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定電流アンプを製作したが、いよいよこれに合わせたSP造りである。電流アンプは出力インピーダンスが高くボイスコイルに電磁制動がかからないため、ボックス型SPシステムでは盛大なfo共振音を聴くはめになる。どうやら電流アンプに最も適したSPは、トライコーン・フルレンジユニットを平面バッフルに取り付けたものらしいことが判ってきた。(手作りアンプの会で、小さなバッフルに付けたトライコーンSPを定電流アンプで駆動した音を聴く機会を得たが、広々とした会場の最後部まで浸透するように響き渡らせたことは圧巻であった。) コーラルBETA8の磁気回路をベースにトライコーンSPを試作してみたので、紹介する。
ひも式ダンパー 最も自作が難しいのがダンパーのように思う。一般に用いられる布ダンパーはセンター保持には良いが、初動感度が鈍くどうも音が良くない。そこでひも式ダンパーを試してみる。袋ひもの細手で伸縮しやすいもの(リリアン)を選んでみた。 ひもの張り方は三角にするのがセンター保持の面で安定度が高いようだ。そして、センター保持力との兼ね合いではあるが、fo20Hz以下のフラフラにしたいものである。 ダンパーとコーンの固定はシリコン系接着剤を用いたが、今のところ全く不都合を感じていない。
サブコーンの成型と接着 サブコーンには凧紙二枚積層紙を用い、頂角75°に成型する。コーン同様にVCボビン外周部にセメダイン321で強固に接着した。
トライコーンを付ける 凧紙二枚積層、頂角110°でサブコーン外周より数ミリ大きなトライコーンを作り、接着する。なお、トライコーン、サブコーンともセルロース系接着剤(セメダイン321)をアセトンでかなり希釈して、軽く刷毛塗り含浸して音色を調整してみた。トライコーンの効果としては一聴して高域の伸びが抑えられたかのように聞こえるが、カチッと芯のある中高域になり、遠くに離れてもリアルな音像が届くようになる。また、トライコーンでできた空気室が適度な空気ダンパーとして働くためであろう、fo共振(コーンのフラフラ)が上手くおさえられるのが面白い。
バッフルに取り付けて試聴 簡単なバッフルを作ってみたが、補強に付けた枠で箱鳴りを作ってしまい、電流アンプの売りのストレートなエネルギー再現が台無しであったが、補強枠を切り抜いてやっと期待通りの音となった。けっこう真っ当なバランスの音でありながら、電流アンプのストレートさを出してくれている。低域も高域も十分に伸びていないのだろうが、音が立ち上がっているので、しっかり出ているように聞こえる。電流アンプ+トライコーンSPは周波数特性で聴かせるのではなく、波形で聴かせているので、波形再現を鈍らす要素は出来るだけ避ける意味でもSPは裸に近い状態で鳴らす方が良いということであろう。音はかなり満足できるレベルであるが、コーンをもう一回り小さくした方がもっと反応の良い音になるのではないかと感じている。
2002.9.7 もう一度作り直す 長谷部氏宅に作ったトライコーン・ユニットを持参し、電流アンプにて比較試聴を行った。 長谷部氏のFLAT8改トライコーンユニットが圧倒的に良い。それに比べると私の物はコーンが薄いので音に強さが無く、分割共振で不自然な響きがつきまとう。これまで何回か作ってきた経験では電圧アンプでは比較的薄く軽いコーンの響きが良いと思ったが、電流アンプではコーンが少しくらい重くとも強さがある方が良いことが判った。エクザクトのコーンも薄すぎて電流アンプ駆動には向かないようである。電流アンプ駆動で良くできたトライコーンSPを聞くとホログラムのように室内全体に音像を形成するのが心地よい(これは電圧アンプではどんなに高級なSPシステムであろうとも聞くことの出来ない世界である)。 そこで私もコーン紙をもう少し厚くして再度組み直してみた。改善点は次のとおり。
完成後の音は目指す方向に改善され、気持ち良く聴くことができる。だんだんとトライコーンユニットづくりのコツが掴めてきたようである。あとは自然に低域を伸ばせられれば申し分なしである。 2002.11.10 |