伴一孝氏の「教科書音読をスラスラさせる指導法」VTRを文字化する。

                                             三条市立月岡小学校 斎藤一子
伴一孝氏が2000年6月4年生に行った「白いぼうし」音読指導のVTRを記録したものである。
記録からわかることを大きく5点に分けてまとめてみた。
伴一孝氏の許可をいただき、掲載した。


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時間・・・VTRに表示された時刻である。発問・指示は青色にし、声がけや動きと分けた。備考の文責は斎藤。
時間 発問・指示   声がけ・動き 子どもの様子 備考 
49'01


49'54
50'07
50'20

51'10

52'36

53'11

 
辞書を引いてみましょう         
第一問「メモ」     
  一番、二番、・・・
  今半分
  あと5秒  はい、そこまで
次、「ワイシャツ」   
  一番、二番・・・あと5秒、はい、そこまで
最後「紳士」      
  一番、二番・・・・
○○さん、紳士の意味。
○○さん。
はいすわりましょう。      
一勝、二勝、三連勝。  
            

26秒後ひとり立つ
マーカーでチェック



13秒後ひとり立つ


16秒後ひとり立つ


時間がかかる
挙手。三連勝が半数。
辞書を引く

1分21秒で全員



47秒で全員

立っている子がさりげなくおしえるシステムがある



2分で全員
53'20














 
今日は新しいところを読みます。教科書の50頁を開けて。「白いぼうし」というお話です。
読んだことある人、はい、よろしい。
今日はいつもと少しやり方を変えます。
いつもは最初から最後まで読むんですが、今日は一時間の中でいろんな読み方をしますから、短くします。
50頁開いてますか。
はいよろしい。
52頁を開きなさい。そこの2行目と3行目のあいだに一行空いています。
指で押さえなさい。
隣と確認。
そこまで。
○○さんたちいいですか。そこまでを今日読みます。あとのとこは読みませんから、少し鉛筆でしるしをつけなさい。  50頁に戻って。いつものように丸を十個書くんですが、今日は52頁の今のところまでの十回にしますから、ちっちゃい丸を十個書いてください。
ちょっとだけの十個書きなさい。
  
  できましたか。


挙手少数。



開けました。




はい。





できました。

 






指、隣同士、個別、しるし、と、
範囲の確認を二重三重にする。





 
54'50











 
先生が読みますからついてきなさい。      
  姿勢をちゃんとしましょう。           
   題名と本文の間はすこし開けます。
  ○○さんは姿勢がよいですね。
  ぐちゃぐちゃになっています。もう一回読みます。
  正しく読みますよ。
  背を高くして。背が低くなっています。
  男子の声、元気がよろしい。           
   正しく読んでない人が半分くらいいます。
  書いてあるとおりに読まないといけません。
  今度は正しく読めました。
  腕を伸ばしなさい。手が曲がっています。
  ○○さんと、○○さんのしせいがいいな。

読む。










 
一文追い読み

読んでいる子どもをよく見ている。
細かな見取りと指導・評価が入る。
<姿勢・声・正確さ>


 
58'38
 
今読んだところを起立して読みなさい。     
何回読みましたか。2回ですね。2個塗って。  
起立して読む。
 
ひとり読み
 
59'53'


03'46

 
塗ったら起立して隣の人と一文交代で読み、最後までいったらもう一回始めに戻って順番を代えてもう一回読んですわります。
起立。

  塗った人。
  早く終わった人はもう一回読んでるか、わからないところを辞書で引いています。
読み終わった子から、すわって音読したり、辞書を引いたりしている。
 
一文交代読み
    ×2回

読み終わった後の行動を確認している。
03'59









 
一文読みをします。  
  一人一人の読み終わりに、「はい」「はいよろしい」と声かける。
  上に持って読みなさい。
  (読み間違い)もう一回読んで下さい。
  (一回終了)始めに戻って。
  (読み間違い)一カ所違ったのでもう一回。
        ・・・ そこが違う。
  (以前の間違いに戻って)○○さん、もう一回読んで下さい。
                 「速達」「そくたつ」発音させる。
  みんなにもさんはい。○○さん、はい。
            
次の人が立っている。








 
一文読み


読み間違いを見つけ、直す。
発音も指導する。
発音は、他の子にも確認している。

 
07'36



 
グループをつくってグループの中で一文読みをします。
読むときには今のように間違えている友だちがいるかもしれませんからよく聞きあって下さい。
では始め。
          
 
机をさっと動かして始める。
順番はきまっているくらい取りかかりが早い。
グループで一文読み
机を直す指示を早いグループに出す。
10'46







 
このお話の中には「」がいくつか出てきます。いくつか数えなさい。   
(指名して)○○さん。いくつでしたか。 
6つでしたね。     
それぞれ誰がいったかを確認します。      
出てきている人は二人です。          
誰と誰か言える人。   
(指名)○○さん。   
松井さんと紳士というふうにしましょう。     
聞き直す子がいない。
すぐ数え始める。
6つです。



運転手の松井さんと、紳士です。
机を直し終わるやいなや発問。

一分かかっていない。





登場人物の呼び方を統一する。
11'30






12'02

12'11




 
今確認した「」の上に、紳士が言ったものには「まるし」、松井さんが言ったものには、「まるま」と書きなさい。
始め。

   鉛筆です。
   間違える人もいるかもしれませんが、かまいませ ん。みんなで確認して直せばいいのです。
   早いですね。さすがです。
つけた人。手を挙げてごらん。
   5年生みたいですね。
   はい、終わりました。
一つ目、・・・そう、松井さんです。
まるまの人、そうなっている人。
    
