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−その設立から運営まで− |
T.NPO法人とは● NPO法人とはどんな法人ですか?NPO法人とは特定非営利活動法人の通称で、特定非営利活動促進法(以下、NPO法といいます)に基づいて設立された法人のことです。NPOとはNon-Profit Organizationの略で民間非営利組織という意味です。 NPO法人はこのような営利を目的としない民間活動団体を法人化したもので、市民が自由な社会貢献活動を行うことを目的としてNPO法が作られました。 NPO法には、次の20のものが不特定かつ多数の利益の増進に寄与する「特定非営利活動」として掲げられています。
このページのTop ● NPO法人は公益法人ですか?法人税法や消費税法の上ではNPO法人は公益法人として明記されてはいませんがこれらの関係法令の適用については、NPO法上いずれも公益法人等とみなすこととされています。従って社会的には一般に公益法人として認知されています。 ● NPO法人の事業活動は無償のボランティア活動ですか?NPO法人の活動が非営利目的であるということは、事業活動にたいしての収入が得られないということではありません。上に掲げた17の活動目的には、例えば15番目の「職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動」のように事業活動を行うことによって当然に収入を得られるようなものもありますし、NPO法人全体数の6割を占めている福祉事業関係のNPO法人は、活動自体がサ−ビスの対価を求めて行うものですが、事業者として指定を受けるには法人であることが要件とされているため、簡易な法人形態としてのNPO法人が選ばれているという事情もあります。 また「環境の保全を図る活動」を目的としているNPO法人などは、その事業活動を行うことによる収入は期待できませんから、事業経費の必要資金源として、本来の活動目的以外にも定款に定めることにより、収益を目的とした「その他の事業」を行うことが認められているのです。 NPO法人が非営利という意味は、営利法人と異なり次の2つの点が徹底されて いることとされています。
このページのTop ● NPO法人の経営面での特徴はどのようなものですか?NPO法人は、一般的に活動範囲が地域的に限定されその規模も小さいのが特徴といえます。2009年5月末現在で日本全国のNPO法人の総数は37,562法人と報告されていますが、このうちの9割以上は都道府県所轄のもので、広域に事務所を設けている内閣府所轄のものは8%程度の3,032法人に留まっています。また収入の規模についても、神奈川県が行った調査結果によれば、回答NPO法人約1000社のおよそ50%は、その収入額が1000万円未満であり、さらにそのうちの半数の法人の総収入額は200万円未満であるとされています。 企業経営の3つの要素として、ヒト、カネ、モノなどと言われますが、NPO法人に関しては ヒトだけが重要な経営資源だと言えます。 事業活動の内容は専ら役務の提供であり、また主な資金源は会員からの年会費 ですから、活動に参加してもらえる有為な人材と、直接活動には参加しなくても法人 の活動の趣旨に賛同し、会費を納めて活動を支える賛助会員が多数存在することがNPO法人の安定した経営にとって不可欠です。 このページのTop U.NPO法人の設立と運営● NPO法人を設立するには、どのような要件がありますか?活動の目的と組織についていくつかの要件があります。1.活動目的 NPO法人になるためには、その法人が、Tで述べたNPO法に定める「特定非営利活動」を目的とする事業を行うことが必要です。その場合、その事業は、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する、言い換えれば公益の増進に寄与するもので、「私益」や「共益」を目的とするものは対象になりません。 さらに、宗教活動や政治活動を主目的としたり、特定の公職の候補者等の推薦などをすることを目的とする団体は対象にならない他、特定の個人や団体の利益を目的としたり、特定の政党のために利用することも禁じられています。 2.組織
