# # # 田舎の環境問題 # # #
〜身近に起こっている環境のハナシ〜

 さて、みなさん!このタイトルを見て、どう思いましたか?
「ええ?田舎で環境問題ってなにかな・・・空気も水もおいしそうだし、問題なんてあるの?」
 そう疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 でも、ちゃーんと環境問題は田舎でもモンダイなのです。

 ・・・実は、うちの近くには民間の処分場があります。
 以前は市の許可を受けるだけで建設できたので、周辺住民には何の説明もなく建設が始まりました。
 私たちは、煙突が建ってはじめて、それがなんであるかに気がついたのですが、時すでに遅く、役所は規制する法律は無いので、工事差し止めはできない、とまったく頼りになりませんでした。話し合いの結果は、新しく焼却炉は作らない、今の焼却炉が使えなくなるまでの10年間の操業とする、といった住民に非常に不利なものでした。

 折りしも、私の住む市は、ごみ有料化と共に、最新の焼却設備の整った処分場を建設しましたが、民間の処理場がこれでは何にも役に立ちません。月曜日の朝など、焼却炉が動き出すときに出る煙が、風向きにより圃場にたなびいてきた時なぞ、作業している私が気分の悪くなることさえありましたから、これはおそらく不完全燃焼時に発生するダイオキシンのせいではなかろうかと素人考えでもわかるものでした。(通常、絶えず燃焼しているときはそんなことはなかったので)

 それではうちの圃場はダイオキシンに汚染されているのでしょうか?

 ひとつ、経験的に、ではなく客観的に汚染度を推測できるバロメーターがあるのです。
 うちの葡萄園にはビニールが掛かっています。その「汚れ具合が違う」のです。
 それではみなさんは「以前に比べてビニールの汚れがひどくなったんだろう」と思いましたか?

 答えは「NO」です。・・・ではいったい何故?

 それは、数キロ離れたところにあった今までの市の焼却炉が廃止されたためでした。一つ谷を越えたすぐ近くの焼却炉よりも、ずっと遠くの焼却炉のほうが大きく影響していたことは、私にとっても大きなショックでした。

 しかし、私がここで言いたいホントの事は、「汚染が少なくなってヨカッタ」ということではありません。汚染されてようが、されてなかろうが、そんな事はたいしたことではないのです。こういうと問題発言になりますか?では・・・

 みなさん、多くのごみは、どこから来るのでしょう?

 そりゃあ、人口の多いところからです。

 そして、ごみを燃やすとこは、どんなとこで燃やすでしょう?

 そりゃ、なるべく人気の少ないところでしょう?

 ・・・そうなんですか?人が余り住んでなければ燃やしてもいいんですか?
 ダイオキシンが出ても関係ありませんか?・・・私はそうは思わないのです。やはり、どこかで関係してくるものだと思っています。
 
 私はこう、考えます。
 都会の人たちは、大勢の人が影響を受ける心配の無いよう、田舎でごみの処理を望みます。しかし、その田舎では、皆さんが普段口にする食べ物が作られています。
・・・さあ、どうでしょう?
 結局、直接汚染物を浴びるか、それを避けたつもりで汚染された環境で育った食品を口にする、たいして違わないことではありませんか。

 これを書いている99年2月初旬のマスメディアは、埼玉産のほうれん草が近くの処分場によりダイオキシンの汚染を受けている、との記事が取りあげられています。おかげで埼玉産のほうれん草の相場はガタ落ちだそうです。さあ、これは汚染されたほうれん草を出荷した農家が悪いのでしょうか?農家の方々は、ダイオキシンを浴びつつ、懸命に作ったほうれん草が叩かれてどんな気持ちなのでしょう?
 ・・・私ならこう言いたい。

自分たちが出したごみのせいで汚染されたものを拒むとは何事だ!これでは苦労して作ったものが無駄になってしまう。ここで昔から農業をやってきたのに、後から出来た処分場のせいでこれでは農業が続けられなくなってしまう。誰が責任を取ってくれるんだ?」

 ではここで、田舎の人たちがそこで処分場を操業できなくしたとします。すると、そのごみは一体どこへ行くのでしょう?どちらにせよ無関心ではいられませんね。そう、絶えず自分たちの出したものに対して関心を持っていなければならないのです。
 自分だけ快適な生活を享受し、その裏に起こっている問題を避けては通れないのです。
 皆さんがまず、しなければならないことは、なるべく汚染されたほうれん草を食べないようにする、ということではなく、少しでもごみを減らし、大気中の汚染物質を少しでも減らそうと努力することではないでしょうか?

 さて、話を元に戻します。
 私のぶどう園のそばの処分場ですが、実は今年になってからは一度も煙を見たことがありません。・・・何故なんでしょう?
 昨年末のダイオキシン排出規制適用受けて、改修困難で休止状態であるのなら、しめたものです。とりあえずは風向きと煙におびえなくて済みます。
 しかし、そこで燃やしていたものは、やはりどこかで燃やされているわけで、喜んでばかりもいられません。

 ごみ自体が減ったわけではないですからね。

 さあ、田舎の環境問題はこれで終わりです。みなさんはどう感じましたか?
 

 さて、この後、2月の第2週目からまた煙が出始めました。
 大きな煙突からではなくて、小さな煙突からのみ煙が出ています。しかし、毎日です。
 なんか、これって嫌な感じ・・・ちょっと確認する必要があるかしら?と思って農作業をしています。

 埼玉産のほうれん草も安全宣言が出されて、農家も一安心といったところでしょうが、この問題は単に行政の怠慢を責めるばかりではいけない事を消費者は考える必要がある、と、わたしは一消費者として考えさせられたのでした。

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