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<目次>
平城宮について
2005.2.6
木簡、遺物、遺構
2002.3.31
世界遺産に登録
2002.3.31
京奈和自動車道
不確定な予測で
地下トンネル建設を
決定してはならない
2002.5.25
あなたの力を
貸して!
最近の動き
文化財検討委員会の提言 についての声明
日本政府の回答VS守る会の反論 2005.2.03
おしらせ
2002.6.7
資料
シンポの意義 2002.4
高速道路 2002.6
地質について 2002.6
歴史の証人 2002.6.
大気汚染 2002.6
みんなの広場
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・四全総以前にもこんな計画が(1982年)
・四全総資料より 人口が減っても車は増える−と建設省
・機能的には1300年前が、今より充実した道路?
・国道24号交通量調査 平2・6・9年
・地下トンネル予想図 内径12m×2本、35m幅と、×4本で80m案も
・京奈和道路大深度地下案
京奈和自動車道とはどんな道路か
高規格の高速道路は必要なのか
奈良自治体問題研究所 事務局長 小井 修一
ご紹介いただきました奈良自治体問題研究所の小井です。退職前は建設省(京都国道工事事務所)におりまして、4月17日に開通した山田川から奈良県境までのいわゆる京奈和道路(高速、有料)の施工監督をしておりました。
戦後荒廃した国道から高速道路づくりまではそう疑問を持たず、国民のためだと思って仕事をしてまいりましたが、今日の財政難に直面して道路政策の矛盾を感じはじめて以来道路問題の研究に強い関心をもつに至りました。
今日は時間がないので「京奈和道とはどんな道路か」にしぼってお話したいと思います。1987年6月30日に四全総が閣議決定されました。全国の高規格幹線道路網の長期構想がたてられ、1万4千 に及ぶ高速道路を2025年までに完成させるという計画が四全総で決められたのです。京奈和道路はこの計画の中に位置づけられています。
奈良新聞(H6.2.19付) の記事を見ればわかるように、計画の当初から奈良県民のために渋滞解消をどうするかなどは考えていません。
京奈和道路は、近畿全体の環状自動車道計画、つまり和歌山から淡路へ橋をかけて、
明石〜神戸〜大阪〜京都〜奈良〜和歌山を環状に結ぶ自動車道計画として、奈良県21世紀委員会(関西規模の委員)が四全総以前から紀伊半島縦貫自動車道を計画(1982年)しており、それを四全総に(関西財界等が)反映させたものです。 問題なのは四全総(1987年6月30日閣議決定)が、これから景気がさらに高揚し繁栄の一歩をたどり、日本の人口はどんどん増えていくだろうという予測の下にたてられた計画だったことです。
別図にあります「人口の超長期的推移」は国土庁『長期基盤整備にむけて』からとったものですが、図のとおり「室町時代後期から江戸中期、明治以降現代までの期間に日本の人口は急速に増加している。そして、2000年を越えるころに1億3千万人ぐらいになり、それ以後も増え続ける。」という予測のものです。
「したがって、車も増え続けるであろう。だから、新しく1万4千 の高速道路が必要だかくして、京奈和道も必要だ。」という論理だった訳です。しかしご承知のとおり、現在ではその前提条件が大きく変わっています。
現在の出生率(合計特殊出生率=ひとりの女性が一生の間に生む子どもの数)1.38で計算すると、2007年から2010年頃に日本の人口は減少し始め、2080年から2100年頃には人口が今の半分になる。(その後6月に1.34と新聞発表)
外国でも同じようなことが起きていますが、児童手当その他のいろいろな手当をしながら、出生率1.5とか1.6以上にして人口が増えるように、イギリスなどのヨーロッパ諸国は実施しています。
日本の場合はどうか。子育ての環境が悪く、生活が苦しいままでは、少子化がどんどん進行する可能性は大だと言われています。新聞報道にもありましたが、現在の出生率で計算すると、3400年頃の日本の人口予測は「一人」ということになり、 日本もいよいよ3400年までかという声もでているほどです。これは大変な問題です。
これからはこのように、あと80年たって日本の人口が半分になろうというときに、果たして車だけが伸び続けるということがあるのでしょうか。
不思議なことに、建設省は「人口が少々減っても、車は増加する。」といっています。そして、四全総にあるとおり、2025年までに1万4千キロの高速道路網、それにプラス6千キロから8千キロの地域高規格道路をなんとしてもつくりあげる計画です。
現在、ドイツやアメリカなど先進国では、自動車の製造に道路整備がいくらやっても追いつかず、地球温暖化にも大問題と、車に対する規制が行われており日本は逆なのです。
京奈和道路(高速、有料)は、このような問題をもつ道路であることを先ず知っていただきたいと思います。
現在、奈良県内の京奈和道路は、五条道路、大和・御所道路はそれぞれ事業化されていますが、大和・北道路、すなわち横田から京都府境までの約15キロはルート(路線)決定(都市計画決定)もされていない道路で、その一部が現在問題になっているように、平城宮跡の地下をトンネルで通るのではないかといわれているものです。