このページのTop ● 設立の手続きは?NPO法人を設立するには、必要書類を作成の上、原則としてその法人の事務所が所在する都道府県知事、当地区では神奈川県知事へ提出し、その認証を受ける必要があります。ただし、神奈川県以外にも事務所を設置する場合は内閣府が所轄官庁になります。設立の手順は概ね、 発起人総会 →設立総会 →申請書類の作成 →認証の申請 →所轄官庁での公告、縦覧と審査 →認証決定 →登 記 →設立登記完了届 といった流れになります。 事業スケジュールを立案する場合、申請書提出後の縦覧期間が2ヶ月、審査期間が2ヶ月以内となっていますので、最長4ヶ月程度を要することを念頭においてください。 なお、申請書の提出に先立って、事前相談を行うのが通例です。 提出を要する申請書類とその様式、記載要領については、神奈川県県民部発行の「特定非営利活動法人関係事務の案内」という冊子を参照してください。下記ホームページでもご覧になれます。連絡先は、以下の通りです。 神奈川県県民部 NPO協働推進課 〒231-8588 横浜市中区日本大通1 第二分庁舎 3階 TEL 045-210-3890(NPO法人班) FAX 045-210-8831(NPO法人班・NPO支援班) 同課のホームページ 内閣府 なお、内閣府のNPOに関するホームページは、以下の通りです。 NPOの基礎知識から、法人の設立、管理・運営等に関する事項が掲載されています。 内閣府NPOホームページ このページのTop ● 管理・運営の段階で必要なことは?登記の手続きが完了してはじめて「特定非営利活動法人」(NPO法人)になり、社会的に法人として認知され、法律上の権利義務の主体となることができるわけですが、同時に各種の手続きが必要になる他、当然のことながら法人としての社会的責任や義務が課されることになります。特に重視されるのが、情報公開です。また、法人としての経営能力と実務能力が必要になる(問われる)ことは言うまでもありません。 1.法人設立後に要する手続き
前年度の事業報告書等を毎年事業年度終了後3ヶ月以内に県の窓口に提出する必要があります。また、役員変更の際は届出が必要です。 定款変更を行う場合は、内容によって届出または変更の認証が必要になります。必要提出書類とその様式、記載要領等については、前掲の「特定非営利活動法人関係事務の案内」を参照してください。 3.認定NPO法人制度 国税庁長官の認定により、NPO法人への寄付金に関して、特別な優遇を受けられる制度があります。認定基準が厳しく、例は少ないですが、詳しくは以下を参照してください。 内閣府ホームページ「認定NPO法人制度」: 前掲URL 国税庁ホームページ「認定NPO法人制度」:「国税庁」「認定NPO」で検索 当センターでは、NPO法人の設立から管理・運営に関する一連の手続き等について、ご相談を受け付けておりますので、ご遠慮なくお申し出ください。 相談日等については、当運営会議ホームページ・部会案内・相談部会のページをご覧ください。 このページのTop V. NPO法人の会計と税務
(1)会計● NPO法人会計基準はありますか?公益法人には公益法人会計基準が定められており、他の非営利法人にもそれぞれの会計基準がありますが、NPO法人には現在のところNPO法人会計基準として定められたものはありません。NPO法には会計の原則として次のものが掲げられています。
しかしNPO法に掲げる17の活動目的のなかには、法人税法の収益事業に該当するものがあり、また「その他の事業」は当然に収益事業に該当しますので、このような収益事業を行うNPO法人は、非収益事業と収益事業の会計を区分経理し、収益事業については収支計算書ではなく一般の企業会計と同じく損益計算書(正味財産増減計算書)を作成することになります。
このページのTop ● 区分経理とは?区分経理とは法人税法の上で、公益法人等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行わなければならないと定められているもので、所得(収入から費用を控除した利益及び調整額)だけでなく、資産及び負債についても同様に区分経理することが求められています。NPO法人については非収益事業だけを行っている場合には、法人税に関しては課税の問題は生ぜず、また作成する計算書類も貸借対照表及び収支計算書だけで済みますが(財産目録は貸借対照表上の科目明細書),収益事業がある場合には、別に損益計算書を作成する必要があります。 またそれぞれの計算書類の提出先等の関係は次の図に示すとおりになっています。 図からも理解できるように、収益事業であっても特定非営利活動(以下本来事業といいます) の中での収益事業と営利を目的とする「その他の事業」としての収益事業とがありますが、計算書類を作成するにはこれらの2つの収益事業についても区分する必要があります。 NPO法では「その他の事業」に関する会計については本来事業に係る会計から区分し、特別の会計として区分しなければならないと定めていますが、実務的には、本来事業の中に収益事業がある場合には、「その他の事業」に係る会計の収益事業とは別個に更に区分経理することが求められます。 NPO法人の決算書類としては、本来事業の非収益事業及び収益事業に係る収支計算書及び貸借対照表等は合算して作成し、「その他の事業」に係る収支計算書及び貸借対照表等は別に独立して作成しますが、他方税務用としては2つの収益事業に係る損益計算書は合算して作成しなければならないからです。 現実的には、「その他の事業」を明確に定款に掲げているNPO法人はあまり例がないようですが、本来事業の中で区分経理することの必要性は、例えば行政からの委託事業や協働事業を行うNPO法人は収益事業(請負業)を行うことになりますので、これからも増して来ると予想されます。 このページのTop ● 収益事業にはどんなものがありますか?収益事業には法人税法で定められていますが、次のように34の事業があります。
