相続実務の内訳@                             相続人調査・相続財産調査

1. 相続の開始

 ・ 7日以内に市役所へ医師の死亡診断書を添えて死亡届の提出します

2. 葬 儀

葬儀費用の領収書等の整理・保管をしておきます

3. 遺言書の有無の確認及び検認

公正証書遺言でない場合は開封せずに家庭裁判所の「検認」を受けて下さい

・ 検認は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします

申立てには被相続人や相続人の戸籍謄本や戸籍の附票、相続関係説明図等が必要です

検認手続は相続人全員に通知し所定の日に裁判所で開封します (1ヶ月くらいかかります)

検認終了後に裁判所書記官の検認証明書をつけてもらいます

検認は「一種の証拠保全手続き」であり遺言としての有効性を判定するものではありません

公正証書遺言の場合は「遺言執行者」に連絡を取って下さい (検認は必要ありません)

遺言書が法的に効果のない場合でもなるべく遺言者の最終意思を汲むようにして下さい

・ 発見した遺言書を故意に隠したりすると相続人でなくなることもありますので注意しましょう

4. 相続人の調査

市役所の戸籍課で最初に「被相続人の住民票の除票」を取ります (本籍地の記載のあるもの)

次に「被相続人の出生から死亡までの戸籍」を収集します (転籍をしているとかなり大変です)

・ 次に「相続人全員の戸籍謄本」を出生から現在まで収集します (重複しないように収集します)

同時に「相続人全員の戸籍の附票」も取ります (本籍地の記載のある住民票でも可)

相続人の調査が不完全だと相続手続きがすべて不完全になるので慎重に進めましょう

相続人の調査には親子関係や養子縁組等の法律的な知識が必要になります

行政書士は「職務上請求書」を使って戸籍謄本や戸籍の附票等を収集することができます

・ 戸籍や戸籍の附票等の取得は不正防止の為に運転免許証等での本人確認が必要となりました

・ 昭和32年に家単位から家族単位に改正あり  ・平成6年にコンピュータ化による改正あり

・ 明治の戸籍、大正の戸籍、昭和の戸籍は微妙に様式が異なります

収集した戸籍等を基にして「相続関係説明図」を作成します

相続関係説明図」は遺産分割協議や預貯金の凍結解除・相続登記に必要となります

相続人が行方不明の場合

 @ 住所を調べ現地へ行って根気よく探します

 A 家庭裁判所に「不在者財産管理人選任」の申し立てをします

 B 家庭裁判所に「失踪宣告」の申し立てをします

※ 根気よく探し出す@の選択肢が最も良い結果につながります

家事審判の申立書

5. 相続財産の調査

不動産(土地・建物)

・ 市役所の税務課で被相続人所有の不動産の「固定資産税評価証明書」を取ります

・ 代理で取得する場合は「委任状」と被相続人と代表相続人の関係がわかる「戸籍謄本」が必要です

・ 「固定資産税評価証明書」で概算での財産評価をします (相続税評価とは異なります)

・ 毎年送られてくる固定資産税納税通知書でも所有不動産を確認することはできます

・ 自分のものと思い込んでいる土地・建物が実は被相続人との共有の場合があります

・ 固定資産税評価証明書に基づいて不動産所在地の登記簿謄本を取り住所等を正確に確認します

   (登記簿謄本はお近くの法務局で全国の謄本が誰でも取れます)

・ 「固定資産税評価証明書」は後で相続登記の添付書類として利用されます

預貯金及び株式等

・ 金融機関や証券会社で死亡時の「預金等の残高証明書」を取り残高を確認します

・ 被相続人の預貯金を引き出して使う等の処分行為があると単純承認をしたものとみなされます

・ 相続人又はその代理人であることを戸籍や委任状で証明しなくてはいけません

・ 被相続人と代理人の「印鑑証明書」が必要です (代理人は実印を持参)

・ 平日にかなりの時間を取られるので思っている以上に大変な作業になります

・ 本人確認の為に窓口に来た人の運転免許証等が必要です

・ 被相続人と取引のある「金融機関等の一覧表」を支店別、口座別に作成します

・ 貸金庫を開くには相続人全員の立ち会いが必要です

・ 建物更生共済や出資金等についても調べます

・ 生命保険金は相続財産ではありませんが税務上一応頭の中に入れておきます

債 務

・ 「被相続人の債務は負の相続財産として相続人に承継されます」ので注意が必要です

・ 金融機関等からの「借入金」や「債務保証」がないか調べます

・ 被相続人の医療費、税金等の「未払金」がないか調べます

・ 葬式費用は相続税の計算上相続財産から控除されます

収集した残高証明書等を基にして「財産目録」を作成します

「財産目録」は遺産分割協議や遺言執行等に必要となります

   

◎ 相続資格を失う場合

相続人が相続人としての資格を失う場合が2つあります

相続欠格  民法第891条

他の相続人を殺害したり被相続人の遺言書を偽造したりした者は相続人になることができません

相続人の廃除  民法第892条

推定相続人が「素行不良」「親を虐待する」等の場合は相続人の廃除を家庭裁判所に請求できす