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消費税の改革
『プランB』28号 2010年8月号掲載
食料品外し消費税
高額商品に累進課税を

 税制の実態についてよく知ることが必要だが、そこが分からない。マスコミでの基礎的数値の報道がいい加減なことが多い。
 法人税の実効税率が四〇%で外国と比較すると高いともっぱら報道されている。この点は日本共産党が「赤旗」で大きく取り上げているが、大企業優遇税制によって実際は三〇%くらいだと暴露されている。
 新聞に「所得税の最高税率は一八〇〇万円超は四〇%」と書いてあるが、一八〇〇万円というのは所得額ではなく、所得額より低い。さらに一八〇〇万円に四〇%を掛けるだけではなく、そこから約二八〇万円を引くことになっている。実際は四四〇万円で、わずか二四%にすぎない(一億円だと、三七%)。
 消費税についても、最近ようやく諸外国では食料品などは課税対象から外されているとか、税率が低くなっているとか、低所得者には還付している(カナダ)とかという記事が書かれるようになった程度である。ただ「消費税」と言うだけではそれらの違いは分からない。菅直人首相が「四〇〇万円以下の低所得者には納めた消費税分を還付する」と発言して、話題となっている。共産党の志位和夫委員長は「返すのなら取るな」と批判しているが、話を単純化した誤りである。この提案を批判するポイントは、1.「四〇〇万円以下」の補足が困難であること、2.そのためには納税者番号制度を整備しなくてはいけないこと、3.「還付」の方法がきわめて複雑煩瑣であること(レシートを保存して申告する?)、さらに4.税率一〇%では納税額のかなりの部分が還付に廻されるので、税収増加に効果が少ないこと、この四点にある。菅首相は4.の数字をあげないので、どのくらいかは不明だ。
 国家財政の不足は、大きな利益を得ている大資産家や大資本家がより多く負担すべきである。所得税と法人税の改革が必要である。消費税と聞くと、条件反射的に「反対」と叫ぶだけでは、勝負にならない。では、どうすればよいのか。

食料品外し消費税

 一つは、消費税の課税対象から食料品を外すことである。食料品に限らず生活必需品としてもよいが、食料品だけでも具体的には製品の種類がさまざまなので、線引きが困難だから、まずは食料品だけでもよい。エンゲル係数は近年は平均が二〇数%となっているが、低所得者では五〇%の場合もある。現在の消費税全体のなかでの食料品からの納税額がどのくらいになるのかを知らなくてはならないが、数値が分からない。消費税について詳しく特集した『週刊ダイヤモンド』にも出ていない。仮に、消費総額が三〇〇万円の場合、食料品に一五〇万円支出していると、現在の消費税は一五万円だが、消費税を一〇%に上げても同額となる。高額所得者でエンゲル係数が低い人は増税となる。
 ただし、具体的に品目をどうするのか、また税率の相違ゆえの計算の複雑さという問題が生じる。ヨーロッパでは、図書購入や旅行の税率を低くしている国もあり、複雑ではあるが不可能ということではない。

高額商品に累進課税を

 もう一つは、高額商品への累進課税である。例えば一〇〇万円以上の商品には三倍の税率にする。富裕層の贅沢品購入から沢山の税金を取ることになる。華美な「高級品」嗜好に歯止めがかかる点でも有益である。   
 住宅については別に考える必要がある。豪華な邸宅の場合には多額の課税も許されるだろうが、低所得者が住宅を購入する場合には配慮が必要である。 (村岡到/『プランB』編集長)