活動の内容・ボランティア募集

ネットワーク活動紹介

◇テーブルサンゴのまわりのドラマ

一つのサンゴを「なわばり」にする、
クギベラの赤ちゃん
枝状サンゴに住みかを見つけた、
イシガキスズメダイの赤ちゃん
枝状サンゴに隠れ場所を見つけた、
トノサマダイの赤ちゃん

 今、人の活動による影響に伴って、サンゴや海水魚をはじめとする多くの海洋生物たちの生きる場所が少なくなってきました。陸の生態系や海洋環境の悪化、特に人為的な影響によると考えられる海洋の生態系に対する負担は、最小限度に抑えられるべきで、今こそ私たちダイバーによる監視が必要になっています。

 夏になると、サンゴの枝や海藻のすきまには、サンゴ礁産まれの幼魚たちが黒潮と一緒にたくさん流されてきます。東京都三宅島の北西部にある通称伊ヶ谷湾(いがやわん)の「カタン崎」や、南部にある「富賀浜(とがはま)」で見られる通称テーブルサンゴと呼ばれる造礁サンゴの群落を潜ると、たくさんのカラフルな魚が泳いでいるのに驚かされます。
 なぜかというと、幼魚たちは造礁サンゴ類の枝の奥深くや隙間で暮らしているからです。ある種類の魚は、隠れ場所だけでなく造礁サンゴ類に餌も完全に依存しています。また、造礁サンゴ類が成長する岩礁は、海藻類が育つのに適した場所でもあります。海藻類はニザダイやセダカスズメダイなどの藻食性の魚に食べられ、藻食性の魚はアカエソ
Synodus ulae などの肉食性の捕食魚に食べられてしまいます。
 このように、
ある生物が生きていくためには、「さまざまな生物やさまざまな環境」がなくてはならないことがわかります。

◇今や、森や川とつながっている海は病んでいます

 私たちをとりまく海は、人の活動による影響から、今やまちがいなく病んでいます。海のしっぽや通常水が涸れている河床から降雨時に流入する生活排水・合成洗剤、重金属、赤土、農薬、有機物や栄養塩類、森林伐採、沿岸林の伐採・道路舗装化による降雨時の真水の流出、沈泥の発生、全国各地で行われている港湾の工事、船底に防汚剤として塗られる有機スズ化合物などは、さまざまな海洋生物たちのさまざまな環境に悪影響を与え、国内各地で彼らの生息地が失われつつあります。
 
今や、海洋汚染・自然破壊は伊豆諸島三宅島にかぎることでなく、国内各地、世界的に進行しています。

◇サンゴの健康度や海水魚の種数・個体数、海の環境変化を調べています

 「富賀浜」は三宅島を代表する通称テーブルサンゴの生息地ですが、ここ数年、一部のサンゴ群体に白化現象や死亡が認められ、今後、大規模な白化の拡大が心配されています。そこで、島のダイバーやサンゴに興味のある本土の仲間たちと共に、「富賀浜」に生息する造礁サンゴ類の死亡に影響を与えている原因を明らかにするため、スキューバ潜水によるサンゴの調査を始めました。
 さらに、種の構成や固有種、生態学的に生物多様性の重要性が認められる
"特定の海域"を把握するために、現在、伊豆諸島南部の海を調査しています。さらに今後、国内各海域でも、保護の必要がある場所をできる限り早く確認し、保護するための努力をしていかなければなりません。
 私たちは、二つの実践的活動を通じて、
"海洋の環境"を守っていきたいと考えています。
 ・絶滅のおそれのある
"海水魚"や、海洋生態系の"多様性"を守る
 ・人の活動による海洋の生態系に対する
"負担を最小限"に抑える

◇自然との共生

 しかし近年、開発など人の活動による影響から貴重な自然がどんどん失われつつあります。護岸工事や港湾工事など人為的な影響から、さまざまな生態を見せてくれる海水魚やサンゴの貴重な生息地の破壊が懸念され、なかには中期的な将来に野生絶滅が心配されている海水魚もいます。
 三宅島では、人の活動による影響から、必要がないと考えられる
"開発"も進み、貴重な野生動植物がドンドン失われつつあります。それに伴って、たくさんの海洋生物たちが生きる場所も少なくなってきました。

 海の生態系は、干潟や海のしっぽを通じて森林の生態系と強くつながっています。地球の生態系は私たち人間にとってかけがえのない財産です。一度人間が破壊してしまうと自然の生態系の変化を招き、元に戻すことは、例えば噴火・地震・暴風雨など自然攪乱による影響からの回復と比べると、とり返しのつかない困難な結果になります。
 地球の生態系を守り、自然と共生することは、私たちの子供たちの
未来を守ることにもつながります。

 私たちの活動は、「海の生態系を守る活動の輪」を広げることです。海とのふれあいによる環境教育や、絶滅のおそれのある海水魚の生息地を守るために、研究者やダイバーが協力して保護活動の輪を広げていきたいと思っています。
 ネイチャーゲーム中心の環境教育や無害なインタープリテーションのためのインタープリテーションでなく、今あなたの目の前で破壊されつつある自然環境や生活環境を守る人を育てるための具体的なプログラムが必要です。これは当会永久顧問である故モイヤー師匠の遺志でもあると思っています。

 ゛環境問題に携わる個人が直面する大きな問題点は、過去の例がくり返し何度も物語るように、その時々の保護活動の局地戦に勝つ可能性はあるかもしないが、それは戦争に勝利したしたことではない。しかし、一度でもその局地戦に敗れてしまえば、戦争に敗北したことになる。なぜなら、一度破壊されてしまった自然は永久に失われてしまうのだから。
 人は豊かな時にのみ子供たちのための環境保護について関心をもつのであって、厳しい状況下ではあくまでも、今ここでの問題が優先し、未来において子孫に脅威を与えるであろう問題は二の次になる。もちろん、今日の経済問題を解決することは重要なことであるけれど、環境には代え難いと言うのに!
(Jack T. Moyer PC)

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