休憩室 2
このページはおく農園の園主の私(吉田 謹治)が農園だよりや日頃感じていることなど
を書いたページです。農産物のページではわからない農園風景やその時々の園主の考えていることなどを
紹介していくページです。ご意見等ありましたらお寄せ下さい。
okunouen@titan.ocn.ne.jp
サルと人の幸福度
今朝、サルの一群が我が家に1本しかない梨を目指してやってきた。たまたま気づいたので必死で追っ払い、
ちょっと早いかと思ったが成っている梨を全部取ってしまった。サルはあきらめきれず、
しばらくこちらの様子をうかがっていた。
定期的に農産物を荒らしにサルの群れがやってくる。1年のうち5,6回か。猪は猟の時期以外は毎晩、農場の
そこここに現れ、農場、農作物を荒らしていく。ここ2,3年,南伊豆の農家は畑を柵で囲い、猪害は防いでいる。
柵のない所はその分被害が大きい。
サルは20〜30匹の群れでミカンや柿などの果物。とうもろこしやさつまいもなどの野菜でかなり被害を
受けている。
サルの行動半径はどれくらいかわからないが、おく農園には温州みかん12〜1月。ニューサマーオレンジ、2〜5月。びわ、6月。
栗、9月。とかいうよに作物により、場所により出没する時期がだいたい決まっている。
振り返って子供の頃、誰しも楽しい思い出が多いいことと思うが、
私の場合も野山を駆け回ったことが、何よりの思い出となっている。
3月になるとふきやわらびが出てきて、それをふろしきを持って取りに行く。場所は全部知っているのである。
5月末からさくらんぼ、桑の実、びわ、ぐみ。7月になると山桃。川ではえびとり。うなぎ。はや。晴れた日に
川に入らない日はなかった。
9月、10月は山くり、柿、あけび、やましょ。11月はやまいも堀。12月めじろつけ。村中でそれぞれにいる場所、ある場所を知っていた。
これらは全部、自然のものだが、(もちろん土地の所有者はいる)時には栽培しているみかんや柿など、人の目を盗んで
かっぱらった(盗んだ)。柿がどこにあり、あの木は甘だ。そっちにある木は渋だ。山ももはどこそこ。びわは、ぐみは、栗は、
とほとんどある場所と時期をそらんじていた。木に登って食べたさくらんぼ(野生の大島桜)や山もものうまさは忘れようがない。腹いっぱいまで。
無くなるまで食べた。
あれから数十年、すごい経済発展をして、人はいろいろな面で非常に豊かになった気がするが
単純明快な子供の頃の心の豊かさには勝てない気がする。
私たちの子供の頃と同じような生活を繰り返しているサルたち。かつ外敵もない。サルが一番いい生活ではないか。
70才をこえる近所の老人がいう。
「昔、親戚で家を建て替えるというとこと(大変)だった。木をきるから始まり、木だし、製材、基礎がため、家ほぐし(古い家)
建前、屋根ふせ(又は瓦)壁塗り等々。大工さんを始め、職人はいたが、その手伝いである。1年中、家を建てることにかかわり、
一家の主人はろくろく自分の家の農作業はできなかった。
自分の家ならともかく、親戚の手伝いで1年が過ぎてしまった。でも、お金なんかほとんど稼がなかったが、みんななんとか暮らしていけて、
けっこう楽しく過ごせた。しかし、こんなに豊かになった今日、建前の1日の手伝いもおっくうがる時代になった。」
全て経済中心となり、経済というものさし以外に無くなりつつある人間社会。優雅な生活は経済的なことをクリヤできた人のみの特権で
それまでは突っ走るか、あきらめるか、2つに1つしかないのだろうか。
ああ、サルに知恵を借りなければならない時期がきた。(2001.9.11)
|ホームページへ|
|休憩室1へ|