12AU7PPアンプ(2003/05/13)

【1】12AU7PPQRPアンプの製作

【2】50BM8超三結アンプの製作

【3】2A3プッシュプルアンプの製作

【4】6V6GTシングルアンプの製作

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外観写真
12AU7PPアンプ
ツマミが大きすぎてデザイン上バランスが悪いので小さい物を物色中。
 

12AU7について

12AU7は意外と馬力のある球でドライバーなどはよく使われています。現用のプリアンプに使っていますが、電流を多めに流すと音が良くなるようです。プリアンプのテスト用の球が沢山あったのでパワーアンプを作ってみました。


12AU7PPアンプ概要

パソコン用に小さな真空管アンプを作ろうと思い、いろいろネットを調べるていると「手作りアンプの会」というサークルを見つけました。小型のアンプにノウハウがあるので早速入会しました。
このアンプはジャンクで入手したマッチングトランスを何とか利用しようというのが始まりです。
よく喫茶店や店舗の天井に付いているスピーカーには小さなトランスが付いていて100V電送というハイインピーダンスの伝送方式が使われています。何10メートルもスピーカーの線を延ばすには電圧を高くしてケーブルの損失を減らす必要があるのです。高圧電力線と同じ理屈です。
さて、トランスの一次側にはCOM-3.3K-5-10Kの表示があります。3.3kがセンタータップなら(2.5kが中点ですが3.3kという中途半端な値に何か意味があるのかと考えました)プッシュプルアンプに使えそうです。早速測定してみるとやはり20%ほどアンバランスがあります。
そこで、手作りアンプの会の掲示板で相談したところ問題ないだろうという答えが返ってきたので採用に踏み切りました。
久々の工作ですがとりあえず音が出る事を目標に12AX7の一段増幅の後に12AU7の出力段で位相反転も行うという横柄な回路にしました。カソードを共通にして定電流ダイオードを入れました。いわゆる差動増幅回路で、このような回路は上杉佳朗先生の「管球式ステレオアンプ製作80選(下巻)」に作例があります。
見栄えを重視して割と高価なシャーシー(@2,560)を使いましたがトランスは安価な物です。磁気シールドがないので電磁誘導によるハムが心配でした。ここは定石通り磁力線が直角に交わるように配置しました。
また、ヒータートランスを省くため真空管のヒーターを直列に接続し、手持ちのフィルムコンデンサーを使って100Vと直結しました。計算上は4.3μF程度のコンデンサで規定の電圧になりそうですが、手持ちが2.2μFだったので2個並列で4.4μFです。とりあえず試してみると10Vほど電圧が高かったので電源トランスの90V端子に接続しました。これで真空管のヒーター1本あたり、ぴったり12.6Vがかかるようになりました。コンデンサーの容量には誤差があるので、実験してみないとうまく行かないことが分かりました。
その他、スピーカー端子はバナナプラグが使える陸式ターミナルを使いました。ジョンソンターミナルより丈が短く格好の良い物です。電源の電解コンデンサーはレンズ付きフィルムを分解してリサイクルしました。小型でこのようなアンプには十分使えます。
内部は右下の写真のようになっています。放熱のためCRDはリードを切らずに使いました。内部写真
出力は0.5W以上を期待したのですが0.3W程度になりました。心配したハムは全くありませんでした。それどころか超低雑音になりました。これまで作ったパワーアンプは残留雑音が0.2mVから0.5mV程度あったのですが、今回は一桁小さくなりました。
電源トランスに近い左側の雑音が右と比べると大きいのですが、これだけ単体で見ると十分に低い値です。ちなみに電源トランスにお菓子の缶の蓋等を近づけると雑音が下がり誘導の影響が見られます。
最後に音質です。とてもクリヤーな音ですが、多少ひずみっぽいようにも感じます。
歪率計などオークションで売り払ってしまい十分な測定が出来ないので今回はこれ以上追求しないことにしました。

・残留雑音:左 => 0.16mV 右 => 0.04mV
(入力ショート、ボリューム最大、8Ω負荷 0.3mVフルスケール交流電圧計で測定)



回路図

回路図エディタは水魚堂さんのBschを使っています。とても使いやすくて気に入りました。


部品について

部品は手持ち(デッドストック)+通信販売で入手しました。総費用は1万円弱です。
全て新品を購入しても2万円以内で収まります。

主要部品

メーカー、品名

入手先等

真空管

12AX7,12AU7

クラシックコンポーネンツ

電源トランス

シンコー 6BZ22WCD

秋葉原ラジオモール

出力トランス

ナショナル? TTO2002B

PAスピーカ付属マッチングトランス

シャシー

タカチ CH 4-10-20GS

秋葉原ラジオモール

定電流ダイオード

石塚電子 E-103

サトー電気

CR類

金属皮膜抵抗、セメント抵抗等

サトー電気

電解コンデンサ

100μF330V

レンズ付きフィルムより取り外し



今回得られたノウハウ等

・半田鏝は20〜30Wと60Wの2本必要です。電源のヒューズホルダ等は端子が大きく30Wの鏝でちまちま作業をするとビニール線やプラスチックが溶けてしまいます。大きな鏝で一気に半田付けするときれいに仕上がります。30Wの鏝で電源コネクタを溶かしてしまいました。
・配線材は耐熱電線かテフロン被覆線が必須です。通常のビニール線だと半田付けの時にすぐ溶けて焦げてしまいます。
・今まで作ったアンプは初段付近で1点アースにしていましたが、今回アンプ自体が小さいことと部品の放熱も考慮してアース母線式を採用し、電源トランス付近でアースしました。小さなアンプでは配線が楽です。
・抵抗器は手持ち品と金属皮膜抵抗器を購入しましたが、1/2W形がお勧めです。1/4W形は小さすぎて配線がしにくくなります。また、カラーコード表示の抵抗器が外見上も見栄えがよいのでお勧めです。
・シャシーの大きさは10cm×20cmです。写真では配線に余裕があるように見えますが、この位が限度です。これ以上小さいと半田鏝が端子等にうまく接触できないことが分かりました。