また事業に従事する者の半数以上が障害者等(65歳以上の高齢者を含みます)であり、かつ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与しているNPO法人が上記の収益事業を行っていても、収益事業とはされないこととされています。 ![]()
このページのTop ● 区分経理の事業間の振替はどのように処理するのですか?NPO法において、その他の事業を行う場合においては、収益を生じたときはこれを本来事業のために使用しなければならない、と定められています。ここで収益とされているのは、その他の事業から稼得された余剰金(利益金)を意味します。 この場合のその他の事業に係る収益金の繰入は、収支計算書の上で本来事業の収入の部の最後の項目に「繰入金収入」として振替えると同時に、現金や預金をも実際に移動させることが必要になります。 そうでないと区分経理をしたことになりません。 一方その他の事業に係る収支計算書では、支出の部の最後の項目に繰入金支出として表示し、実際に現金や預金を移動します。 本来事業の中に収益事業がある場合の事業間の振替については、市販の会計ソフトを利用して部門別の会計処理をしている場合には、その他の事業会計に係る会計処理と同様な処理が可能ですが、そうでない場合には同一の会計単位間の振替ですので、収支計算書上の振替だけで実際の現金や預金の移動はしません。ただしそれぞれの貸借対照表にはこの事実を反映させる必要があります。 なお、NPO法人については他の公益法人の場合と異なり、収益事業から非収益事業に支出された金額は、法人税法上損金に算入されず収益事業の所得とされることになっているので、注意が必要です。 (税務に関する利益と所得との違いの項参照) このページのTop ● 収支計算書と損益計算書の違いは?収支計算書は、支払い手段としての資金の流入と流出を表示する計算書で、一事業年度の収入額と支出額との差額としての当期収支差額を算出し、前期からの繰越収支差額を加えた次期繰越収支差額を表示します。次期繰越収支差額は、事業年度末において実際にどれだけの支払い手段としての現金や預金があるかを示しています。 支払い手段は現金あるいは預金に限られますが、収支計算書に計上される収入には未収入金や売掛金になっていて、年度末にはまだ現金や預金に含まれていないものがあります。また支出に計上された費用の中には、まだ未払い状態で貸借対照表の上では未払金として表示されているものも含まれています。 従って収支計算書の繰越収支差額はこのような未収金や未払金をも含めて考えなければなりません。 この関係はつぎのような式で表されます。 繰越収支差額=現金+預金+未収金等−未払金等 このように拡大された支払手段としての現金預金等を資金といい、現金預金以外にどのような科目を含めるかを資金の範囲といい、公益法人会計基準では資金の範囲は各法人が決定することとされています。 一年以内に返済される一時的な短期借入金を資金の範囲に含めるような考えもありますが、NPO法人などの規模の小さな会計においては、短期借入金の増加は収支計算書の収入の一項目として計上されますので、単に繰越収支差額のマイナス項目として扱うのは適当ではありません。 これに対して損益計算書は、企業の一事業年度の財産の増減を測定し、表示する機能を果たしています。ここでは収支計算書に収入として計上された短期借入金のような負債は計上されません。 それはマイナスの財産の増加として貸借対照表上で表示されますが、一方で現金預金のプラスの財産も貸借対照表上で資産として計上されますので、財産の増減計算としては変動がありません。 また自動車などの固定資産を購入した場合には、収支計算書では固定資産購入支出として資金の減少となりますが、財産の増減としては、現金または預金という流動資産の減少と自動車という固定資産の増加となって、損益計算書の上には表示されることがありません。 会計上では、固定資産の減価償却という問題が出てきます。自動車を購入した時点では損益計算書上では表示されませんが、減価償却費として購入した自動車を費用化した時には、この減価償却費は財産の減少として損益計算書の上に計上されることになります。 このような収支計算書と損益計算書の関係は、収支計算書の結果である当期収支差額と損益計算書の結果である当期純利益との関係として次のように表現することができます。 当期純利益=当期収支差額+固定資産購入額−減価償却額−固定資産減少額 −借入金増加額+借入金返済額