二つ目、・・・・・     
   違っている人は直すんですよ。
三つ目、・・・四つ目・・・ 五つめ・・・・、六つ目・・・







「かきました」
「はい」挙手

松井さん、と口々に言う
「はい。」挙手

 



指示付け足す。
間違いに対する不安を除いてやる。

ほめる。
全員を確認する。

ひとつひとつ挙手で確認する。

 
12'54


 
役割を決めて読みます。「まるま」が男子、「まるし」が女子。かぎかっこでないところは誰がよむんでしょう。先生ですね。女子から読みます。さんはい。
 というふうに役割を決めて読むとおもしろいですね。
「はい」
「先生です。」

 
役割読み
返事をしている。

 
14'25


 
せっかくですから、松井さんを松井さんに読んでもらいましょう。賛成の人拍手。地の文を女子、「紳士」を男子が読みます。男子、さんはい。 
  おもしろかった人、拍手。

拍手。
指示が出ると同時に立って読む。
役割読み
拍手で盛り上がる。
 
16'32


 
では、だいぶじょうずになってきたので、今度は、今のように上手にまちがいなくすらすらとできるだけ速く読む練習をします。起立して自分の最高のスピードで読みなさい。起立。


 
速読
指示そのものが速い。
 
17'36










 
今度は先生と交代で読んでみましょう。
先生もできるだけ速く読むから先生が一文読んだらみんなが一文、先生がまた一文読んだらみんなもまた一文。
理解できた人。
  教師から読む。
  違う違う。次を読む。
  教師が読む。
  ぐちゃぐちゃでなく、きれいに読む。
  今のは遅いですね。

 






追い読みしてしまう。

速くそろうよう
になる。
 
一文交代速読

よけいなことをいっさい言わない。






 
18'40
 
次、チェンジです。みんなが先です。はいどうぞ。

今のが一回なので塗りなさい。

 
一文交代速読
 
19'42


 
今度は今ぐらいのスピードで隣の人と読みます。さっきと同じですね。順番を代えてもう一回読みます。どのチームが速いか。よーい、起立。

今のは一回塗っていいんだよね。塗った人。はいよろしい。
立って読みあう。


終わったら塗っ
ている。

 
隣と一文交代速読



 
21'42
 
22'49





 
はい、次です。
今度、先生が一文読んだら、みんなが1人ずつ読んでいきます。さっきみんなで一緒にやったんですが、一文一文一文一文とやっていきます。
今度はそっちからですか。○○さん。次の○○さんが立って待っていますね。

 
次々に立って読む。
全員終わるまでやる。


 
一文交代速読
速さを教師の読みで示す。
速いので、教師が入ることでつながりがスムーズにいく。
24'00




25'56

 
最後ですが、さっきとやり方を変えて、松井さんは松井先生、紳士を男子が読みます。地の文を女子が読みます。
   
勘違いしてました。
紳士を女子、男子が地の文ですね。

上手によめました。家でも練習して下さい。
漢字のテストをします。

 





「はい。」

 
役割読み




ほめる

 

 記録してわかること
1 次々にレベルをあげていく。ひとつひとつに明確な意図がある。
  @追い読み
  A1人読み
  Bとなりと一文交代読み
  C全員で一文読み(正しさの確認)
  Dグループで一文交代読み
  E役割読み
  F1人で速読
  G教師対子ども全員で一文交代速読(読みの速さのめやすを与える)
  Hとなりと一文交代速読
  I教師対子どもひとりひとりで一文交代速読(教師・A・教師・B・・・)
  J役割読み
 全部で17回読むことができた。 
2 細かな励ましと評価がある。
  <評価の視点>
  @姿勢・・・・・・・・「姿勢がよいです」「背を高くして」「腕を伸ばしなさい」「手が曲がっています」「(教科書を)上に持って読みなさい」
  A正確さ・・・・・・「正しく読みます」「書いてあるとおりに読まないといけません」「正しく読めました」
  B声・・・・・・・・・・「元気がよろしい」
  C発音・・・・・・・・「もう一回読んで下さい」「そくたつ・・・」
  D速さ・・・・・・・・「今のは遅いですね」「今ぐらいのスピードで読みます」
3 追い込みをかけて詰める。(よいことをほめることも追い込みの一つ)
  @比較する・・・・・・「一番・・二番・・今半分・・」
  A時間を区切る・・「あと5秒」
  Bレベルを言う・・「5年生みたいですね」
  Cできたできないの確認をする。
  D指で押さえ、さらに隣と確認する。
4 空白がない。
  @追い読み・・子どもがよみおわらないうちに読む。
  A早く終わった子への指示・・「もう一回読んでいるか、わからないところを辞書で引いています。」
  B差の出過ぎないページ数
  C他人の読みを聞くための指示・・「今のように間違えている友だちがいるかもしれませんから、よく聞きあって下さい。」  
5 日常的な指導が徹底している。
  @返事
  A「できました」「書きました」「開けました」という声を出させる。
  B黙って聞く。
  C早く終わったときにすることの指導。
  D次の人が立って待つ。
  Eグループ読みの順番。(これは斎藤の予想)
  F辞書引きで、早く終わった子は立つ。まだ見つからない子に静かに教えてやってよい。