○木の活用 分類(1)北海道の有用木
   木を活用するときに必要になるのは木の分類である。どのような木があり手に入るかが問題である。有用な 木を知ることから始まる。実際に木製品を作っている人たちもそんなに沢山の木を知っているわけではない。過去に使ったことのある木何かのきっかけで 知った木、手に入り易い木などで簡単に材種を決めることが多い。北海道では建築(和風建具も同じ)には針葉樹〜エゾマツ、トドマツ、カラマツで あり、家具(クラシックドアを含む)にはミズナラ、タモ(ヤチダモ)が多くマカバは家具材として最高の材ではあるが最近は良材の入手が難しく なってきている。サクラ、キハダ、クルミ、シュリ、アサダなども個性のある木として忘れるわけにはいかない。カツラ、ホオも用途の多い木。 イチイ、イヌエンジュは、床柱に欠かすことのできない木である。北海道に昔からあった木にはアイヌ語名がある。また木はいくつもの別名を 持っているものが多い。オンコは広辞苑によると東北以北のイチイの方言(アイヌ語)とあるが語原は判然としていない。世界的にはイチイは 弓の素材として有名であるが、アイヌ民族もイチイをクネニ(ラルマニともいう)といっている。クは弓、ネはなる、ニは木で狩猟用の弓を作る木の意。 イチイの学名はTaxusはギリシャ語のTaxon弓に基づく説がある。イチイは一位、ムラサキギ、シャクノキ、アカギ、アララギ、スオウ、ミネズオウ、 紫松、紫木、水松、アブラギ、ヤマビャクダン、キャラボクなどと非常に多い。松浦武四郎の蝦夷日誌の中に松前地方ではイチイをオッコ〜オンコと 呼んでいることが書いてある。アイヌ人を昔和人が蝦夷(エミシ)と呼んでいたがこれは弓師から発したような説もある。日本語はアイヌ語、韓国、中国の 影響を受けている言葉が少なくないが北海道に移入された木にはアイヌ名がない。又地方によっても呼称が違うことがあるので注意が必要。
○木の活用 分類(2)北海道の有用木
   一つの木の名前が沢山あるのは長い年月の間に各地の人たちとの交流といろいろな経験から生まれた理由に よるものと考えられる。木の名はいわく因縁があり、諸説がある。北海道に昔から育成していた木の場合はアイヌ民族が付けた名の影響を少なからず 受けているのは当然であろう。和名を多いものでは2〜30を持っている木もある正式名が判然とせず調べるのに苦労することが良くある。シコロ、 キハダ、又はセン、ハリギリ。イチイ、オンコなど、アメリカ材にも、アメリカンバスウッド=バスウッドアメリカン、オークホワイト=ホワイトオーク、 アッシュブラック=ブラックアッシュなど索引は複雑なものになる。木材にたずさわる人たちは、ヤマゴ(伐採夫)、製材工場、販売業界とそれぞれ 違った呼び方をすることがある。木が育成している地帯の人たちには昔からの特有の名もあり方言などと混じり調べるときに苦労することが多い。 木の国日本では太古から適材が適所に使われていた事実が残っている。古事記に槙を棺に檜は宮殿に杉と楠(タブノキ説もある)は舟となっているのは 経験の知恵と思われる。狩猟民族のアイヌ(人と訳す)は舟の材料としてその地方に育成している木の中から選んだ日高地方ではカツラが使われることが 多いのはカツラの産地であり大径木が沢山あったためでアイヌ神話にはニレの舟は縁起がよく猟果が多いと思われていた。ニレにはハルニレ、アキニレ、 オヒョウニレがあり北海道にあるのはハルニレとオヒョウニレでありアキニレは東北南部以西の暖地に育成する。ハルニレは直径2mの大径木(現在もある )に成長するが材色が濃淡さまざまなのと寸法変化(狂い)が激しいので用材としてはあまり歓迎されないことが多い。オヒョウニレは良材である。 アイヌ民族はこの木の皮を春に剥がして繊維を採り衣服(アツシ)を作った。ケヤキはニレ科である。
○木の活用 分類(3)北海道の有用木(カバ)
   樹木は長い間に雑交配して別の種類の木ができることが多い。カバやナラなどがその代表ともいえる。マカバは 北海道の有用広葉樹の中で最も価格の高い木であり材積も少ない。高級家具材としてマカバは貴重な存在である。近似材としてメジロカバがあるが 植物学分類上もマカバと同一視されている。マカバの別名を挙げると、ウダイカンバ、サイハダカンバ、マカンバ、カバ、カンバ、サイバダ、セイハダ、 ミネバリ、シラカンバ、サハダ、ガンビ、カバ、メクラカンバ、ブタカンバ、カンビ、ナガバシラカンバ、アカカンバ、チャカンバ、キカンバ、カバキ、 カバザクラ、イヌクソカンバ、コッパタミネバリ、イタヤミネバリ、シラビ、タツツラ、ウダイ、ウダイマツ、ウデイ、カハハオ、ヤマナ、ソデ、テラシ、 ブニュゥ、ヨコジソゥジ、タイハダ、トモシカンバ。シタット、シタッ、シータット、タチニ、タツトニ、シタツニ、カリンバタツ、(アイヌ語) 。鵜松明樺、カバノキ科カバノキ屬、北半球の温帯から亜寒帯に至る地帯に約40種あり高さ30m、径1.2、樹齢300年、気乾比重0.67、日本特産。 マカバに準じた木はダケカンバ別名、サゥシカンバ、サゥシガンビ、ダケカバ、タケカバ、サハブナ、サザナギ、クロカンナバ、サハブサ、アカヨコジ、 タケシカンバ、カバ、シラカバ、シラカンバ、アカカンバ、ヒカバ、オニカバ、タイカンバ、タコガンビ、ブタ、ブタガンビ、シラハリ、エゾノダケカンバ、 タケゾウシ、サゥシノキ、アズサ、サッチラ、カビ、ガンビ、カカンボゥ、ドスガンビ、ドスカンバ、サチラ、タツラ、マギ、カンビ、カンビョ、ガンピ、 ガンビ、テラシ。カムイタット、ヘリタット、カパットタット、ペタット、タットニ、レタッタッニ、シタッ(以上アイヌ語ニとは木のこと)。 高さ15m、径1m、樹齢100年、気乾比重0.80、このように沢山ある名はいずれも正しいのである。