べて低いと聞きましたが、どうしてですか。
A38 最高裁の統計などを見ると、勝訴率(判決に至った事案のうちで、原告が全部又は一部勝訴した率)はだいたい3割から4割くらいです。ただ、この中には勝訴的な和解に至ったものなどは入っていませんので、全体ではおそらく6割くらいが勝訴的解決に至っているのではと思われます。
ただ、一般の訴訟の原告側の勝訴率はさらに高率ですので、確かに勝訴率や勝訴的な解決率は他の裁判よりも低いと言えます。

これは、医療過誤訴訟が、被告の側に専門的知識も証拠資料も偏在していること、原告の側が過誤の存在を主張立証しなければいけないと言う大きな負担を負っていること、医療行為自体が不確実性を持つと言われることが被告の弁解を容易にしていること等が大きく影響していると思われます。
Q39 裁判に負けたら、相手方の弁護士費用も負担しなければならないのですか。
A39 現在の制度では、被害者側は、裁判に負けても相手方の弁護士費用を負担する必要はありません。裁判に負けた場合、判決では「訴訟費用は原告の負担とする」と命じられますが、この訴訟費用とは、裁判所に納めた印紙代や鑑定の費用のことで、相手の弁護士費用はこの訴訟費用には含まれません。

なお、反対に被害者側が勝訴した場合は、積極損害として、勝訴額の1割程度を被害者側の弁護士費用支出に相当する損害として加算されます。和解の場合は、弁護士費用は双方当事者が各自負担するという条項となることが一般的のようです。

お、2001年6月に発表された司法制度改革審議会の答申では、原則的に弁護士の費用を負けた当事者に負担させるという制度の導入推進がうたわれています。もしこの制度が実現してしまうと、被害者側が敗訴した場合は、相手方の弁護士費用の全部又は一部を負担するということになってしまいますので、注意が必要です。


■弁護士費用敗訴者負担制度について センターHP 敗訴者負担制度導入には反対!
その他
Q40 医療事故かどうか判断してくれる医師を紹介してもらえますか。
A40 依頼者に直接ご紹介はしていません。
医療事故情報センターでは正会員である弁護士に対し、患者の立場を理解して専門的立場からアドバイスをしてくれる医師の紹介を行っています。
医療事故という特殊な状況で中立公正な意見を得るために、医師名は正会員弁護士や依頼者にお伝えできない場合もありますのでご了承ください。
医師の同意が得られるときには、依頼者が医師との面談に同席出来ることもあります。


リクエストガイド ■医療事故ではないかと思ったら 協力医について もご参照ください。
Q41 現在かかっている病院の診断内容に不安を感じているのですが、他の病院を紹介してもらえますか。
A41 医療事故情報センターでは、現在かかっている病院の診断内容に関し、弁護士の紹介等は行いますが、他のよりよい病院を紹介することは行っていません。他の病院を紹介してもその責任を負いかねるからです。
Q42 弁護士に相談をするところまでは考えていませんが、病院の対応に強く憤りを感じています。苦情を受け付けてくれるところはありますか。
A42 地域の保健所、市町村役場等に相談をしてみてください。
患者の権利オンブズマンや医療消費者ネットワークMECON(電話03-3332-8119)などの市民団体でも苦情相談窓口を設けています。
Q43 医師賠償責任保険とはどういうものですか。
A43 医療過誤を保険事故とする責任保険のことですが、これには医師賠償責任保険、病院保険などがあります。医師賠償責任保険の代表的なものとして、日本医師会医師賠償責任保険(日医責任保険)というものがあります。これを例にとると、医師が患者側から損害賠償請求を受けると、医師会の医事紛争処理委員会で審査され、日医責任保険の適用が問題となりうると判断された場合には、賠償責任審査会というところで責任の有無及びその金額の判定を行います。ここで決定された処理方針に従い、患者側との紛争解決を図るのです。

■医療過誤用語集 医師賠償責任保険 もご参照ください。
Q44 医事紛争処理委員会とは何ですか。
A44 各地の医師会の中に設けられた患者からの苦情処理機関です。患者からの苦情を聞き中には話し合いができる場合もありますが、あくまでも医師会の中の機関であり、残念ながら、患者の立場に立って相談に乗ってくれるような機関とはいえません。苦情を申し立てても、数か月間放置されたあげく、希望に沿えないと回答されることもありますし、医師に責任がある場合でも賠償額が低いとされています。
Q45 医療事故だと思ったら、警察に訴えればよいのではありませんか。
A45 医療事故における医師の責任という場合、民事上、刑事上及び行政上の各責任が考えられます。その中で、刑事責任については、業務上過失致傷罪・同致死罪、傷害罪、殺人罪等が考えられます。ただ、民事的に違法行為と評価される場合であれば、常に刑事責任があるとはいえません。一般には刑事責任における違法性は、民事責任におけるそれよりも重大であるといわれています。その医師に対し刑事責任を追及したいと思った場合でも一度弁護士に相談するのがいいでしょう。
Q46 カルテ開示を求めるにはどのようにすればよいですか。
A46 カルテ開示に関しては、法制化に向けて進んだ時期もありましたが、日本医師会等の強い反対で法制化は現在実現していません。ただ、国立大学病院での診療情報の提供に関する指針など、一定の範囲で医療記録の開示が進みつつありますので、以前よりはその可能性は広がったといえます。

カルテ開示の方法としては、患者が直接開示を求める方法、相談を受けた弁護士が弁護士法に基づく紹介により開示を求める方法などがあります。但し、カルテ開示請求に対しては、その改ざん等の危険性もあるので、場合によっては証拠保全等により入手する方法をお勧めします。
Q47 カルテの開示を求めましたが、断られました。どうしたらいいでしょうか。
A47 カルテの開示請求については、現在のところ法制化されておらず、医師がこれを拒んでも違法とまではいえません。しかし、カルテ開示については開示すべきという考え方が浸透しつつありますので、敢えてそれを拒むのは医師側に何らかの理由があると思われます。そこで、証拠保全等裁判所の手続によりカルテ情報を入手する方法をとるのがよいかと思われます。
Q48 基本的な医学の知識を身に付けるにはどんな方法がありますか。
A48 弁護士は基本的に代理人に過ぎません。また、弁護士に任せっきりにするのではなく、自分で調べ判断することも大切です。医学の知識を身につけるには、まずは看護婦を対象とした比較的平易な書物を利用することも有用です。また、インターネットなどでは、かなりの医学情報を入手できるので、検索してみるのもいいでしょう。医療事故情報センターでは、「センターニュース」「医療過誤事件症例報告集」などを発行していますので、それを利用していただく方法もあります。


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