小学校/保健/6年/エイズ/

エイズの授業
                                                  TOSS SANJO  齋藤 一子
エイズに関する正しい知識とともに、エイズにかかっている人への接し方を考えさせる授業です。戸井和彦氏「エイズの授業」の修正追試です。

齋藤一子トップページへ


準備するもの
・画鋲が入った画鋲入れ ・エイズウィルスに感染したT細胞の拡大コピー(東京書籍『新しい保健』教師用指導書より)
・「小学生版 エイズ教育セット」(アーニ出版) ・『ぼくはジョナサン、エイズなの』などの本や記事


1 エイズとはしかなどとの違いについて知る。

発問1 健康なとき、ウィルスなどの「病原体」はどうなっているでしょう。次の3つの中から選びなさい。
 @空気中にも、体の中にもいない。
 A空気中にはいるが、体の中にはいない。
 B空気中にも体の中にもいる。
挙手させる。前時に「病気の種類」と「病原体がもとでおこる病気」をやっている。
正解はBである。
ここで、画鋲(病原体にたとえる)をたくさん入れたふた付きのパックを見せる。
説明1 「病原体」は、健康な人の体の中にもいろいろなものがたくさんいます。けれど、このパックのようにみはりがいて、ふたをされているような状態になっていて、暴れない仕組みになっているのです。
発問2 では、このふたがとれるとどうなるでしょうか。
・中に入っている「病原体」が暴れ出す。
・暴れ出して、いろいろな病気にかかる。
発問3 病気を防ぐ働きが弱くなり、いろいろな病気にかかりやすくなります。これは大変なことです。
     病気を防ぐ仕組みそのものを弱くしてしまう病気をなんというかしっていますか。
・エイズ、と出た。
そこで、
「エイズって聞いたことがありますか。」と聞くと、半数以上の子が挙手した。
「エイズについて、どんなことを知っていますか。」と聞くと、
・注射器を使い回すと、うつる。
・きずときずがくっつくとうつる。
・こわい病気。
と、返ってきた。
説明2 エイズもエイズのウィルス(HIV)がもとでおきます。
    紙芝居を見ましょう。
 「小学生版 エイズ教育セット」(アーニ出版)の紙芝居を見せる。(戸井和彦氏の実践への付け足しである。)
 エイズウィルスが、病原体に対し抗体をつくるように指示する白血球(T細胞)そのものに感染し、免疫機能を低下させることを説明している。
 エイズウィルスがついたT細胞の拡大コピーを提示する。 
発問4 エイズにかかったらどうなるでしょう。
・死ぬ。
・いろいろな病気になる。
説明3 病気を防げなくなりますから、体の中にいる、いろいろな病原体が暴れ出し、様々な病気になりやすくなります。普通は死んだりしないような病気で死んでしまったりするのです。
 
2 エイズの感染について知る。
「みんなが心配しているのは、エイズがどうやってうつるかですね。」といったあと、次のように問う。
発問5 人間の体からはどんなものが出ていますか。
・血 ・汗 ・おしっこ ・涙 ・うんこ ・鼻水 ・あか ・ふけ ・つば が出た。
発問6 このうち、エイズの患者からエイズのウィルスが混ざって出てくるのはどれでしょうか。
一つずついって挙手させる。
正解は「血液」である。
唾液、汗、便、尿などにはほとんどいない。精液を補足する。
説明4 エイズウィルスがたくさん入っているのは、血液と精液です。
     精液は5年生で勉強しましたね。精子がつくられるようになると、それがたまってきて、ペニスから出てきます。射精と言いました。その精子がはいっ     ている液を精液と言いました。残念ながら、この精液にも、エイズウィルスはたくさんいるのです。
     それ以外のものには、ほとんど入っていないのです。
     エイズウィルスは大変弱い性質をもったウィルスです。暑さにも、水にも、空気にも、洗剤などにも弱いのです。塩素にも弱いです。
     血液に入っていても、体から流れて、空気にふれると死んでしまいます。
     インフルエンザや水ぼうそうなどのウィルスより、ずっとずっと弱いのです。
発問7 これからカードを見せます。カードにかかれているようなことをすると、エイズはうつるでしょうか。
 前述のエイズ教育セットを使う。
 「せき・くしゃみ」「まわしのみ」「握手」「プール」「おふろ」「か・はえ」「けが」「歯医者」「食器」「だきあう」「キス」「トイレ」(うつらない)「注射のまわしうち」「性交」「母親の胎内にいるあかちゃん」(うつる)のカードをランダムに提示して、一つ一つ聞いていく。
 先ほどの説明があるので、うつるうつらないがよく判断できていた。