このページのTop (2) 税務ア 法人税関係● 設立後の税務署等への届出は?収益事業を行わないNPO法人で、事業年度の収入の合計額が8000万円以下の小規模の法人は、収支計算書を税務署に提出しなくてもよいことになっていますので法人としての設立届は必要ありませんが、給与や諸謝金の支払いに関しては源泉所得税の徴収義務がありますので、「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要があります。源泉徴収は毎月給与を支払う度に行い、翌月の10日に税務署に納付しますが、給与の支払いを受ける人が常時10人未満であるときは「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出し、源泉税の納付を毎年7月10日及び1月20日の2回に纏めて納付することができます。 なお、給与の支払いに関しては、毎年12月に年末調整を行なうことになります。 収益事業があるNPO法人は「収益事業開始届出書」を提出しなければなりませんが、同時に「青色申告の承認申請書」をも提出しておくことが必要です。 収益事業を行わないNPO法人は、この外にも、県税事務所及び市役所に法人の設立届けをすると同時に、県民税及び市民税の均等割についての減免申請を行うことが必要です。 このページのTop ● 青色申告とは?青色申告とは、納税者が自主的に正しい税務の申告を行うための制度で、納税者が継続して正確な記帳を行っていることが前提になっています。正確な記帳とは一般的には複式簿記で記帳が行われることですが、必ずしも複式簿記には限定されず、具体的には現金、預金出納帳や仕訳帳のほか、売上帳や経費帳を保持するとともに取引に係る請求書や領収書などの証憑書類を保存することを要件として簡易簿記によることも認められています。 青色申告法人は、正確な帳簿に基づく税務申告を義務づけられていますが、事業年度に生じた損失を以後7年間繰り越しすることができ、その間の事業年度に発生した所得と通算することができます。 このページのTop ● 損益計算書の利益と法人税法の所得との違いは?損益計算書の利益は収益から費用を差し引いた金額ですが、法人税法上の所得は、益金から損金を差し引いた金額になります。利益と所得の違いは、収益=益金ではなくまた費用=損金でないところにあります。しかし益金及び損金は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする、と法人税法にも定められているように企業会計の損益計算書の収益及び費用とそれほど大きく違っているわけではありません。 税務申告書の作成にあたっては、所得は損益計算書上の当期純利益に基づいて、若干の調整を加えることにより算出されます。 この調整(申告調整といいます)は減価償却費などが法人税法に規定されている基準に従って正しく計算されているならば、NPO法人の場合の調整項目はそれほど多くありません。それらは次のようなものが考えられます。
このページのTop イ 消費税関係● 消費税に関する届出は?消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供(資産の譲渡等―通常は課税売上という。)に対して課税されます。消費税の納入義務が生じるのは、基準期間の課税売上が1000万円(税抜き)を超えた翌々年度になります。 NPO法人の設立初年度においては、基準年度がありませんので届出を提出する必要はありません。 基準期間の課税売上が1000万円を超えたときに、「消費税課税事業者の届出」を提出することになります。 基準期間の課税売上高は、1年間の事業年度の税抜対価のことですが、設立初年度の期間が1年に満たないときは12ケ月に換算するものとされています。 このページのTop ● 課税売上とは?課税売上は通常の商品売上、貸付収入及び請負収入等ですが、非課税売上になるものもあります。課税売上か非課税売上かの区別は、実際に消費税の税額を算出するときに支出した経費の中に含まれる消費税を全額控除できるかどうかの判定上で重要です。 また補助金や寄付金など特定収入の多いNPO法人については、特定収入が不課税 とされていて、総収入に占める割合が5%を超える場合には消費税の申告に際しては特別の計算をすることになります。 NPO法人の消費税に関連して非課税及び不課税とされる項目を例示すれば次のようなものがあります。
● 簡易課税とは?基準期間売上高が5000万円以下である事業者は、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出して、簡易課税制度の適用を受けることができます。この場合には、課税売上高に対してみなし仕入率を乗じた金額に基づいた仕入れに係る消費税額を算出し控除することができますので、経費の科目ごとの消費税額を集計する手続きを省くことができます。 NPO法人のように活動の内容が専ら役務の提供である事業は、第五種事業に該当し みなし仕入れ率は50%と定められています。 給与手当のような人件費につては不課税とされ、控除すべき消費税は含まれていませんので経費の中で人件費の割合が50%を超えているような法人にとっては、事務手続の面でもまた税額の面でも有利な制度といえます。 このページのTop |