ある議員になりたい人が「平城宮跡は空いている。京奈和道路をその地下(大深度)に通せば景観や排気ガス問題も解決できる。第2阪奈道路も地下で結べばいい。あわせて、平城宮跡の地下に大駐車場をつくって、パーク&バスライド方式で、大仏殿や奈良公園へ観光客を運んだらいい。」、地下であれば景観も守れ、排気ガス公害も東大寺付近が緩和されると主張して、選挙公約にしていますが、平城宮跡は奈良市内のド真中であり、大駐車場や自動車トンネルの排気ガスだけ考えても奈良市内全体が大変な公害問題になるでしょう。果たして、そんなことが許されるでしょうか。
一方では、[大深度法」が国会を通りました、10月から施工されるとおもいますが、地下4〜50キロの大深度では、民地も土地収用法にかけなくても、公共性があれば道路などライフラインを通すことができるようになりました。
「大深度法」の国会通過と関連して、現在奈良国道事務所が平城宮跡地内にボーリング調査をして、水位を確認して結論を出そうとしています。しかし調査の結果はあくまで 「推察」であって、「確定」ではありません。また、この調査で地下構造物をつくっても水脈に関係ある・なしの結論が出せる調査ではなく、トンネルをつくったあとも水位を観測し、水位の変動があれば、「しまった、やはり水脈に影響を与えた!」という証左にしかならないものです。その結果ゴーサインが出たとしたら大変なことになると、私は思います。
レジメの第1の水脈・地下水の問題は、園部先生から報告がありますので省きますが、私は長年、道路工事の施工監督にも携わってまいり、地下水問題のいろいろな失敗例を見て来ています。この工法だったら絶対大丈夫やといってやった工法で、片方の地盤が30センチも下がったということもあります。これも地下水を遮ったために起こったものです。
道路の地下トンネルは、大深度であればあるほど、地表から大深度に達する区間は、勾配をつけて据りつけが必要です。道路構造令という法律により勾配が設計速度100キロ/Hでは3%の傾斜となっているので、40m下がろうとすれば直線距離にして1333mも必要となります。このうちの半分近く約700mが少なくとも地表近くを通ることになり、トンネルの少なくとも前後2ヶ所で水脈を切ることは確実です。水脈を切ることによって地下水の圧力の変化が起きて、上の地下水の水位変化を引き起こすことになると考えるのは常識ですが、奈良国道工事事務所にそういうことに対応する調査もしているのかとたずねたところ、調査課長は「そういう調査はしていません。水位の上がり下がりだけをこの2年間調査するだけです。」ということでした。
一方、大深度地下トンネルは巨額の大工事となります。また安全の問題もあります。
国会でも論議になりまして、事前の地下水の調査、安全、情報公開など5つの付帯決議をつけています。大深度はまだ誰も経験したことのない領域であることを私たちは忘れてはなりません。
併せて、山陽新幹線にみられたようにトンネル内のコンクリート塊の落下事故には、どのような工法で対処していくのか、まだ答えは出ていません。トンネルのコンクリート対策は現在の施工体制では完全な施工が無理で、特別な体制が必要なのです。
また、重要な公共構造物は百年の大計の上に立ってつくられなければなりません。 あと、80年で日本の人口が半分になろうとしているときに、高速道路は作った、が交通量少なく大赤字、トンネルは漏水がザアザアする、補修するにも税金は今までの半分しか入って来ない。地下水が溜まったままほっておくのか、ということになります。
後世の人が『先人が残した歴史的遺産、平城宮跡の大深度にポッカリ大穴がある。これも歴史遺産だ』にするのかーーー笑っている場合ではありません。子孫に巨大な負の遺産として残すことになるからです。そんな取り返しのつかないことがあってはなりません。
奈良県の道路の現状ですが、国道24号線(奈良市内)の交通量は平成2年の調査よりも平成9年の調査の方が減っています、(法華寺町を除いて)とはいうものの、通勤時間帯では京都方面より南下する車と北上する車でかなり渋滞することは事実です。この通勤対策さえすれば、あとは渋滞しません。
従って、どうしても高速道路が必要だと考える場合は、現道24号線の一条交差点から横田までを一般道路4車線2階建(高架橋、制限時速60キロ)とすればそれで解消します。(古都、奈良の都に高速道路はいらない、を参照して下さい)し、建設費も安くつきます。又、排気ガス公害から「文化財」を守るために、どうしても60キロ/H制限が必要です。
30年から40年後に日本の人口が半分になると予測されているときに、世界遺産平城宮跡の地下を串刺しする道路をつくり、財政難なのに巨額の資金を使い、安全や環境の問題からしても不安な高規格の高速道路を作る必要はないことを付け加えて、話を終わります。
なお、詳細について説明できませんでしたので資料として、「『京奈和道路』の平城宮跡の地下(大深度)トンネルは地下遺物(構)を破壊するなど、問題だらけ」、そして高速道路が無くても現道の改良で十分対処できる(案)として、「古都・奈良の都に高速道路はいらない−「大和北道路」は高速道路でなく、現道24号の改良で対処するのが最良」を付けていますので、是非、ご一読下さるようお願いします。
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