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<目次>
平城宮について
2002.3.31
木簡、遺物、遺構
2002.3.31
世界遺産に登録
2002.3.31
京奈和自動車道
2006.3.7
環境影響評価準備書に対する意見
2006.9.30
世界遺産委員会への
要請書
2006.11.23
守る会活動記録
2006.9.30
問題だらけの環境影
響評価「方法書」に対
する知事意見
2005.6.16
「守る会」が国道24号線奈良市内の渋滞調査
2005.6.16
不確定な予測で
地下トンネル建設を
決定してはならない
2002.5.25
あなたの力を
貸して!
最近の動き
文化財検討委員会の提言についての声明
2002.8.31
お知らせ
2002.6.7
資料
シンポの意義
2002.4
高速道路 2002.6
地質について 2002.6
歴史の証人 2002.6
大気汚染 2002.6
みんなの広場
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国際フォーラム「世界遺産と文化交流」で「世界遺産・持続可能性への挑戦」と題する講演のために来奈された世界遺産センター長代理のボッカルディさんに当会から下記の要請書を手渡しました。
2006年11月 日
世界遺産センター長
フランチェスコ・バンダリン 様
世界遺産委員会に調査を要請する
京奈和自動車道大和北道路環境影響評価「準備書」の問題点
京奈和自動車・大和北道路計画(L=12.4q)は現在、環境影響評価の「準備書」を9月22日〜10月23日まで縦覧し、準備書に対する意見を11月7日まで受け付けるとしています。奈良県知事は、これを受けて07年度中にも都市計画決定を行いたいとしています。
03年10月に「大和北道路有識者委員会」が決定した現ルート案が、世界遺産平城宮跡のバッファゾーン内を通ることから、高速道路から世界遺産を守る会(「守る会」)が懸念を指摘してきた事項及び、第29回、30回世界遺産委員会の決議事項を全く無視した環境影響評価の「準備書」が縦覧されています。
環境影響評価をどのように行うのかを決める「方法書」に対する意見が、「世界遺産や文化遺産を守る基準を決めること」など、80項目も県民、識者から提出されましたが全く採用されず、環境影響評価が実施されました。
「準備書」に対する「守る会」の主な問題点の指摘は次の通りです。
@ 国交省の推奨ルートを決定した大和北道路有識者委員会の委員長が、奈良県の都市計画審議会委員であり、そして、今度は環境影響評価を審議した環境影響評価検討専門部会の委員長に任命されました。このような常識では考えられない委員会構成で、環境影響評価が審議されるという前代未聞の、あまりにもずさんな環境影響評価の審議が行われました。
A そして、7月に決定された第30回世界遺産委員会決定の決議第5項「・・・環境影響評価を独立したコンサルタントに委ねること」、および、第6項「高速道路ルート代替案の検討と、費用便益分析を含むことを保証すること、及び・・・奈良の世界遺産に対する潜在的影響が最小のものとなることの立証」は、環境影響評価検討専門部会で審議されませんでした。
B 地下トンネルと言えども、世界遺産のバッファゾーンの中に建設することは、バッファゾーン設置の目的から言って許されないことも審議されませんでした。
C 地下トンネルを2つも平行して建設することにより、地下水低下が予想され、木簡など地下遺物・遺構が破壊されるという「守る会」の指摘に対し、環境影響評価で、「ボウリングのデーターを300箇所以上に増やし再計算した結果、当初の結果と同じ地下水低下の予測は、変わらなかった(2.5cm低下)」と委員会で報告されています。
そして、「季節による地下水低下約40cm〜150cmと比較しても影響は少ないという」この比較方法も根本的に間違っています。トンネル建設による地下水の2.5cm低下は回復しない低下であり、世界遺産の完全性を破壊するものです。一方、季節による地下水低下は必ず復旧する低下であり、低下の間も土壌の湿潤は保たれており土中の木簡や、有機物は消滅しません。
従ってこの比較は比較すること事態ナンセンスなのです。 予測といえども2.5cmも地下水が低下し、世界遺産の完全性を損なうことは許されません。このように間違った提言を基に環境影響評価が審議されています。
京都の地下鉄建設により地下水が低下、枯渇し豆腐屋さんなどが廃業に追い込まれています。また40mもの大深度で地下水が、トンネル建設によってどのような影響があるのか、日本でも未知の分野です。
D 大和北道路建設は「渋滞解消」「交通事故減少」のためとしていますが、高速道路建設の目的は関西大環状道路という大開発道路です。奈良市に接する大和郡山市で22ha、駐車場5,500台収用の大複合商業地域が開発されており、そのためにし商業地域への乗り入れ口として、高速道路で南北2箇所のインターチェンジも計画され「準備書」に記載されています。
