はじめに 
since.2004.7 3  更新2005. 9.23


ワシの名前はゲン。仕事は世間から蛇蝎(だかつ)の如く忌み嫌われとる新聞拡張員や。確かに同業者には、えげつない奴やええかげんな奴もおる。

せやけど、全部が全部そんな奴ばかりやない。中には、ワシのように真面目な?拡張員もおるんやということをまず知って欲しい。

好きこのんで拡張員をやってる奴はおそらく1000人に1人もおらんやろと思う。聞けば辛く哀しい事情を持った者が多いんや。中には笑えるような奴もおるけど。

人間の世界には、どこにでも、ええ奴と悪い奴、真面目なのや、いいかげんなのという具合に、いろんな種類の輩がおる。

社会的に信用があるとされとる職業でも、警察官、教師、弁護士なんかが引き起こす凶悪事件は珍しくも何ともないし、裁判官ですら何をするか分からんご時世や。

職業に、貴賤なし、悪者なしや。悪者が職業を選ぶんや。

しかし、世間はそうは思わん。拡張員は悪で最低の人間、極悪非道の輩というのが大方の見方や。拡張員ほど嫌われとる職業が他にあるやろか。もちろん、合法的な職業限定での話や。

拡張員と知れたときのワシらに対する世間の視線の冷たさを、今、これを興味本位で見とるあんたに想像出来るやろか?あんたらは気がつかんかも知れんが、とても人間の眼やない。蛇やゴキブリに対してでも、もうちょっとましな目つきをしとると思う。

人が初対面の人間を評価する場合、多くはその職業でする。何をしとるかによってその人間の評価が決まる。ゲンが拡張員をしとるというのやなく、拡張員のゲンなわけや。せやから、ワシだけは違うでと言うてみても誰も耳を傾けんし、相手にもせん。人間性の評価はその後になる。

もちろん、ワシもそんなことは、百も承知や。例え、どんな事情からにせよ、この仕事を選んだ限りは、それは覚悟しとかなあかんことや。それがどんなに不条理やとしてもな。世の中には、そういう仕事もあるということや。 

そんなやり場のない哀しさと、うっぷんを溜め込んでたワシは、ある男と知り合うて一気に目の前が開けたような気になったもんや。

それが、ハカセ(管理人)やった。歳はワシより若いが尊敬できる人や。

ハカセはワシの話を面白がって熱心に聞いてくれた。ある時、ハカセの家で、ワシが「こんな拡張の話ばっかり聞いてどうすんのや」と訊くと、部屋のパソコンを指さして「ゲンさんの話は面白いからインターネットで公開しようと思うんだけどかまわないかな」と言う。

それで、ワシの話が日本中に流されるということらしい。正確には世界中ということらしいが、アメリカやヨーロッパにも拡張員ておるんやろか。シュワちゃんみたいなのが洗剤持って来て「アイル ビー バック」てやったら迫力あるやろな。

ワシは喜んだ。世間の認識まで変えようとは思わんが、言いたいことを言えるというのはええことや。ワシの拡張員人生10年で培った手口、いや、ノウハウと情報を徹底的にハカセに話すことにした。

ただし、ワシはA新聞、Y新聞、S新聞の拡張で、関西と東海方面しかよう知らん。たまに、特拡(新聞社や親交のある団からの特別の依頼で出向する拡張)の応援で関東に行ったくらいやから、関東方面がどうのという話も出来ん。

ワシのホームグランドの関西、東海にしたところで、各新聞社、各販売店、各拡張団の違いによってルールもやり方も違うから、ワシの手口やノウハウがすべてで通用するわけやない。

10年選手のワシでも知らんことはある。あくまでもワシのやり方、ワシが知り得た情報やということや。

ワシは告白めいて拡張の話をするんやない。ハカセが知りたいと言うから話すだけや。拡張員の悪事を暴いて世の善良な新聞読者を救おうなんて気はあらへん。それどころか、こんなえげつない新聞読者も居てんのやということも話すつもりや。

それで、どう思うか、考えるかの判断や評価は、これを見とる暇なあんたがすればええことや。

ハカセはワシのことを気づこうて、現役の拡張員であるワシの正体を特定でけへんように、具体的な話はなるべくぼかす言うてたけど、どうなんやろ。そんな必要あるんかな。

このホームページを見て心当たりがあるちゅう人間は、ワシと一緒に仕事をしたことのある連中だけや。ワシの知る限り、その中でインターネットなんか見るような進んだ奴はおらん。例えおったとしても、見るのはアダルトのスケベサイトくらいのもんやからな。

それに、ワシを知っとる連中は、まさかワシがインターネットに関わっとるとは誰も夢にも思わんやろ。ワシは極度の機械音痴で知られとる。携帯電話は今の時代、仕方ないから使こうてるにすぎんしな。

パソコンなんてとんでもない。ハカセはたまに教えてくれるが、ウインドウズが95から98になって、今はペケピーやと言われても何の話か分からん。パソコンの用語はワシにとったら宇宙人の言葉と一緒や。

それに、ハカセとつき合いがあることも誰も知らん。心配はいらんと思うんやが、それでもハカセは、ワシに迷惑をかけたない言うことやから、好きにしてくれてええと答えた。

そんなハカセの考えもあって、特定の団体や組織名は公開せんことにしてる。誹謗中傷もするつもりはない。暴露が目的のサイトやないさかいな。

もっとも、ワシがえげつないと思う行為は指摘することもあるが、それは、あくまでも個人的な意見にしか過ぎんということも理解してほしい。

世の中、何をしていても、ええ人間もおれば、あくどい人間もおると言うことを念頭にワシの話を聞いて貰えたらと思う。


2005年9月23日、現在、このサイトを開設して1年以上が経過したが、今では、多くの拡張員、新聞販売店関係者の方々の協力もあり、サイトの内容も充実して、最早、ワシだけの話やなくなってきとる。

どんな業界でも、奥は深いもんやが、この新聞販売業界は、世間一般には、分かりにくい世界やから、尚更、その感が強いと思う。

実際、10年余りの拡張員経験があると言うても、ワシ一人の経験話ではたかが知れてる。その意味では、本当に多くの情報を寄せて頂き、感謝しとる。

また、一般読者の方々からも数多くのメールを寄せて頂き、本当にありがたいことやとも思うてる。ある人は、新聞勧誘の契約に関する疑問、また別の人は、苦情の相談、更に新聞業界への質問と本当に多岐に渡っとる。このサイトをこれから、ゆっくりと見て貰えればそれらのことも、分かって頂けるものと思う。

ワシは、この拡張員が素晴らしいという、バカなことを言うつもりもないし、自慢できるとも思わん。ただ、世の中には、こういう仕事があり、こんな人間がおるということが分かって貰えれば、それだけで十分満足や。


ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 

2011.4.28
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