少年忍者あか・きい・ちゃっちゃ
 その3


 

         場面転換   ザンブリ川



          場面は川になる。


ちゃすけ     またずいぶん大きな川だなあ。

きいきい丸    流れも速いし。

くれない     泳いで渡るのは無理だな。よし、ハッ!
         (と、ロープを投げて、向こう岸に渡す)
         いいか、このロープをつたって向こうに渡るぞ。
         (渡り始める)

ちゃすけ     (続いて)ひぇ〜〜!こわ〜〜。


          くれないとちゃすけはなんとか渡り終える。
          ところがきいきい丸はまだ渡れない。


ちゃすけ     きいきい丸!早く来いよ。

きいきい丸    だってこわいよ〜。

くれない     しっかりロープにつかまってれば大丈夫だ。
         来い!

きいきい丸    ぜったい?ぜったい大丈夫?
        (そろそろと渡ろうとするが)あ〜ん、つめたいー。

ちゃすけ     ぐずぐず言ってないで早く来いってば!

きいきい丸    うわーん。じゃ、いくよ。
          せえのっ(と、思い切って渡り始める)
          うんしょ、うんしょ・・・・
          はあっ、もうちょっとだ。

くれない     その調子だ。がんばれ!

きいきい丸    うんしょ、うんしょ。


 ところが、あろうことか、ロープがはずれて流れに飲み込まれるきいきい丸!


きいきい丸    うわー!たすけてぇー!

くれない     きいきい丸!

ちゃすけ     うわっ、流されちまった!どうする?くれない。

くれない     ほうってはおけないよ。とにかく追いかけよう。

ちゃすけ     そうだな。よし、行こう!
         (と、行きかけるが)あ、待って。

くれない     なに?

ちゃすけ     声が聞こえる。きいきい丸だ!

くれない     ホントか?

ちゃすけ     ホントだ。おれの耳はウサギよりいい。
           こっちに近づいてくる。

くれない     どこ?どこだ!?

ちゃすけ     しーっ。
         ホラ、そろそろおまえの耳にも聞こえてくるだろう?

くれない     (耳をすます)

きいきい丸    (遠くから声のみ)おーい、おーい。

くれない     聞こえた!

きいきい丸    (まだ声だけ)くれないー、ちゃすけー、どーこー?

ちゃすけ     やっぱりきいきい丸だ。
         おーい、きいきい丸、こっちだぞー!


 川下の方から水鳥かなんかに乗って、ぷかぷかとのどかな感じできいきい丸登場。 →*注1


きいきい丸    うわあ、ちゃすけ!くれない!よかったぁ。
         もう会えないかと思ったよ。

ちゃすけ     まーったく、心配させるなよな。

くれない     でも助かってよかったよ。

きいきい丸    ぼく泳げないから、ばちゃばちゃぶくぶくやってたら、
         この鳥が助けてくれたんだ。
        (鳥に)どうもありがとね。
     (鳥はどういたしまして、というふうにうなずいて去っていく)

         ばーいばーい!


くれない     さてと、これからどうする?
         この先はきいきい丸もよく知らないんだろう?

きいきい丸    そうなんだ。
         川を渡ったこの谷のどこかってことだけしか。

くれない     敵のすみかがどこか、どうしたらわかるかな。

ちゃすけ     そうだ!おれ、いいもの持ってる。

きいきい丸    なに、いいものって。

ちゃすけ     じゃん!(とりいだしたのは大ダコだ!)
           この凧に乗って高いところからみわたせば、
           きっと見つかる。
           なっ、いいアイデァだろ?

きいきい丸    なるほどー。ちゃすけ、さえてるー。
           で、だれが凧にのるの?

ちゃすけ     え、いちばんちっこいからおまえだろ。

きいきい丸    やだよ!ぼく、高所恐怖症だもん。
           高いとこから下なんてみられない!

ちゃすけ     おれだって、凧あげるのは得意だけど、
           乗るのは・・・なあ。
           (くれないに助けを求める)

くれない     わかった。おれがのる。
          そのかわり、しっかりあげてくれよ。
          手、離すんじゃないぞ。

ちゃすけ     がってん、承知のすけ!
          よおし、じゃ、きいきい丸、おまえ、支えてろ。
          おれが走るからさ。

きいきい丸    OK!くれない、がんばってね。
          (支えて)こうかな?


くれない     それにしても、この凧、偵察用にしては
          ちょっと派手すぎないか?

ちゃすけ     ああ、それ、今年の正月に凧揚げ大会で優勝した
          ときのなんだ。目立ったほうが、いいだろ。
          まあ、気にするなって。じゃ、準備はいいか?

きいきい丸    おー!

ちゃすけ     あげるぞ!それっ!


    と、走ろうとするが、きいきい丸が手を離しそこねて、
    重さですぐべちゃっと倒れる


くれない     いったー!ちゃんとあげてくれよ。

ちゃすけ     きいきい丸、おれが走るときは手を離して。
          いっしょになって飛んでちゃだめだよ。

きいきい丸    わかった。ごめんね、くれない。
          つぎはがんばるよ。

くれない     頼むよ。

ちゃすけ     よし、もう一度いくぞ。
          いち、にい、の、それっ!
        (たたっと走るとこんどはきれいに凧があがった)
          いいぞー、あがったー。
          おおい、くれない、なにか見えるか?

くれない     待って、今探してる。
         あっ!北側の林の向こうに、
         大きな城のような建物が見える。
         あれがきっと嵐山変毒丸のすみかだ。
         まずい!番兵に気づかれた。
         はやく、はやくおろしてくれ!


          突然、どーんと大砲の音。
     爆風にあおられるように、凧は遠くに飛ばされていく


くれない     わあー!(凧ごときえる)

きいきい丸    くれない、くれない!

ちゃすけ     まずい!おれらもいったんどこかに隠れないと!


  そのとき上から網が落ちてきて、二人は捕らえられてしまう


きいきい丸    うわ〜ん、つかまっちゃったあ!

ちゃすけ     だれか助けてくれー!


    網ごとひっぱりこまれるようにして、退場


*注1  本番では、人形制作者他メンバーの好みにより、鳥ではなく河童になりました。

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