交通事故も近畿平均の9倍ではなく、1.7倍で渋滞も過大報告でした。そして奈良市にとっては通過道路に過ぎない高速道路です。
E 準備書から新たな問題として、高速道路の奈良市内における南側のインターチエンジから、奈良市街へのアクセス道路を新設し、1日あたり1万台の自動車が「旧奈良市内」に流入する計画が判明しました。「旧奈良市内」には東大寺をはじめ4つの世界遺産があり、歴史ある街なみゆえに、道路が狭くかつ、駐車場の設置場所もないため、現在でも土、日曜日の観光による渋滞は深刻です。奈良市内の観光は土、日曜日が中心で、駐車場経営が出来ず、市街地では場所が無いからです。このような実態を無視し、車規制や駐車場対策もないまま新たな1万台/日の「旧奈良市内」への自動車引き込みは、リピータの減少に拍車をかけるものとして懸念されています。
F 高速道路計画にあたり国交省の大和北道路有識者委員会は道路として全国2番目にPI導入(積極的な住民参加)と大宣伝しましたが実態は、委員会の一方的な委員の指名と、アンケート、ヒアリング、公聴会だけで、従来行われてきた通常の各審議会と変わらず、PIなる新たな住民参加はありませんでした。新たに行われたのは、莫大な税金を使った高速道路建設促進の新聞広告や、広告の新聞折込みなど、大量の宣伝だけでした。
G 重大なこととして、この環境影響評価の審議で、世界遺産や文化遺産を守る論議が不十分なことです。その一つにトンネル出入り口の文化財破壊の問題があります。準備書では、「工事前に発掘調査をするが・・・、記録保存等の処置を講ずることにより・・・、埋蔵文化財の保護が出来る」とあり、道路予定地内の埋蔵文化財は記録保存にとどめ、破壊することが前提になっています。トンネル出入り口2ヶ所200m以上、及び高架橋の基礎部分の埋蔵文化財の破壊、そして道路予定地内の埋蔵文化財に対し、計画路線変更などの対策がありません。
H 世界遺産委員会の決議にある住民合意のための最も必要な学術団体や、「守る会」との話し合い、協議も要望書を提出したにもかかわらず、応じようとしませんでした。
I この高速道路建設の費用は、法律により国が7割、奈良県が3割負担です。奈良県内約47kmで約7.6千億円と試算され、大和北道路は12.4kmで3,100億円と発表されています。しかし、この膨大な建設費の約3割2,300億円、県民一人当たり約16万円負担が一切県民に明らかにされず、従って新聞報道も無いため、殆どの県民は日本道路公団が建設する有料道路と理解しています。これがアンケートに反映し高速道路建設の要望になっています。奈良県は一人当たりの借金が全国でも上位に入る借金県で、さらに2,000億円を借金すれば、県民の福祉や医療など生活全般にわたって経費が削減され、県民の生活が圧迫されます。
J 「大和北道路が西側にルート変更すれば、現在の計画(3,100億円)の約半分、(1,600億円)で建設できるが、民家の移転が大量になり、移転交渉で10年はかかる。だから移転の少ないルートにした」と大和北道路有識者委員会で明らかにしています。
しかし、国交省はこれからの予算は厳しく、大和北道路の完成は15年以上はかかると新聞で報道されています。15年もあればいろんな対策も進み、建設費用が現ルートよりも1,600億円も安くなります。
K 今回、環境影響評価の大気汚染や騒音など具体的な内容についての問題点の指摘を除きました。 以上のように環境影響評価の「準備書」に記載された内容は、「守る会」の意見・危惧、そして、世界遺産委員会の度重なる「決議」履行をも全く無視しており、世界遺産平城宮(京)を守る重要な観点が欠落しています、この状況での都市計画決定は世界遺産平城宮の危機に直接つながるものと懸念しています。
「世界遺産条約履行のための作業指針」(「作業指針」、05年2月)の第U章は世界遺産の「完全性及び真正性」について厳密に規定し、世界遺産に登録された資産が「顕著な普遍的価値及び完全性及び真正性の登録時の状態が将来にわたって維持、強化されるように担保すること」(第96項)を義務付けています。
日本政府の世界遺産バッファゾーン内に高速道路を計画した行為は、こうした条約の諸条項、「作業指針」を無視する不法な行為であることを強く指摘するものです。
環境影響評価の具体的な審議は「準備書」の確定で終了し、後は、都市計画決定をするだけになります。
「守る会」は、京奈和自動車・大和北道路計画(高速道路)の都市計画決定前に、上記項目などについて、世界遺産委員会の具体的な調査を要請するものです。
以上
高速道路から世界遺産・平城京を守る会
事務局長 小井 修一
〒630-8102 奈良市般若寺町309−7
Tel・Fax 0742-23-0469
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