ここでは、私がカウンセリングでよく用いる「コラージュ療法」をご紹介します。といっても私は別にコラージュ療法の専門家でもなければ芸術療法に詳しいわけでもありません。子ども相手のカウンセリングが多いので、たまたま使う機会が多いだけなのです。勿論、実際の事例の作品は紹介できませんので、私が自分一人で遊び半分で作った作品、クライエントと一緒に作った作品、の幾つかをここでご紹介します。


 

  コラージュ療法とは
 
「コラージュ」というのは元々「貼り付ける」を意味するフランス語で、ピカソやブラックの始めたパピエ・コレから発展した技法です。雑誌やパンフレットなどから、自分の気に入った写真や絵、イラストなどを切り抜いて画用紙の上に好きなように貼って一つの作品にします。心理療法に応用されだしたのは1980代の終わり頃からで、森谷・杉浦・入江・山中らが学会で紹介するにつれて、広く臨床家たちの関心の的になってきています。手軽でやりやすい方法でありながら、そこに表現されるものは思いがけず深かったり、作品の創作を通じてクライエントの心が癒やされることもあるのです。
  カウンセリングでの使い方
  「こういうのがあるんだけど、一緒にやってみない?」と子どもに誘ってみます。小学校低学年の子であれば、よりダイナミックに遊べるブロックや箱庭の方を好む傾向ですが、中学生ですと、「言葉で自分のことを話すのは恥ずかしい」「かといって砂場で遊ぶなんて子どもっぽいことも嫌」と、なかなかセラピーの媒体が見つかりにくいこともあります。そこで割合に乗ってくれ易いのがコラージュです。それに、思春期は「気取り」の年頃ですから、芸術家気取り、憧れの人物気取り、大人気取り・・・・など様々な気取り屋さんがコラージュ作品を介して登場できるのが隠れた魅力なのでしょうか。
 作ってもらった作品は私が頂いておいて、後で本人の希望によりカウンセリングルームに貼ったりしています。それを見た別のクライエントが「面白そう、やってみたい。」と自分から言ってくる事もあります。作品への解釈のような事は一切しません。出来上がったらお互いに感想を言い合う程度です。

 

「涙のお皿」

題  「涙のお皿」

使っている写真と絵:皿、布生地、本、サンゴ、小物入れ、泳いでいる魚、海 

 この作品は遊びで私が作ったものです。真ん中のお皿はかなり大きく分厚い写真でした。「海の中」は私以外の人もよく使うテーマです。分析の人は「胎内回帰」を連想するのでしょうか・・・・。左の滴が涙をあらわしたつもり(と後で気付いてからこういう題名に)。
 何か泣きたいような気分と、その涙をしっかりと受けとめてくれるお皿が心の奥底で欲しかったのでしょう。(全くこじつけの解釈!)

1998.6月 作

 

 

「道」

題 「道」

使っている絵と写真:桜井幸子、巻き貝、馬、犬、道、自転車

 これは不登校の男子高校生とカウンセリング中に一緒に作ったものです。ちなみにその時その子が作ったのは4WDの車がいっぱいとテントを貼った作品。どちらかと言えば私の作品の方が女性的な雰囲気に。馬も私の好きなアイテムのひとつです。馬の目って何故あんなに物哀しい気持ちをそそるんでしょう。
 3種類の道と3+1種類の自転車を貼った意味は・・・・・・・今自分で考えてもよく分かりません。誰か解釈できる人、居ますか?

1998.5月 作

 

 

「静かなる者」

題 「静かなる者」

使っている絵と写真:中田英寿、綾波レイ、ナイフ、富士山、庭園、海、寝室、馬、ペンペン

これは私がちょっとグロッキー気味の時に一人で作った作品。よく見ると中田がレイの頭にナイフを突き刺していて、恐ろしい。
 静かなる者、という題名はやはり後から作品をじっと見ているうちに浮かんだもの。そういえば登場する者全てが「寡黙」だよなぁ、と思ったからです。

1999.2月 作

 

 

「秘密の花園」

題 「秘密の花園」

使っている絵と写真:木下さくら、ケロちゃん、花、ワイナリー、マスカット、ワイン、白樺の木

これは小学生の不登校の女の子と一緒に私が作ったもの。カードキャプターさくらの「はにゃ〜〜ん」となっている顔がポイント。女の子も「さくら」を一杯に貼った作品をこの時作っていました。作品を作った後、その女の子が、4年前にガンで亡くなったお母さんの話を初めて打ち明けてくれたのが印象的でした。「秘密の花園」という題はあまり深い意味はありません。バーネットの本は少年時代に読んだきり、ほとんど覚えていませんから。

1999.4月 作

 

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