3 エイズにかかっている子への対応を考える。
発問8 エイズにかかっている子は、学校でどんなことができるでしょう。
  @体育ができない。
  A普通に生活できる。
 @ 6人 A 25人 
 普通の子とかわらずに生活できることを知らせる。
発問9 エイズにかかっている子が転校してきました。あなたならどうしますか。
 近い方を選んで、その理由を書きなさい。
 @なるべく近寄らないようにする。
 Aいっしょに遊んだりして友だちになる。
 @ 2人 理由 ・けがをしたときに、自分もけがをしているとうつるかもしれない。
 A 29人理由 ・その子も自分もけがしていることなんて、めったにない。
            ・ふつうに生活できるんだから、普通に友だちになればいい。
           ・転校してきたのに、けがを心配して近寄らないなんて、きらわれていると思ってしまう。
           ・エイズにかかっている子も自分で気をつけるから大丈夫。
簡単に話し合わせた。
 ・@の人に反対。たとえば片腕に傷があっても、反対の腕で手を引いて、保健室に連れていけばいい。
 
ジョナサンの写真「ぼくはジョナサン、エイズなの」を提示する。保健の教科書にもある。(友だちと肩を組んでいる写真)
説明5 この子はジョナサンといいます。未熟児で生まれ、血液に異常があって輸血した。その輸血の血液にエイズウィルスが入っていて感染してしまいました。
    エイズ患者の人への差別や偏見は、なかなかなくなりませんでした。ジョナサンもでした。それをなくそう、と、本を出したり、日本にも来て話したりしました。
 ジョナサンは今彼の友だちとこんなに仲良く生活しています。
 
授業の感想を書く。
・今日はエイズの勉強をした。ぼくは最初エイズはただの病気だと思っていた。しかし、勉強をしていくにつれてわかった。それは、エイズは体の中に入ってT細胞をたおしてぞうしょくして病気にさせるやっかいなやつと言うことがわかったからだ。エイズにならないように気をつけよう。

・エイズって病気自体かと思っていたけど、病気にかかりやすくなるとは思っていなかった。エイズは、空気や水、塩素にふれるとすぐ死んでしまうのでとても弱いと思った。

・今日のエイズの勉強で考えたこと。今、私は友だちになるっていったけど、本当だったとしたら、本当に私は友だちになってあげられるのか・・・・。ぜんぜんうつったりしないのに。差別をしてしまうかもしれないから。差別などはぜったいしないようにする。

・今日はエイズの勉強をした。エイズは、注射のまわしうち、せいこう、母のあかちゃんなどでなければうつらなくて、普通の生活ができるとわかった。エイズの子と遊ばないのは差別で、とてもかわいそうだ。もし、エイズの子がいても、いっしょに遊びたいと思う。

・エイズにかかった人はかわいそうだと思う。いじめられたりするからだ。エイズにかかってきた人が転校してきたら、友だちにして、いじめられないようにする。

・エイズが水や空気や塩素に弱いなんて思わなかった。地球に水と空気があってよかったと思った。

・パソコンのゲームにもエイズの人への励ましのメッセージがあった。きらわないようにしよう。

・エイズは知っていたけど、これだけすごいとは思わなかった。血を輸血してエイズにかかった。とても不幸な話だと思う。

・せいこうや注射器のまわしうちはしないし、けがをあわせるきもい事はしない。エイズはこわかったけど、今日ならった事で、エイズの人、エイズはこわくなくなった。うつる危険性は少ないから、エイズの心配はしない。

・今日は「エイズ」について勉強した。エイズは今までせいこうをする人だけがなるものだと思っていた。けど、注射を回しうちしたり、おなかに赤ちゃんができたりしてもひろがることが初めてわかった。

・今日エイズについて学習した。前にエイズのドラマがあった。だからエイズという言葉は聞いたことがあったけど、よくわからなかった。しかし、今日エイズについてよくわかった。もし、同じ学校にエイズにかかった人が来ても、友だちになって遊びたい。もしできたら、なぐさめてあげたい。

・エイズになったら大変だと思う。かぜをひきやすいから学校にもあまり行けない。みんなほとんどが友だちになるといった。ぼくもそう思う。だけど実際に会ったら、さけてしまうのではないか。悪いことに、エイズを治す方法はまだわかっていない。たんじゅんにはかいされた白血球のT細胞を輸血したらいいのだろうと思ったが、それじゃあだめなのだろう。いつか治す方法が見つかるといいと思う。

TOSS(登録商標第4324345号)、インターネットランド(登録商標4468327号)
このサイト及びすべての登録コンテンツは著作権フリーではありません

                                          もどる